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− 那須の小さな湿原 −半日

8 月××日 【晴れ/曇り】

 那須リンドウ湖××ホテルで行われた「○と○○子研究会」が終わり、上司の M 先輩と昼食を済ませた。土産を買い、A 先輩を M 先輩が車に乗せて帰るのを見送ってから車に乗り込んだ。12 時 40 分だ。今日は朝から那須全体が霧で覆われ、山の方は雨だろうと思っていた。今は霧も少し晴れて道路も乾いているが山々は全く見えない。スーツの上着を後ろに掛けたが、半袖ワイシャツにネクタイという格好で出発だ。地図を見ながら空いていそうな道を選び、沼原湿原に向かう。途中から濃い霧となり前方が良く見えない。ヘッドライトを点灯したが観光に来ている人は浮かれていて運転が無謀なので注意深く進む。右折して登りの林道に入り、しばらく進むと沼原湿原の駐車場に到着した。駐車場付近には霧はなく、空気は澄んでいるが、とても暑い。車を駐車して準備を始める。平地の散策なので重装備は不要だが、靴は革登山靴しかないのでそれを履いた。ザックは持たないことにして、ポケットのたくさん付いたメッシュのチョッキにレインウエアや水のボトル、フィルムやフラッシュなどを詰め込んだ。

 三脚を手に持ち、13 時 52 分に歩き始めた。遊歩道を約 10 分、高度差で 50 m ほど下ると湿原に出る。ゆっくりと写真を撮りながら木道を歩くが、季節的には終わってしまった感じでニッコウキスゲなどは全く咲いていない。それでも澄んだ青い空と湿原、那須岳を入れた写真を撮ったりした。八の字に設置された木道をゆっくりと歩き、咲いている花の中で最も綺麗な花を探して写真を撮る。1 種類につき 1 枚は良いのを撮ろうと心掛けた。途中、木道を離れて林に入ると虫が多くてうんざりする。登山には不向きな季節だ。8の字の木道を全部歩き、車に戻ったのは 16 時 06 分だ。プロビア 2 本撮影した。

 靴を脱ぎ、後部座席の荷物を整理してから車を出した。渋滞を考慮し、那須インターを避けて西那須野塩原インターから東北道に入る。途中まで渋滞もなく順調であったが、その後 2 カ所で事故が発生して時間がかかってしまった。

 今回は那須で研究会があったためにそれならばという感じで歩いたが、季節はずれでもそれなりに観察することもあり、また今後に那須岳周辺のテント泊登山をしたいので下見の意味でも有意義であった。那須岳を見上げると予想以上に急勾配であることが判ったし、三斗温泉への登山道には「熊に注意」という看板があったからだ。


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