|
|
「夜明けのカノープス」 ★★ | |
2013/09/29
|
中学教師を志望したものの教職員採用試験に連続して落ち、今は教育関係出版社で契約社員という身。中学の吹奏楽部時代からの憧れだった先輩は、今やミュージシャンとしてデビューし遠い存在。 契約社員だからといって何でこうまで存在価値のないような扱いをされなくてはいけないのか。そんな映子に変化が訪れたのは、副編集長の太田が原稿を欲しいのに難航していると言った相手の大学教授は自分の遠い親戚だと発言したことから。実はその相手=安川登志彦は、両親が離婚して以来14年間会うことのなかった実父。そこから少しずつ映子の周りに変化が生じていきます。 とてもささやかな物語です。映子に転機が訪れ、自分を変えることになったと言ってもそれはホンの小さな一歩に過ぎませんし、本当に前向きな気持ちを取り戻せたかどうかは今後に委ねられています。 ※カノープスとは、冬の星座「竜骨座」に一等星で、シリウスに次いで全天で二番目に明るい星ながら、日本では地平線すれずれの南の空に現れる為、なかなか見ることのできない星だそうです。 |