黒井勇人作品のページ


黒井勇人とは、「黒い会社に勤めるマ男と応援してくれた人々」という意味の架空の名前。

  


 

●「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」● 




2008年06月
新潮社刊

(1400円+税)

2009年10月
新潮文庫化

  
2008/08/22

 
amazon.co.jp

映画化もされる程評判となった電車男と同じような趣向の一冊。
高校中退のままヒキコモリ → NEETだった主人公は、母親の事故死をきっかけに一念発起、基本情報技術者の資格をとり、なんとかシステム開発会社にプログラマーとして入社する。
ところが、この会社がとんでもない“ブラック会社”。
いかにブラックかを主人公がネット上に書き込み、それを読んだネット住人がいろいろコメントを書き加えます。そのやりとりから成立する物語。
(主人公は途中から“マ男”と自称)

「電車男」の趣向そのままといえるのですが、「電車男」の場合は、不器用な主人公の純愛故にネット上の仲間たちが彼のために応援を尽くすという展開。それなりに感動するところがあったのですが、本書「ブラック会社」はそうではありません。
ネット住人たちも、もうひとつ野次馬的。

しかしまあ、この“ブラック会社”、どこまで真実かどこから誇張か判りませんが、相当にハチャメチャ。
主人公が尊敬するマトモな人もいることにはいますが、そんな人がいることも含めてハチャメチャと言うべきなのでしょう、この会社は。
そんな滅茶苦茶な会社も世の中にはあるんでしょうねぇ。

 


  

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