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「ナミダ列車 The Namida Train −1時間5分、君とたどる奇跡−」 ★★ | |
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高校三年生の早乙女いろは、学校をさぼってただ一人、日光行きの東武電車に乗り込みます。 すると、ボックス席の向かい側に座っていた若い男性が、自分はいろはのことをよく知っていると、馴れ馴れしく話しかけてきます。 ともあれ、そこから1時間5分の、短い旅が始まります。 途中、いろはの前にはいろいろな人物が座ります。 中年男性、小さな女の子を連れた老婦人、新婚カップルと。 それらの会話の中でふと、いろはが感じる時間のズレは、果たして何なのか。 割とよくあるファンタジー要素かと思いきや・・・ヤラレタ! そういう仕掛けだったとは。 日光行きの東武電車内での出来事、いろはが全く見知らぬ男性だというのにやたら馴れ馴れしい、「ハルナ」と名乗る男性。その正体は? というのが本ストーリィの謎を解くヒント。 てっきりタイム・トリックかと思ったのですが、入れ替わり乗り込んできては、ボックス席でいろはの前に座る人物たち。 そしてハルナをはじめ、彼らはしきりと涙を流します。 だから、本作は「ナミダ列車」なのか。 たとえ短い旅であっても、旅であればその途上で出会う人たちとの交わり楽しいもの。 魅力は設定の妙にあり、という作品ですが、清新な感動がある青春純愛小説とも言えます。 心洗われるストーリィが好きという方に、是非お薦め。 素敵な電車旅の時間を過ごせること、間違いありません。 こういう作品、好きだなぁ。 出発進行/(1)新大平下→新栃木/(2)新栃木→東武金崎/(3)東武金崎→新鹿沼/(4)新鹿沼→明神/(5)明神→東武日光/再出発 |