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「鴨川ランナー」 ★★ 京都文学賞 |
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高校の時、他の外国語とはまるで違う字体であるところに興味を惹かれ日本語を選択、そして2週間の京都経験。 大学を卒業して文部科学省英語指導研修プログラムに応募して、指導教員として再来日。 しかし、京都の暮らしに溶け込む一方で、周囲の日本人たちからは日本語も遠ざけられ、あくまでガイジン扱い。 そんな主人公の違和感や葛藤を描き出す作品ですが、「きみ」という第二人称での語りが秀逸。 外国人から見た日本、日本人はこう見えるのかと、新鮮に感じられます。 その一方、本篇からは、京都という街の雰囲気が立ちのぼってくるように感じられる、そんな有り様も魅力。 「異言」も、外国から日本にやってきた外国人が主人公。 英会話学校で働いていたが学校が倒産、友人を頼って、結婚式に立ち会う牧師のバイトをすることになります。その際の注意事項は・・・。 2篇とも、日本に溶け込むことが許されない外国人のやるせなさ、のようなものを感じます。 すべてがこうではないとは、思いますが。 鴨川ランナー/異言(タングズ) |