これは作者の少年時代の思い出からつくられたそうです。１９２２年にヤブロコフは孤児を見かけて、第１次大戦中ドイツに占領されたグロドノで煙草を売り歩いた子供時代を思い出しました。その後、アメリカに渡った彼はラジオ番組の音楽を担当し、１９３２年にある番組の終了時にこの歌を流したところ、もう一度聴きたいという反響が殺到し、この曲は一躍有名になりました。
題名の papirosn ［パピロスン］は紙煙草の複数形です。
PAPIROSN |
煙草 |
| A kalte nakht, a nepldike, fintster umetum, Shteyt a yingele fartroyert un kukt, zikh arum, Fun regn shitst im nor a vant, A koshikl halt er in hant Un zayne oygn betn yedn shutum: "Ikh hob shoyn nit keyn koyekh mer Arumtsgeyn in gas, Hungerik un opgerisn, funem regn nas, Ikh shlep arum zikh fun baginen, Keyner git nit tsu fardinen, Ale lakhn, makhn fun mir shpas." |
寒い夜、霧がかかり、辺りは暗い、 小さな少年が悲しく立って、辺りを見ている、 壁だけが彼を雨から防いでいる、 手には小さなかごを持ち、 彼の目は無言で皆に訴えている： 「僕にはもう通りを駆け回る元気もない、 空腹でぼろぼろで、雨に濡れて、 夜明けから駆けずり回り、 誰も稼ぎを与えてくれない、 皆は笑い、僕をからかう。」 |
Refren: Kupitye, koyft zhe, koyft zhe papirosn, Trukene, fun regn nit fargosn, Koyft zhe, bilik benemones, Koyft un hot af mir rakhmones, Ratevet fun hunger mikh atsind. Kupitye, koyft zhe shvebelekh antikn, Dermit vet ir a yoseml derkvikn, Umzist mayn shrayen un mayn loyfn, Keyner vil bay mir nit koyfn, Oysgeyn vel ikh muzn vi a hunt." |
（くりかえし） 「買っておくれ、煙草を買っておくれ、 乾いているよ、雨に濡れていないよ、 買っておくれ、本当に安いよ、 買って僕に同情しておくれ、 今すぐ空腹から救っておくれ。 素晴しいマッチを買っておくれ、 そうすれば憐れな孤児を喜ばせられる、 僕が叫んでも走っても効果がない、 誰も僕から買いたがらない、 僕は犬の様に死ななければならないだろう。」 |
Der tate in milkhume hot farloyrn zayne hent, Di mame hot di tsores mer oyshaltn, nit gekent, Yung in keyver zi getribn, Bin ikh af der velt farblibn Umgliklekh un elnt vi a shteyn. Bleklekh klayb ikh oyf tsum esn Afn altn mark, A harte bank iz mayn geleger Inem kaltn park, Un dertsu di politsyantn Shlogn mikh mit shverdn, kantn, S'helft nit mayn betn, mayn geveyn." |
「父さんは戦争で両手を失くし、 母さんは不幸に堪えることが出来なかった、 母さんは若くして墓へと追われたので、 僕はこの世に残された、 不運で石の様に孤独だ。 食事には古い市場でパン屑を集める、 寒い公園の固いベンチが僕の寝場所だ、 そしてその上警官が 剣のかどで僕をなぐる、 僕が頼んでも泣いても助けてくれない。」 |
"Kupitye, koyft zhe, koyft zhe papirosn..." |
「買っておくれ、煙草を買っておくれ…」 |
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