発表者:清水 拓野 氏 (東京大学大学院総合文化研究科・文化人類学研究室(博士課程),山梨県立看護大学・非常勤講師(文化人類学),神戸女学院大学・非常勤講師(フィールドワーク論))
日時:1月31日(土) 14:00−17:00頃まで
場所:J会場:成城大学民俗学研究所 会議室(4号棟3階)
小田急線「成城学園前」北口下車 徒歩約5分 http://www.seijo.ac.jp/map/index.html にて交通機関をご確認ください。
発表題目
中国伝統劇における演技の習得過程の現代的一断面:西安市・秦腔戯曲学校の多層的スクール・エスノグラフィの試みから
要旨
中国伝統劇界には「台上三秒鐘、台下三年功(舞台上の三秒間の演技は、舞台下での三年間の下積みによって支えられているという意味)」という業界用語があり、役者の演技習得の困難ぶりを象徴的に示す表現として現在でも頻繁に使われている。しかし、伝統劇の専門学校で学ぶ今日の多くの役者の稽古の現実は、このような格言的表現ではそもそも極めて不十分にしか捉えられない。本発表は、多層的なスクール・エスノグラフィの試みを通して、この格言的表現の裏に広がる演技習得のその内実を探るものである。そして、具体事例として西安市の秦腔戯曲学校(仮名)を取り上げて、日常の稽古実践から社会的変化の中の学校までに渡る多次元から、演技の習得過程の現代的な特徴を浮き彫りにする。