19
01
No.20



− 蓼科山・北八ヶ岳縦走 − 車中 1 泊日帰り( 10 時間 18 分 )

7 月××日 移動日 【雨/曇り】

 朝から体調が今一つ良くなく、体が重だるい感じだ。午後から八ヶ岳に行って車中 1 泊するというのはどうだろうか?。雨の中央高速を走りながら葛藤していた。昨日も体調がすぐれないのに仕事帰りの夜 8 時頃、小雨の中バイクをデリスペくんに積み込んだ。いったい何がそうさせるのか判らない。

 正午に山梨市を出て 20 号線を走り、甲府昭和インターから中央道に入る。途中、双葉サービスエリアでカツ重を食べ、諏訪インターで降りた。インター付近にアウトドアショップが何軒も連なっているではないか!。全ての店に足を運び、掘り出し物がないか見て回った。掘り出し物はなかったが、コールマンの新型バーナーが安くなっていて、特にダブルの物の割引率がいい。シングルも安かったが、率がダブルより悪かったので見合わせた。夕食と朝食、昼食用のカップラーメンを購入し、100 円の有料道路を通過して麦草峠を目指す。明朝バイクで移動する道を確認しながら走るが、どこで曲がるのかよく分からない。麦草峠の駐車場に到着し、便所と反対側の隅っこを選んで駐車した。バイクを降ろしてから登山口を偵察に行き、下山時の目安になるよう GPS に記録した。デリスペくんの後ろに潜り込んで寝ていたらトランペットを吹いている大バカ者がいて目が覚めた。仕方がないので、エンジンをかけて FM ラジオを聴きながらカップのカルビクッパとパンで夕食とした。夕食後もしばらくうるさかったが、しばらくして音が止んだので自分もエンジンを止めた。まったく迷惑なことだがバカに関わりたくないし、パジャマを着ているので外に出て文句も言えない

2 日日 行動日 【晴れ】

 3 時にセットした携帯電話の目覚ましで起床。まあまあ睡眠できたので、今日は何とかなるだろう。着替えながら朝食のカップお茶漬けを作り、パンと一緒に食べた。水は 2,500 ml とし、バイクにも 500 ml 積んだ。駐車場には望遠鏡で星を見ている人が数人いたが、空を見上げても大したことはなく、富士 5 合目とは比べ物にならなかった。バイクでの移動はかなり寒そうなので、上着に厚手の雨具を着込んだ。朝は動きが鈍く、確認しながら準備を進めるので時間がかかってしまう。移動距離が長いので早く出発したかったが、とうとう 4 時 10 分になってしまった。

 坂を下り、蓼科方面への分岐を目指すが、寒い!。両手両足に震えがきてスピードを上げられない。これでは登山口に着いても関節が冷えていて歩けないだろう。コーナーを一つ一つ慎重に曲がり、標識やバス停の名称などを確認しながら進む。上り坂では傾斜がきつく、原付では全開でも時速 40 km/h がやっとだ。夢の平林道の料金所に人はいない。5 時 20 分に鳥居のある 7 合目、一の鳥居登山口に到着。当初、その先の前掛山を経由する登山口から入山する予定であったが、寒さと寝起きのためか間違えてしまった。よく地図をみればその時点で間違いに気づいたと思うが、時間が遅れていたことで焦っていたのかもしれない。

 靴紐を締め、電解質飲料 500 ml を一気飲みし、5 時 32 分に入山した。今日は行程が長く、小さな花をゆっくりと撮影もできない。カメラは軽量の物とし、三脚も携行しない。冷えた体が暖まるまで慎重にゆっくりと歩くことにした。最初は傾斜がゆるくてウォームアップには好都合だった。丸太を使った階段の道になったが、平行でなくギザギザに作ってあっておもしろい。多少崩れても形をとどめるようで、歩きにくくはない。ガレ場もあったが滑ることもなく、呼吸を整えながら登る。高度計を見ると、思っているよりも高度が上がってこないのでイライラする。一歩一歩登れば必ず高度は稼げると自分に言い聞かせた。天候は快晴で登山には最適だが、昨日までの雨で今日の登山を見合わせた人も多いだろう。1 時間ほどで小屋に到着すると、高校生くらいの少年がいて山頂は眺めがすばらしいと教えてくれた。そこから往復パターンになるが、大きな岩が連続するすごい道で、ペンキマークを確認しながらでないとコースが判りにくい。7 時 01 分に山頂に到達したが、200 m 四方が直径約 1 m の角張った岩で覆い尽くされた山頂であった。

 周囲は 360 度すばらしい展望で、多少雲があったが周囲の山々がほとんど確認できた。今後の行程が長いので、早々に下ることにする。大岩の続く怖い下りを慎重に歩き、小屋を通過して天祥寺方面に下る。急な川底を降りるような登山道で味も素気もない。木陰は涼しいが、一歩出ると日差しが強烈だ。やや平坦になってきれいな笹林に出たが、登山道だけは岩の道だ。やがて地図に水場と書いてある分岐に来たが、水場らしき場所や看板は見当たらない。水を期待していたら大変だった。パンを一つ食べて休憩し、入山後 1 本目の 500 ml ボトルを空にした。笹林の中を歩いて分岐を右に曲がると山道となり、なだらかな登りだ。30 分ほどで亀甲池に到着。空は真っ青で雲がきれいだが、池は色が無く、周囲の山や木々も地味で殺風景だ。北横岳への登りが控えているので、パンを 2 個食べて休憩する。今回持ってきた細長いパンは食べやすくて非常に良い。北横岳山頂まで地図では 1 時間 20 分の登りだから、途中で休憩が必要だろう。

 すぐに急登となるが、呼吸を整えながら黙々と登る。途中で水飲みを 2 回入れたが、地図時間通りに到達した。2 ヶ所ほど手を使うところがあったが、急なこと以外は問題なかった。山頂近くで手ぶらのおばさんがヒョコヒョコ降りてきて、脇の林に入っていく。山小屋の人かなと思ったら、しゃがんでズボンを降ろしている。「見えてるよ、ば○あっ!」とは言わなかった。案の定、山頂にはロープウェイで来た軽装の人を含め、大勢の人がいて興醒めだ。うるさいおばさんがたくさんいて記念写真を頼まれかねない。関西弁が多いのが意外だった。ゴミだけでなく、騒音も公害(口害)だ!。

 もう一つのピークに移動しても同様のにぎやかさなので、写真を撮って早々に下り始めた。今日未明に軽飛行機が北横岳の山腹に墜落したことは知らなかった。人の多い小屋を通過し、わかりにくい分岐を雨池山方面に進んだ。これが予想をはるかに超えた難コースであることは全く知らなかった。探していた適当な日陰を見つけたので、座り込んでラーメン昼食タイムとした。1.5 倍サイズの醤油味カップラーメンだが、ゴミは全てペットボトルに押し込む。

 登山道は巨大な岩の間や上を歩いていくひどいもので、急な下りや急な登りが入れ替わる。コースが判らなかったり、手を使ったりする場所も多かった。何ヶ所も小ピークがあり展望も良かったが、すぐ先に新たなピークが見えてゲッソリさせられる。林に入ると無風となって暑さが増し、熱射病になりそうだ。展望も三角点もない殺風景な雨池山を通過、山を切り裂いたようにまっすぐな急坂を下って雨池峠に到着した。地図の参考タイムより 15 分も余計に費やし、とても疲れる嫌なコースであった。行く手に縞枯山への急な登りが見えるが、地図を見ても良い迂回路はない。10 分休憩して登り始め、2 分ほど行ったところで「手がフリーでいいなあ。」と思ったらストックを忘れていた。ガッカリしながら 2 分間分下り、ストックを取り戻した。

 上から大岩を転がしたような直登の急坂を上り詰め、到着したのは「尾根に出た。ここを左折。」という感じの展望のない山頂であった。どこが縞に枯れているのかもよく判らなかった。そこにいた先着のパーティが、「ここの登りが一番きつい。今後はあまり登り下りがない。」と言っていたので元気が出た。ザックを降ろして休憩し、水を飲んだが、あと 500 ml しかない。なだらかな山道を快調に歩き、少し急坂を登ると茶臼山に到着。右へ進むと展望台があり、写真を撮ったり単独行の人と話をしたりした。急坂を下って大石峠を通過し、最後の水を飲み干しながら麦草峠に下山した。予定では 15 時下山の筈であったが、入山時間の遅れがそのまま下山時間の遅れとなってしまった。

 デリスペくんは黒いためか、日照りでオーブンのようになっていた。エンジンをかけて窓を全開にし、エアコンが効き始めて何とか乗り込むことが出来た。20 分ほどで走り始めたが、早朝バイクで走った道のりはとても長く、夢の平林道では予想通り料金所が営業していた。「往復ですか?」と聞かれ、反射的に「片道です。」と答えてしまった。帰りに料金所が閉まっているかもしれないからだ。300 円払って通過し、バイクの置いてある7合目登山口に到着したのは 16 時 50 分。朝は急いでいて写真を撮れなかったので、登山口の鳥居や標識を撮影した。そこに 60 歳くらいの男の人がカメラを持ってウロウロしていた。「登るんですか? 」と声をかけると、鳥居を指さして「登山口はこれかね?」と言い、今日は車中で寝て明朝登ると言う。蓼科山を登ると八ヶ岳は全部制覇となるそうだから大したものだ。バイクを積み込んで下り始めたのは 17 時 10 分になってしまったが、問題の料金所はまだ営業していたのでもう一度 300 円払わねばならなかった。観光地の有料道路は大嫌いだが、どうしても迂回路がない。快調に国道を飛ばしたが、諏訪インターの手前で割引のシングルバーナーを買わずにはいられなかった。

05:32 夢の平林道7合目一の鳥居から入山
07:01 蓼科山山頂             〜07:22
07:50 蓼科山荘
08:34 天祥寺原水場の分岐       〜08:45
08:52 夕日の丘分岐右へ
09:15 亀甲池                〜09:30
10:49 北横岳山頂ともう一つのピーク 〜11:22
11:30 北横岳ヒュッテ
11:39 昼食(ラーメン)休憩        〜12:10
13:17 雨池山
13:30 雨池峠                〜13:40(さらにストック忘れて少し戻る)
14:05 縞枯山                〜14:12
14:43 茶臼山                〜15:13
15:37 大石峠分岐
15:50 麦草峠に下山

( 蓼科山= 2,530 m 、北横岳= 2,480 m 、縞枯山= 2,430 m 、茶臼山= 2,230 m )



19
01
No.20




左側にメニューフレームがないときは HOME からお入りください