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11.コンビニたそがれ堂セレクション 12.コンビニたそがれ堂−神無月のころ−−コンビニたそがれ堂 No.5− 13.桜風堂ものがたり−桜風堂ものがたり No.1− 14.コンビニたそがれ堂−祝福の庭−−コンビニたそがれ堂 No.6− 15.はるかな空の東 16.百貨の魔法 17.アカネヒメ物語 18.コンビニたそがれ堂−小鳥の手紙−−コンビニたそがれ堂 No.7− 19.星をつなぐ手−桜風堂ものがたり−−桜風堂ものがたり No.2− 20.コンビニたそがれ堂−猫たちの星座−−コンビニたそがれ堂 No.8− |
【作家歴】、天空のミラクル、天空のミラクル−夏の魔法、コンビニたそがれ堂、コンビニたそがれ堂−奇跡の招待状−、コンビニたそがれ堂−星に願いを−、カフェかもめ亭、海馬亭通信、海馬亭通信2、コンビニたそがれ堂−空の童話−、ルリユール |
かなりや荘浪漫、かなりや荘浪漫2、コンビニたそがれ堂−花時計−、魔女たちは眠りを守る、コンビニたそがれ堂異聞−千夜一夜−、桜風堂夢ものがたり、風の港、不思議カフェNEKOMIMI、さやかに星はきらめき、コンビニたそがれ堂−夜想曲− |
街角ファンタジア、風の港−再会の空− |
「コンビニたそがれ堂 セレクション」 ★★ | |
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人気シリーズ(と言っても私は本書で初めて知ったのですが)“コンビニたそがれ堂”からのセレクション。 風早の街、駅前商店街の外れへ夕暮れ時に行くと、古い路地の赤い鳥居が並んでいる辺りで、不思議なコンビニ店を見つけることがあります。 いずれも胸の内にある想いを届けようとするストーリィ。その願いを叶えるためのグッズを売っているというのがこの“コンビニたそがれ堂”という設定。 |
「コンビニたそがれ堂−神無月のころ−」 ★★ | |
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「コンビニたそがれ堂セレクション」の読書後、シリーズ既刊4冊を少しずつ読んでいこうと思っていたのですが、他の“風早の街”シリーズ作品に手間取り、1冊も読み終わっていない状況でシリーズ第5弾に突入となりました。 風早の街の黄昏時、心の底から欲しい物あるいは探している物がある人の前にだけ現れるという、伝説の不思議なコンビニ“たそがれ堂”。 ファンタジーな物語と言ってしまえばそれまでですが、本シリーズには他のファンタジー作品にない、フワフワして明るく、捉え処がないけれど深い温もりを感じさせてくれる雰囲気があって、それが何よりの魅力です。 今回、「長い銀色の髪に金色の瞳のお兄さん」という店主(風早の街の守護神=風早三郎?)は不在で、代わりに「黒い長い髪のお姉さん」といった風のバイト店員=化け猫のねここがお客さまを待ち受けます。 「神無月のころ」という副題は、ねここ登場のための設定かと漸く気付いた次第です。 化け猫のねここが仕切っている所為か、どうも本巻では幽霊の登場が多いようです。でも薄気味悪い話には決してならない。むしろ嬉しい、あるいは楽しいとい気持ちです。何故なら皆、主人公が会いたいと思っていた相手ばかりなのですから。 ・「神無月のころ」は、小学生の瑞穂と野良猫チイコの物語。たそがれ堂に行き着いた瑞穂の前に、着物にエプロンドレス姿のねここがバイト店員として初登場します。 ・「幻の遊園地」は、病弱な青年の哲也と年老いた昭子さんの物語。 ・「夏の終わりの幽霊屋敷」は、叔母から古い洋館を遺贈された真昼と洋館に住む臆病で奥ゆかしい幽霊たちの物語。 ・「赤い林檎と金の川」は、書店長の斎藤さんと同級生だった女の子の物語。 ・「三日月に乾杯」は、桂子さんと亡き父親の物語。 本書5篇の中では、瑞穂とチイコの関係が愛おしい「神無月のころ」と、何とも温かくて微笑ましくユーモラスな「夏の終わりの幽霊屋敷」が大好きだなァ。 序章−神無月のころ/幻の遊園地/夏の終わりの幽霊屋敷/赤い林檎と金の川/終章−三日月に乾杯 |
「桜風堂ものがたり」 ★★ | |
2019年03月
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風早駅前商店街にある星野百貨店、その6階に銀河堂書店はあります。 “宝探しの月原”と言われる月原一整は、バイト時代から数えその銀河堂書店で10年の勤務歴がある書店員。しかし、ある出来事から月原は、銀河堂書店を辞職することになります。 その月原が足を運んだのは、かねてからネット上で親交のある、山間の町=桜野町にある古い書店“桜風堂”。 桜風堂店主である老人とその孫=透の窮状を知った月原は、書店を守ろうと桜風堂書店で働き始めるのですが・・・。 主人公の月原一整、桜風堂店主の老人とその孫である透、銀河堂書店で児童書担当の内気な卯佐美苑絵、カリスマ書店員と評される文芸担当で幼なじみの三神渚砂、子猫のアリスとオウムの船長等々、関心を引かれる登場人物が本書では真白押し。 「桜風堂ものがたり」という題名から、当然にして桜風堂書店を舞台にしたアレコレの出来事と思ったのですが、本ストーリィはさに非ず。 本作は、街中にある中規模書店、山間の町にある小さな書店という違いに関係なく、感動した新刊本を多くの人に読んでもらいたいと手を携え奮闘する書店員たちの姿を描いた長編ストーリィとなっています。 そうした展開は、本好き・書店好きとしては嬉しい限りですが、折角興味引かれる登場人物が数多く登場しているのに、勿体ないなぁと感じるばかり。 まぁ、これが今後シリーズ化される「桜風堂ものがたり」の序章ということであれば、仕方ないか、と思います。 今後、この物語のさらなる広がりを祈って、星2つ。 序章.朝の子猫/1.オウムとコーヒー/2.霧の中/3.遠い日の絵本/幕間.子猫と少年/4.桜と恋文/5.春の野を行く/6.その店の名は/幕間.空を行くもの/7.四月の魚/終章.光舞う空/あとがき |
「コンビニたそがれ堂−祝福の庭−」 ★★ |
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“コンビニたそがれ堂”シリーズ、第6弾。 読むのが1月になってしまい少々残念でしたが、本書収録の3篇はいずれもクリスマス・ストーリィ。 ファンタジーで不思議なコンビニ、たそがれ堂。そして心から温まるようなストーリィ、このシリーズの魅力はその点に極まると言って過言ではありません。今回はクリスマス・ストーリィとあってさらに温かい、という気がします。 なお、神様だってクリスマスを祝って不思議ではないそうです。 「ガラスの靴」:風早の街にある洋品店に勤める若い女性=つむぎが主人公。幼い頃夢だったデザイナーの素質が自分にないことを既に自覚していて、家族の縁が薄く今は一人暮らし。スケッチブックを買おうとして迷い込んだ路地裏の奥にあるコンビニに入ったつむぎは、そこでかつてシンデレラが持っていた本物だというガラスの靴を手に入れます。 「心根の綺麗なお嬢さん」にはさらにお安くすると、値段はわずか5円。そのガラスの靴、果たしてどんな奇跡をつむぎにもたらすのか。 「神様のいない家」:入院している母親を元気づけるためと、小学生のこずえは母親が子供の頃に大好きだったという漫画家=由利原さくらの家を訪ねていきます。幼いこずえにとっては大きな冒険。しかし、こずえが出会ったのは、今や一人寂しく暮らす老女と化した漫画家。 そんな2人の身の上に、どんな奇跡が起きるのやら。 「祝福の庭」:学校時代から漫才コンビを組んでいる秀一と圭介の前に姿を現した、サンタクロースそっくりの老人。記憶を喪失したその老人の世話をしていた2人は、姿を消した老人を探して街中を駆けずり回ります。 いいなぁ、このシリーズ。この温かさが堪えられません。 本書ではとくに「ガラスの靴」が素敵です。 なお、クリスマスのサービスでしょうか、最初の篇は風早三郎が登場し、次の篇では化け猫のねここが登場。そして最後の篇では風早三郎とねここが揃って登場するところが嬉しい。 ガラスの靴/神様のいない家/祝福の庭 |
「はるかな空の東」 ★☆ |
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2017年05月
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20年前に書かれた児童向けファンタジー冒険物語、小峰書店刊「はるかな空の東 クリスタライアの伝説」に若干修正を加えると共に、短い後日談を書きおろして文庫化した作品とのこと。 また、ファンタジー物語として村山早紀作品の原点との由です。 原点というべき作品であるなら、とりあえず読んでおこうと、文庫本を購入して読書した次第。 ストーリィはファンタジー世界にある王国が舞台。 善神ユウランと邪神セリファエルの戦いから長い年月が経った、現在から5年前。 世界に平和をもたらすと予言された<千年の王>たるべき双子の姉王女トオヤと、<千年の歌い手>たるべき妹王女ナル。2人が7歳になったとき、青い髪の女魔術師が現れ、国王ヤルンを殺害し、ナルに瀕死の傷を負わせると共にトオヤを塔に監禁します。 まだ少女というものの宮廷魔術師の一人であったハヤミは、ナルを守って生き残った宮廷魔術師と共に現代日本に居場所を移し、マルを守り育てます。 しかし5年後、ナルはいきなり故郷の世界に引っ張り込まれ、その先にあった草原で、伝説の歌い姫であるサーヤ・クリスタライアと出会います。 ナルを追って後からこの世界に戻ってきたハヤミらと共に、ナルと仲間は邪神復活を企む女魔術師と戦うべく、故郷の首都へと向かう、というストーリィ。 戦いの道具や設定にいろいろな趣向が凝らされていますが、それが十分活かされるという処までは至らず、ストーリィ展開としては粗いという印象。 また、ファンタジー世界の王国と、現代日本を繋げた設定は強引で必然性なし、と感じますが、それは大人だから思うこと。 本物語の対象が小学校高学年以上であったということですから、読者の関心を引き付けるため、という面では必要なことだったのだろうと思います。 《伝説》/プロローグ 赤い月の夜/失われた歌/水晶の歌姫/星祭りの夜/ユリア/再会/歌姫の紋章/千年の夜/エピローグ はるかな空の東/《朝》/ 二十年目のあとがき |
「百貨の魔法」 ★★ |
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2021年04月
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「桜風堂ものがたり」に登場した、風早の街の“星野百貨店”を舞台にした連作風ストーリィ。 戦後、街の復興と成長の中心となり、老若男女を問わず街の人々から愛された星野百貨店も今や業績が低迷、50周年を迎えた今、百貨店の先行きが危ぶまれている。 しかし、この店には“魔法の猫”がいる、神出鬼没のその白い子猫を見つけて話を聞いてもらえれば願い事を何でもひとつ叶えてくれる、という言い伝えがある。 そんな星野百貨店に、新しく<コンシェルジュ>が設けられることになり、ただ一人の担当者として登場したのが、芹沢結子という謎多き美女。 古い百貨店らしく、良き時代を知り、今も深くこの百貨店を愛する多くの従業員たちが大事にしてきた、お客さまのために星野百貨店が叶えてきた多くの夢。 今、本書の頁を開くと、それらの夢が再現!されます。 最初こそ、村山早紀さんらしい温かな雰囲気のストーリィというだけの印象でしたが、章を追う毎に読み手の目の前に、夢に満ちた世界が広がっていきます。 何と楽しく、嬉しく、そして幸せに感じられることか。 ・「空を泳ぐ鯨」の主人公は、入社1年目のエレベーターガールである松浦いさな。彼女の願う夢は・・・。 ・「シンデレラの階段」の主人公は、地下1階のテナント<百田靴店>の店長である咲子。かつて夢を捨てたことのある彼女が願う夢は・・・。 ・「夏の木馬」の主人公は、別館6階:宝飾品&時計フロアーのマネージャーである佐藤健吾。子供の頃、屋上にある回転木馬が大好きだった彼が願うとしたら・・・。 ・「精霊の鏡」の主人公は、資料室に勤務する早乙女一花。今が十分幸せという彼女が願った夢は・・・(素敵です!)。 連作ストーリィの面白さに加え、ファンタジスティックな白い子猫、ミステリアスなコンシェルジュである芹沢結子の存在がさらに楽しさ、幸せ感を高めてくれています。 「幕間」「終幕:百貨の魔法」は、その謎解きと、星野百貨店の夢がこれからも守られていくことを期待させてくれる章。 宝石箱のような夢に満ちた連作ストーリィ。楽しいこと、夢のあることが大好きな方に、是非お薦めです。 1.空を泳ぐ鯨/2.シンデレラの階段/3.夏の木馬/4.精霊の鏡/幕間/終幕.百貨の魔法 |
「アカネヒメ物語」 ★☆ |
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2001年に岩崎書店から刊行された児童書の“アカネヒメ物語”シリーズ全5巻+書下ろし1篇を加えて一冊にまとめた「総集編」とのこと。 家庭の事情から風早街に引っ越してきた小学4年生のはるひは、東風早町西公園で不思議な女の子を見かけます。 その子は、公園にある桜の木の枝に腰かけ、赤い着物を着て金の冠をかぶり、手に鈴のついた金色の杖を持っていた。 祖母が「公園のアカネちゃん」と教えてくれたその子は、その桜の木をよりしろとする神で、この地を5百年に亘って守護してきたのだという。でもまだまだ神様としては子ども、見習いに過ぎず、発揮できる力は僅かという。 アカネヒメの姿を見ることが出来るのは特別の能力をもった人間だけ。ずっと寂しさを抱えていたアカネヒメ、久しぶりに人間の子と話ができて嬉しそう。 少しでも人を救ってあげたいと望むアカネヒメの願いを入れ、それからはるひとアカネヒメは、2人が見聞きした出来事を何とか幸せな結果に導きたいとコンビになって奮闘します。 ・「オルコールの秘密」:“夜走る女の子”の幽霊が抱える想いを、2人は叶えてあげることができるのか。 ・「夢みる木馬」:クリスマス・イブの日、2人は元気を失ったサンタクロースの子孫だという青年に、再び希望を取り戻させられるのか。 ・「たそがれの約束」:パラレルワールドを元にした、6篇の中でもとりわけファンタジーな篇。アカネヒメの恋物語も。 ・「人魚姫の夏」:元気を失ったママに再び元気を取り戻してもらうため、はるひは遠くの町へアカネヒメと共に冒険の小旅へ。 ・「春色のミュージカル」:はるひはもう6年生。素敵な歌声をもっているのに自分に自信が持てない女の人を応援しようと、2人が頑張ります。ところが思わぬ応援者〇〇が現れ・・・。 この応援者たちがとびきり魅力的。中々他では出会えません。 ・「永遠の子守歌」:世界の危機、そして未来の物語。 可愛い神様=アカネヒメと元気な小学生の女の子=はるひのファンタジーな冒険、そして心温まるストーリィが何とも素敵。 個人的には、〇〇たちの登場がお見事!と称賛したい。 オルゴールの秘密/夢みる木馬/たそがれの約束/人魚姫の夏/春色のミュージカル/永遠の子守歌/あとがき |
「コンビニたそがれ堂−小鳥の手紙−」 ★☆ | |
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“コンビニたそがれ堂”シリーズ、第7弾。 いつも変わらず、心が安らぐ短篇集です。春先には好いですね。 ・「雪柳の咲く頃に」: 心優しい少年=淳が、壺に閉じ込められている魔神に関わってしまい、自分の身を犠牲にして頑張っている処に、新しく始めたコンビニサービスのお弁当配達をしていた店員ねここ(バイトから昇格)が通りがかり、少年を手助けします。 昔懐かしいお伽話が入り込んでいるのは、サービスですよね? ・「小鳥の手紙」: 結婚が決まりもうすぐ生まれ育った街を巣立っていく千花、最後に思い出されることは、幼い頃の出来事。隣の洋館の庭先に置かれていた巣箱に手紙を入れると、お空の国にいるママから返信が届いたというもの。手紙のやり取りは1年間程続きました。 もう一度優しい魔法に触れてみたい、と千花は思います。 ・「番外編:百貨の魔法の子どもたち」 風早の街にある、皆から愛された星野百貨店を描いた「百貨の魔法」の番外編。 今は百貨店の地下1階にある店のパティシエ=守岡瑛太が、幼い頃、友人の小田切想とクリスマスの頃に星野百貨店で繰り広げた冒険を回想します。 コンビニたそがれ堂と、星野百貨店の伝説である“魔法の猫”とのコラボストーリィとあって、ファンにとっては楽しいことしきりです。 ※本シリーズ、このところの刊行サイクルは1年+αのようです。あとがきで村山さん曰く、次巻は来年の春か初夏の頃を目指します、とのこと。 雪柳の咲く頃に/小鳥の手紙/番外編:百貨の魔法の子どもたち |
「星をつなぐ手−桜風堂ものがたり−」 ★★ | |
2020年11月
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「桜風堂ものがたり」の続編。 今回は、桜野町の小さな書店<桜風堂書店>、経営を任された主人公=月原一整が中心となるストーリィ。 まず、地方にある町の書店の厳しい状況が語られます。時代ものの大人気シリーズの久しぶりの最新刊「紺碧の疾風(かぜ)」が桜風堂に取次から配本されない、というのがその出来事。 風早街にある銀河堂書店に勤務していた時は担当編集者と親しくしていたのに、状況が変わればもう相手にされない、ということか。 それでも何とか桜風堂を活気づけたいと、一整がいろいろ考えを巡らし行動していくうち、そんな一整に呼応するかのように、銀河堂書店の元同僚たちや一整と多少なりとも関わりを持った人々が動き出します。 本作を一言で語るならば、本を愛する人たち、その本を提供してくれる書店を愛する人たちのためのストーリィであり、同時に町の書店たちへの応援歌となるストーリィ。 この小さな書店を愛する一整の気持ちが、銀河堂書店の仲間や桜風堂を訪れたことのある作家たちへと繋がり、広がっていく。 その根底にあるのは、本を愛し、そんな書店を大事にしたいと願う人たちの、心の繋がりに他なりません。 卯佐美苑絵や三神渚砂たち、前作に登場した人々が再び勢ぞろいで登場し、新たな登場人物も加わります。 本作を読むということは、本や書店を愛する人々の輪に加わるようなもの。本好きにとって、こんなに幸せな時間はありません。 お薦め。 ※本作は、星野百貨店を描いた「百貨の魔法」と姉妹編との由。 序.白百合の花/1.夏の終わりの朝に/幕間1.カーテンの向こう/2.遠いお伽話/幕間2.アンタウロスとお茶を/3.人魚姫/幕間3.Let it be/幕間4.神様の手/終章.星をつなぐ手/あとがき |
「コンビニたそがれ堂−猫たちの星座−」 ★☆ | |
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“コンビニたそがれ堂”シリーズ、第8弾。 今回は、飼い主に寄り添う猫たちが主役。 「しっぽの短い麦わら猫」は、プロローグとエピローグ。 飼い主一家といつまでも一緒にいたいと願う子猫の千春が、ただひとりで、コンビニたそがれ堂を探してやってきます。 その千春を迎え入れたのは、お馴染みの<ねここ>。 化け猫なんかにならなくていい、そのままふつうの猫でいても、皆を幸せにできるんだと、去年のお客様2人の話を千春に物語ります。 「サンタクロースの昇天」は、老いた猫と2人暮らしの老人=周太郎さん。 高熱で寝込んだ周太郎さん、ふと身体が浮き上がり、パジャマ姿のまま街中へと飛んでいきます。周太郎さんが願うことは、皆の幸せ・・・。 「勇者のメロディ」は、風早の街にある古いショッピングセンターで、長年にわたり占い師を務めて来たユリエさんと、飼い猫の老猫おはぎさんが主人公。 ユリエさんが振り返って口にした“いい人生”とは・・・。 猫好きな方には、とても嬉しい巻だったのではないでしょうか。 しっぽの短い麦わら猫は−その1−/サンタクロースの昇天/勇者のメロディ/しっぽの短い麦わら猫は−その2− |
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