ラリア報告2000 vol.1

そんなオーストラリアへ赴くべく家を出るころになるといきなり雨。まいったまいった。
なにしろ成田経由でどこかに出かけるときって家から前原駅が行程の中で唯一屋根が無い部分なのだ。仕方が無いので機内持込分(ノートパソコン&CDプレイヤ&CD&本&デジカメ&各種電源でかなり重いのだこれがまた。幸いノートPCで1.5kg軽減され、デジカメでも百g以上(笑)軽減されたが重いのは重い)ので、汗だくになりつつごろごろトランクを転がしつつ雨の中傘もさしつつ歩いていった。
で、次なる難関は前原駅上り下りの階段&京成津田沼駅の上り下りの階段だ。エレベーターやらエスカレータなんつー洒落たものとは縁遠い京成新京成の老舗駅たちってば、折から夕方になって帰宅のラッシュになったこともあって混んでるし荷物トランク重いし死んだ
ふう。

そんなこんなでたどり着いた成田だったが、海外は2度目という心配性なうちの弟をなだめつつ手続きを済ませて飛行機に乗って待っているといきなり車両故障(苦笑)。なんでもフライトコントローラーがおかしいげっ)とか。なんか途方にくれた趣をかもしだしている機長のアナウンスに不安を覚えつつも、そのまま待っていると整備員が到着したのだが、到着したとたんに調子がよくなったようで、いきなり出発ってなアナウンスが再び流れたのだけんど、あまりに早い回復に大いに不安になったあちきなのであった。だってなんだか昔気質なじいさまがほとんど魔法のように動くので触ることすら恐ろしい電子機器(多くの場合ビデオとかだったりするのだけど(笑))が突如不調になって、「だめだ、動かん」とハイテク機器をばりばり使いこなす孫を呼んだところあっという間に動いた、ってな構図が見えてくるのだ。
この機長大丈夫か?小野っていうおじさんらしいけどさ。
でも小野さん、間違っても「I don't know」とか言ってはイカンと思うのだが。
ま、そんなこんなで40分遅れくらいではあるものの、今はちゃんと飛んでいるようだ。

ところであちきらの行程ってばいったんブリスベーンにまで行って、現地朝早くそこに到着し、それから5時間待ってトランジット(苦笑)、でキャンベラには結局夕方4時過ぎに到着し、ホテルにチェックインしたら着替えてすぐにでも試合会場へ飛んで行くってなけっこうな強行軍スケジュールなんだそうだ。
こりゃホテルで通信とか試している時間はねえな、ってことでとりあえず今これを書いているのだ。
現地映像を見るとなんだかみんな厚着しとるし、一応元旦天皇杯観戦OKモードの用意をしてきたので大丈夫とは思うけどなあ。
早く試合見たいけど、でも慌しいのもナンだよなあ。
そしてブリスベーン経由(ブリスベーンは暖かかった。さすがリゾート地)、キャンベラに到着した。(こんな飛行機に乗っていった(ウソ))
そこで紹介されたのだが、あちきらのツアーには日本オリンピック代表の平瀬選手のご両親が参加されていた。おとうさんおかあさんはやっぱ親子で、顔が似てる(笑)。鹿児島系の人がよさそうなご両親であった。
ところでキャンベラ到着が午後4時半くらいだったのだけど、ホテル到着してわずか15分でもうすぐさま競技場へ乗り込むということになっていたために慌てて着込んでバスで乗り込んだのがブルーススタジアム。そのとき丁度女子サッカーの中国対ナイジェリアがハーフタイムに入ったところだった。
席に入ろうとBay31というブロック入り口の前に来たらスーパーサッカーの白石美帆さんがファンに取り囲まれて写真撮影大会してて入れない。横が空いた隙にすすっと入って席につく。ちなみにあちきは写真撮影には及ばなかったものの、思ったより小柄な彼女は白い防寒コートを着ていて可愛かったが、テレビで見たとおりといえば見たとおりだった(笑)。
そういえば柱谷テツがすーっと後ろをとおっていたし、川淵も釜本も来ていたようだ。なぜか川淵と釜本はバックスタンドとメインスタンドに分かれて座っていたようだけど。何故だ?仲悪いのか(笑)?
競技場にゃ思ったより人が入っていなくて、日中は暖かいくらいだったのに日が暮れ始めると風が寒くなってくる。そんなあちきらは2F席の一番前列に平瀬選手ご両親と並んで座った。そしたら平瀬選手ご両親ってば、日本から持参してきた平瀬選手の後輩小学生と後輩中学生の作成した平瀬旗の2つ、あちきらの目の前のところに張り出し始めたのでお手伝いして差し上げた。そしたらそしたらお父さんってば後援会が作成した白い羽織(日の丸入り)を羽織って「こんなん作ってもろたです」なんて言っていた。おもしろいおとーさん(笑)。
そんなおとーさんとおかーさんをみつけて報知やらなにやらが取材に来ていた。
取材の途中おとーさんおかーさんの宿泊ホテルがわかんないってので、教えてあげたりして取材活動手伝ってあげた(笑)。

チップスというポテトをたらふくいただきつつ女子の試合(写真はハーフタイム)を見ていると、なんだかいつまでたっても席が埋まってこないってんで、なんと1Fのどまん前まで移動してそこで見ることになった。バレなきゃいいってもんで。(そんなどまん前から見た光景。練習中の代表チームの方々)
結局試合が始まっても席はあまり埋まってなくて、日本人も伝え聞くところではせいぜい4〜5000人くらいだとか。当日15000人くらいは入っていたけど、半分から6割くらいの入りで、代表の試合といえばとにかく定番のように青い人々の大声援があったのに、今回はなんだかしまらない呼応しない応援で幕を開けた。

そんな試合はアフリカのスピードとパワーにかなり押し込まれる展開で始まった。
正直アフリカのチームには今まで分が悪くて、そのスピードや独特のリズムとかパワーに直面したことが無かったとも言えるこのチームはちょいと不安。強いて言えばワールドユースでカメルーンと対しているものの、完全に試合を支配していたのにパワーとスピードでやられてしまったんだよなあ。
そんな不安が的中し、1対1では全くといっていいくらい勝てず、読みベースのスピードでプレスをかけられてかなりの確率で自分たちボールを奪取されてしまう。パスが動きながらでもなく足元足元に入っていたので(初戦で慎重になったためか?)狙われやすかったとも言えるのだけど。
またフォーチュンとかマッカーシーとかってちんちんにやっつけられて、どんどんビッグチャンスを作られかなりヤバい状況が続く。日本もチャンスは作るものの、シュートミスやらで得点できない。
そうこうするうちにセットプレーがらみで失点しちまう。
むきー。
でもこのチームはそんなことで動じていないかのように、きっちり前半のうちタイにしちまうから流石だ。っていうか守りのリスクについてフラット3はいろいろ言われているけど、最近はそんなの織り込み済みで「あちきら攻撃サッカーするもんねー。守り人数足りなくても攻めりゃいいもんねー。がんがん行くけんねー」と攻撃してるような気すらする。
そんな前半のあとの方から、なんとかアフリカンなスピードに追随していけるようになってきた日本チーム。後半もじりじりした展開が続くが、明らかに不調な中田がなかなか基点になりきれず、中田マーカーにかなり潰されている。ただ、明らかにパスに費やすタッチ数が減り、その分相手を振り回すことができるようになってくる。
そして、本番になると仕掛けが遅くなるトルシエがようやく本山を投入した直後の中田一瞬のスルーパスと高原のかっくいいゴールで観客爆発!
この時点でようやく声援や身の入れ方のレベルが均一化し、悲鳴と怒号、レフェリーへの罵声と賞賛、そして声援が必死になってくる。で、かさにかかって攻めつづける南アフリカのど迫力を凌いで、なんと逆転勝利してしまった。

ともすると負けパターンの試合をひっくり返したのだから、それにしてもたいしたもんだと思う。このメンタリティは、おそらくトルシエの功績だと思うのだけど、フランス予選での日本代表はサポーターと気持ちがシンクロしていて、良くも悪くもサポーターのメンタリティを超えることができなかったようにも思えたけど、とうとうあちきらサポーターの思惑を超えて、しれっと修羅場で勝ってしまうようになってきつつあるのかも知れない(希望的観測?)。
それには人間力とも言うべきメンタリティをみなが備えてなければならず、エキセントリックな教師トルシエは、それを見事に教え込んでくれているようだ。それはとてもよいと思う。
でも、トルシエはなんであんなに動かないのか、それもまた疑問が残ることでもあるなあ。
いずれにしても最初にして最大の難関を突破したので、次は最後にしてまたしても最大の難関、スロバキアと対戦だ。勝って2試合目に臨めるのは大きいけれど、この勝ちを次につなげるためには、引き分け以上を狙っていきたいところだけど、どうなるかなあ?(以下次号)

(写真:逆転勝利のあとスコアボードを背に立つあちきの弟くんだ)

Copyright © 2002-2003 Sonoda Michio

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