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2.銀河不動産の超越 3.どちらかが魔女−森博嗣シリーズ短編集− 4.僕は秋子に借りがある−森博嗣自選短編集− |
●「少し変わった子あります」● ★☆ |
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2007年11月 2009年06月
2006/09/17
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何と言ったら良いのだろう、この小説は。 女将に連れられて登場する若い女性はその都度変わり、しかもどういった女性か名前すら判らない。
このストーリィに答えはありません。 少し変わった子あります/もう少し変わった子あります/ほんの少し変わった子あります/また少し変わった子あります/さらに少し変わった子あります/ただ少し変わった子あります/あと少し変わった子あります/少し変わった子終わりました |
●「銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency」● ★★ |
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2011年11月
2008/06/17
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“銀河不動産”というからには広大な宇宙を舞台にしたSFストーリィかと思いきや、何のことはない、何処の町にもあるような零細な不動産仲介会社。 県内の国立大学卒だというのに、何故「ここだけはやめておけ」と言われた会社に入ったかというと、気力というものが認識できない、怠けているわけではなくこれが精一杯なのだ、という人間だから。 特筆すべきドラマがある訳ではないのですが、風変わりな客たちに真面目に向き合っている主人公が醸し出す雰囲気を楽しんでいるうち、意外にもそれら全てが絡み合って皆が幸せと思う方向に転がっていくという、後から思うと、これは不思議な楽しさをもった作品なのです。 銀河不動産の超越/銀河不動産の勉強/銀河不動産の煩悩/銀河不動産の危惧/銀河不動産の忌避/銀河不動産の柔軟/銀河不動産の捕捉/銀河不動産の羅針 |
●「どちらかが魔女 Which is the Witch?−森博嗣シリーズ短編集−」● ★ |
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2009年07月
2008/10/01
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“犀川&萌絵”シリーズから、著者自身が選んだ8篇を収録した短篇集、とのこと。 私が初めてという訳で、主人公として並列関係にある犀川と萌絵の2人を簡単に紹介すると、犀川創平は、国立N大学工学部の助教授。 謎解きゲームであるが故に中身が凝り過ぎ、問題自体がするっと私の頭の中に入ってこないところがあり、したがって、その結果として正解を教えてもらっても、何となく未消化という気分が残ります。いわば、謎が解けたのはいいけれど、だからどうしたんだ?という風。 登場人物はいずれも個性的で、西之園萌絵を中心に、彼らが絡み合うところから生じる面白さもありますが、ミステリ自体は今ひとつ物足りず。 ぶるぶる人形にうってつけの夜/誰もいなくなった/石塔の屋根飾り/マン島の蒸気鉄道/どちらかが魔女/双頭の鷲の旗の下に/いつ入れ替わった?/刀之津診療所の怪 |
●「僕は秋子に借りがある−森博嗣自選短編集−」● ★★ |
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2009年07月
2008/10/29
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自選短篇集とのこと。特定のシリーズに捉われていない所為か、「どちらかが魔女」より楽しめました。 冒頭の殺人事件2篇。暗さがなく、さらっと書かれているので、事件の謎より当事者たちのやり取りの方が楽しめたり(「虚空の黙祷者」)、現代おとぎ話かと思わせながられっきとしたミステリだったり(「小鳥の恩返し」)と、巧妙な仕掛けが楽しい。 ミステリ、推理ものというより、読者に対する仕掛けの面白さが持ち味の短篇集と言うべきなのでしょう。 なお、「素敵な模型屋さん」はファンタジー要素、「キシマ先生の静かな生活」は主人公のユニークさ、表題作「僕は秋子に借りがある」はその雰囲気が、何よりの味わいです。 虚空の黙祷者/小鳥の恩返し/赤いドレスのメアリィ/探偵の孤影/卒業文集/心の法則/砂の街/檻とプリズム/恋之坂ナイトグライド/素敵な模型屋さん/キシマ先生の静かな生活/河童/僕は秋子に借りがある |