原田ひ香作品のページ No.4



31.古本食堂 新装開店 

32.あさ酒 

33.月収 

34.一橋桐子(79)の相談日記 

35.#台所のあるところ 


【作家歴】、はじまらないティータイム、東京ロンダリング、人生オークション、母親ウエスタン、アイビー・ハウス、彼女のための家計簿、ミチルさん今日も上機嫌、三人屋、ギリギリ、復讐屋成海慶介の事件簿

 → 原田ひ香作品のページ No.1


虫たちの家、失踪.com、ラジオ・ガガガ、ランチ酒、三千円の使いかた、DRY、おっぱいマンション改修争議、ランチ酒−おかわり日和−、まずはこれ食べて、口福のレシピ

 → 原田ひ香作品のページ No.2


一橋桐子(76)の犯罪日記、サンドの女、ランチ酒−今日もまんぷく−、母親からの小包はなぜこんなにダサいのか、古本食堂、財布は踊る、老人ホテル、図書館のお夜食、喫茶おじさん、定食屋「雑」

 → 原田ひ香作品のページ No.3

 


                   

31.
「古本食堂 新装開店 ★☆


古本食堂新装開店

2024年06月
角川春樹事務所

(1600円+税)

2026年07月
ハルキ文庫



2024/07/08



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神保町にある<鷹島古書店>を亡兄から継承した珊瑚と、その右腕となった姪孫=美希喜を描く、古本食堂の続編。

いよいよ珊瑚と美希喜の2人による新生・鷹島古書店、オープンです。
とはいえ、珊瑚の想いと、美希喜のやりたいことには食い違いもあり、すべてが順調ということにはなりません。
それでも美希喜の提案による<お薦め本付きコーヒー>を開始、そのためのテーブルも、前店主の
滋郎こだわりの本棚を撤去して設置。
ところが、本棚の後ろにカビがはびこっていることが分かり、工務店に依頼してリフォームも
その中で、滋郎が残した一文が・・・・。

本ストーリー、珊瑚と美希喜2人の物語というにとどまらず、神保町という処で働く人たちや、訪れる人たち皆の物語、という気がします。
もちろん、各章で紹介される、美味しそうな飲食店の存在も欠かせません。

終盤、鷹島古書店の今後に向けての話し合いが珊瑚と美希喜の間で交わされますが、さて続編があるのやら。
本物語、どうもまだ続きそうな気がしますが・・・。


第一話 森瑤子『イヤリング』と川端康成『掌の小説』と日本で一番古いお弁当屋さん
第二話 候孝賢監督『珈琲時光』と「天ぷらいもや」
第三話 『カドカワフィルムストーリー Wの悲劇』と豊前うどん
第四話 昭和五十六年の「暮しの手帖」と「メナムのほとり」
第五話 伊丹十三『「お葬式」日記』『「マルサの女」日記』と「なかや」の鰻
最終話 「京都『木津川』のおひるご飯」と中華料理店のカレー

【特別付録】シリーズ番外篇書下ろしショートショート「桜の小径」収録

                  

32.
「あさ酒 ★★


あさ酒

2024年10月
祥伝社

(1600円+税)



2024/10/31



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「ランチ酒」から「あさ酒」となれば新シリーズ?と思った処ですが、ランチ酒”シリーズの続巻、ただし主人公を代えてのシリーズ<新章>とのことです。

新たに主人公となるのは、
水沢恵麻、26歳
学生時代からの恋人で婚約済、既に同棲中だった
タケルから、突然に別れを告げられ、恋人と住処を失う。加えてコロナ不況で派遣契約も打ち切られて仕事まで。さらにコロナ感染し、絶望。
そんな時に出会ったのが、
<中野お助け本舗>亀山社長犬山祥子
二人に誘われ、祥子が管理するシェアハウスに入居し、見守り仕事をはじめます。

基本的には、これまでのシリーズと同パターン。
見守り依頼人たちの状況、依頼理由は様々。その点では群像劇の面白さと言えます。
そして、それ以上に楽しいのは、仕事後に恵麻が行う、グルメ巡り。どの店も、本当に美味しそうです。

また、シリーズであるが故に当然、祥子のその後、角谷との状況もきちんと描かれています。これは読者への報告かも。

本巻最後には、恵麻自身にとっても新しい出発が用意されています。どうぞお楽しみに。

1.新宿−モーニング/2.日本橋−インドカレー/3.南池袋−ハンバーグ/4.新橋−餃子/5.目黒−生ハム/6.恵比寿−中華/7.赤坂−ソルロンタン/8.渋谷−焼きそば/9.広尾−チーズバーガー/10.浜松町−焼鯖定食/11.初台−オムライス/12.稲荷町−蕎麦

            

33.
「月 収 ★★


月収

2025年02月
中央公論新社

(1700円+税)



2025/02/03



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お金を題材にした人間ドラマあれこれ、連作ストーリー6篇。

月収が少なくてどうしたらいいのか、月収が多くて生活に不安はないものの問題はなにか等々、お金にまつわる悩み事を描くストーリーかと思っていたのですが、予想ハズレ。
月収の多寡がどうあるにしろ、自分としてどう生きることが相応しいのか、満足できるのか、それを模索するような人間ドラマでした。
どの篇もたっぷり楽しませてくれるストーリーになっています。度々登場する
鈴木菊子の存在が見逃せません。的確な助言と、魅力ある善き先達となっています。

お金が生きるうえで欠かせないものであることは否めませんが、あくまで生きる上での手段であって、生きる目標にはなり得ないと教えてくれる、連作ストーリー。
では、何が必要なのか、何が欲しいのか、その点では
「最終話−斉藤静枝(22)」が特に良いなぁ。是非お楽しみに。

「月収四万の女−乙部響子(66)」:唐突に離婚され、収入は僅かな年金のみ。どうやって暮らしていけばいいのか。
「月収八万の女−大島成美(31)」:文学新人賞を受賞してデビューしたものの二作目は不評。これからも小説を書き続けていけるのかどうか。
「月収十万を作る女−滝沢明海(29)」:将来は親の介護を担わなければならないのか。自分を救うためにもと、新NISAでの資産作りを開始。。
「月収百万の女−瑠璃華(26)」:生活が苦しく会社を辞めてパパ活専業に。目標は月収百万、夢は一億円稼ぐこと・・・。

「月収三百万の女−鈴木菊子(52)」:生活に不安はない。しかし、不足しているのは何か。金で買えないものとは・・・。
「月収十七万の女−斉藤静枝(22)」:訪問介護の一方、<生前整理>の仕事を思い付く。そこから得られたものは・・・。

1.月収四万の女−乙部響子(66)の場合/2.月収八万の女−大島成美(31)の場合/3.月収十万を作る女−滝沢明海(29)の場合/4.月収百万の女−瑠璃華(26)の場合/5.月収三百万の女−鈴木菊子(52)の場合/最終話.月収十七万の女−斉藤静枝(22)の場合

                    

34.
「一橋桐子(79)の相談日記 ★★


一橋桐子(79)の相談日記

2025年07月
徳間書店

(1750円+税)



2025/09/11



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一橋桐子(76)の犯罪日記の続編。
久遠樹のおかげで(株)クドオ・ワークスのクリーニング部門チーフとして働いている桐子の元に、コロナ禍でハワイ留学を挫折した雪菜が戻ってきます。
ちょうど良いと久遠が二人に提案したのは、老朽化かつ住民高齢化に直面している団地の管理人仕事。

きっかけは、東武東上線沿線にある古い団地<
猿山団地>に暮らす若い伊藤傑安西彩美から、久遠が再生プロジェクトの相談を受けたことから。
久遠、管理人不在となって荒れた観のある猿山団地は、まずきちんと整備する必要がある、と判断したため。

さて、桐子と雪菜のコンビ、住み込み管理人となってどんな活躍を見せるのか。

次から次へと現れる問題にどう対処するか、そこが面白味なのですが、やがて見えてくるのは、理事会を牛耳っている高齢男性たちの存在。
それを問題視しているのが、実は彼らの身内の女性たち、という構図が面白い。
また、桐子と雪菜のキャラクターの違いがはっきり現れてくるのも痛快で、そこはやはり雪菜の若さ故の突進力でしょう。

猿山団地だけでなく、全国どこの団地にもありえるような問題。
そうした社会的興味に加え、桐子と雪菜コンビの活躍がすこぶる痛快。 文句なく楽しめること、請け合いです!


1.老朽/2.病気/3.借金/4.結婚/5.孤独死/最終章.暴力

                  

35.
「#台所のあるところ ★★


#台所のあるところ

2026年05月
文藝春秋

(1800円+税)



2026/07/14



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原田ひ香作品、もうそろそろいいかな、と思って見送っていたら直木賞候補作に。ということで思い返して読書。

「台所」を題材にした家族ドラマか、と思っていたのですが、私の思い違いでした。そうではなく、女性たちの生き方、その居場所を追い求めようとする連作ストーリー。

ユニークなのは、各篇の主人公たちが熱心に観ている深夜TVドラマ。その題名が
「台所のあるところ」という次第。
そのドラマの内容も興味をそそられるもので、連作各篇を貫くような長編ストーリーとしての形を持っていること。
その内容も自分の居場所探しとあって、連作各篇とシンクロする構成になっています。
したがって、読み手としては、各篇ストーリーに惹きつけられると共に、TVドラマストーリーの展開も気になるという訳で、短編と長編を二重に楽しめるという、面白さ。

原田ひ香さん、本作では、ちょっと癪な上手さを披露してくれたな、という思いです。

なにはともあれ、自分の生き方、居場所は、自分で決めればいいのです。他からうるさく言われようと、それに囚われずに。

「ままならないキッチン、ままならない人生」飯盛敦子(55歳)。定年退職した夫はボランティアで海外へ、子ども二人は独立済で、一人暮らし。使っていた冷蔵庫が壊れ・・・。
「半殺し」:村松陽愛乃(27歳)。彼氏と同棲、喜んだものの、彼のコスパ・タイパ重視に不満が生じて来て・・・。
「冷凍庫冷蔵庫合わせて五台」:鈴木寿子(65歳)。奇妙な風習の島に嫁ぐも、夫は死去、子どもも独立して一人暮らし。このまま島にいる必要があるのか・・・。
「毎日、揚げもの」:高木花絵(48歳)。4人の子を抱えるシングルマザー。何故こんなに文句ばかり言われるのか・・・。
「犬のご飯、私のご飯」:海原多美(41歳)。東京の生活に見切りをつけ、田舎で新聞配達員、保護犬3匹と暮らす。
「鎌倉の家」:前5篇のエピローグ的な篇。

「台所のあるところ」:大学生の瑠奈は、幼い頃から実母の友人である智子一家の家で育ち、今は智子と二人暮らし。

ままならないキッチン、ままならない人生/半殺し/冷凍庫冷蔵庫合わせて五台/毎日、揚げもの/犬のご飯、私のご飯/鎌倉の家

        

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