松村美香
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東京都生、1985年中央大学経済学部卒。青年海外協力隊として2年間タイに滞在した後、筑波大学大学院で修士(経営学)取得。2009年「利権聖域−ロロ・ジョングランの歌声」にて第1回城山三郎経済小説大賞を受賞。執筆の傍ら、現在も国際開発コンサルタントとして世界中を飛び回っている。

 


           

「アフリカッ! 


アフリカッ!画像

2013年12月
中央公論新社
(1700円+税)

  

2014/01/26

  

amazon.co.jp

主人公は村上大樹、28歳。 工業大学で電子工学を学んだものの、周囲の予想に反して総合商社に就職。海外部門勤務を望んだものの配属されたのはシステム部。優秀という評価を得てしまった故に異動希望は毎年はねられ、ついに退職してもと交渉してやっとアフリカ開発部への異動が叶います。
そして初めてのアフリカ出張。同行した先輩社員に貶されながらもプロジェクトの種を見つけようと大樹は張り切りますが、実はアフリカ営業の過酷さを一度経験させればすぐシステム部に戻りたいと言ってくるに違いないという、上司らが目算しての研修出張だったと判った次第。
そんな大樹が、理想と現実のギャップの大きさに衝撃を受けながらも意地半分初志貫徹と、仕事に女性にと猪突猛進する姿を描いた、新米商社マンによるアフリカ現地版お仕事小説。

日本から見てアフリカ大陸は、遥かに遠い土地です。何しろ遠いヨーロッパのさらにその先にある、という感じですから。
本物語で主人公は、
エチオピアを皮切りに、ケニア、ザンビアと回りますが、それらの国がアフリカ大陸でどの位置にあるのか、ケニアを除いて私には全く判りませんでした。
そんな地でどんな商売が成り立つのか。主人公のようにとにかく猪突猛進するしかないのかもしれません。
アフリカと一口に言っても、民族性も違えば国情、土地柄も違います。
読者は、何にも判らない主人公と一緒に各地を転々とし、その違いを肌で経験する、本書はそういった作品であると言って良いでしょう。
本書を読んだからといってアフリカ大陸が近くなったと感じるまでには至りませんが、大海原の向こうにアフリカ大陸の姿がちょっと見えたかな、という気がします。

1.タイムスリップ・人類の起源/2.表と裏/3.弱肉強食、敗北者には死を/4.生命の歌/5.突撃前夜/6.障害物、てんこ盛り?/7.断崖絶壁/8.明日への扉/最終章

                 


   

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