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「TRY48」 ★☆ |
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歌人・劇作家、演劇実験室を標榜した劇団「天井桟敷」を主宰した寺山修司(1935〜83)が、もしまだ生きていたら、という設定による破壊的な長編作。 ※市ヶ谷で割腹自殺した三島由紀夫まで登場。 85歳になった寺山修司、AKB48 らの向こうを張ってアイドルグループTRY48 をプロデュースする、という次第。 ちなみにTRY とは、TERAYAMAの頭文字から。 しかし、寺山がプロデュースするからには、通常のアイドルグループとはちょっと違う・・・どころか、まるで違う、いや全て正反対のことをやらせまくる、という感じです。 主人公は高校生の深井百合子。アイドルを目指すが何度もオーディションに落選、自称:<坂道>未満の女子。 その百合子が高校のサブカル部で出会ったのが、一学年下の寒川光子。百合子の黒子だと主張し、何と2人セットで寺山のオーディションに合格(寒川→「黒川サブ子」)。 百合子はごくフツーのボンヤリ女子ですが、サブ子が凄い。オタク顔負けの博識、理屈で迫り、流石の寺山もタジタジ風。 とにかくまぁ、怒涛の如く、そして狂乱の如きストーリィ。 寺山修司という人物、その事績はそうしたものだったのか、と思う次第です。 寺山修司という人をよく知る、あるいは興味ある人にはさぞ面白いかと思うのですが、私は名前等を多少知っているという程度ですから、ストーリィの勢いに押し流されるまま、半ば呆然という状況。 いやぁ、凄かったです。 1.寺山修司・85歳、アイドルグループをプロデュースする/2.『デスノート』のLの葬式を開く/3.60年代テラヤマ演劇を生きる/4.ももいろクローバーZを論じる/5.セクハラを告発する/6.さらば、キタサンブラック/7.アイドルおたくを罵倒せよ!/8.スマホを捨てよ、町へ出よう/9.天才少女の落日/最終章.寺山修司を超えて |