Last Updated 2003/2/16

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技術者教育を考える

コンピュータ業界とソフトウエア・システム開発業界って、実はすげえエネルギー使いまくってるんじゃないですかね?直接的にも間接的にも。
直接的には?
ことごとくバグ(含むセキュリティホール)を作りこんで、関係する人すべてのエネルギーとそれに付帯するエネルギーを浪費しているし。
間接的には?
システムがしょぼいおかげで、そのシステムが制御する系で大量にエネルギーを浪費しているような。むしろこっちのほうが罪深いかも。
こういう発想に至ったそもそもの発端はセキュリティなんですが、とにかく最近ソフトウエアのクオリティの低さが気になります。オープンであろうとなかろうと、とにかくモノを作るために必要な知識が足りないのでは?という感じがして仕方ありません。
それもそんなにたあっくさんの知識がことごとく必要なわけではなく、ただほんのちょっと作るときの配慮が必要なだけ、そしてそれがピンポイントでずどおおおんと欠けているだけ、そんな気がしています。
例えば、技術的にはそれほど難しくないながらも、ユーザーへの影響は甚大といえるクロスサイトスクリプティング。Web系プログラミング経験があれば、対処法はすぐに見当がつくはずです(実装するときは知恵が必要になると思いますが)。しかし、世の中を見ているとダブルクォーテイションは対策したけどシングルクォーテイションはダメとか、<は対策済みなんだけど>から来るとまだおかしいとか、アタマ使ってないんじゃないか、と思えるような事例が多すぎますね。
もちろん想像力の欠如は憂うべきなのでしょうが、しかしそれ以上に関連知識の無さが目に余りますね。
どうしてこうなっちまったんでしょうか?
いや、もともとこの業界、どんな会社も社員募集するときは「バッチリ教育!」とか謳ってますが、実は3日間コース行ってらっしゃいとかいうことが少なくありません。OJTなんて言いながらいきなり実戦投入されちまったり、本一冊渡されて「明日からサーバー作ってちょー」とかって例もごく普通だったりします。
教育コースも使い方入門、作り方入門というのが多く、「どのように作るべきなのか?」「どう使うべきなのか」ということに触れた講座とかにはなかなかブチ当たりません。もちろんそういうすばらしい講座が皆無なわけじゃないんですが、もともと選ぶ目と情報収集力が無いと見過ごしてしまいます。
職業訓練という面での教育っておそろしく貧しい感じしますねえ。この業界って。
今のところは自助努力に頼りきり、なんですけど、会社の財布の紐結び目ガチガチになってる昨今、講習費用を捻出するのすらなかなか。いやまったくどうすりゃいいんでしょうかねえ。そもそも、世の中のそういう講座って高いすよねえ。
せめてネットを費用も時間も気にせず使い放題になって、あちこちのサイトの情報を読みまくらないと、本代もばかにならないし、情報集められませんよね。常時接続になりつつあるからいいようなものの、そうでなかったらどこまで続くこの暗黒、ってなもんですね。
あとは自分の時間が問題ですな。しかし、これが最大のハードル。ただでさえくそ忙しいのに、なんでそんなお金にならない「研修」とか「教育」に時間割かなきゃならないのだ?なんていう雰囲気アリアリじゃないですか?
1年のうち1ヶ月は研修、とか仕組みとして割り切らないとマズいすねえ。
お休みの日とか、家に帰ってからのわずかな時間とかを使って、手軽に良いクオリティの教育が受けられると良いのに、とずっと思ってきました。そうしたら、さまざまな局面で使われているコンピュータを動かすソフトウエアの品質が少しでも向上して、結果としてエネルギーを節約できるんでしょうに。
だいたい、ろくな教育も無いままに、入社して2年目とか3年目にいきなり実戦の核になるところに投入されちゃうのって、この業界くらい(でもないか。最近は(苦笑))じゃないんでしょうかねえ?オカシすぎますよぜったい。
というわけで、今年からのテーマは「技術者教育」というのを考えています。

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