16-4 zu不定詞の付加語的な使い方

zu不定詞(句)を付加語(名詞を修飾する形容詞、冠詞類、代名詞)の代わりに使ってみましょう。

Ich hebe einen glücklichen Traum.
Traum「夢」を修飾している gluecklich[en]「幸せな」という形容詞の代わりに mit ihr Tennis zu spielen「彼女とテニスをする(という)」を使うと、
Ich habe einen Traum, mit ihr Tennis zu spielen. となります。

zu不定詞句の付加語的な使い方のときは、コンマは必ずつけてください。

Er hat keine solche Lust.「彼にはそのような気持ちはなかった」
Lust「~する気持ち」を修飾している solch[e]「そのような」という定冠詞類の代わりに seine Hausaufgaben zu machen「彼の(自分の)宿題をする(べき)」をつかうと、
.
「彼は宿題をする気がない」

Japan hatte damals noch einige Gelegenheit.「日本には当時まだいくらかの機会があった」
Gelegenheit「機会」を修飾しているeinig[e]「いくらかの」という不定代名詞の代わりに den totalen Krieg zu vermeiden「全面戦争を避ける(べき)」をつかうと、
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「日本には当時まだ全面戦争を避ける機会があった」


付加語的に使うzu不定詞句を日本語にするときのポイントは、句の最後に「という/べき」という言葉をつけるか、または何もつけないで訳すことです。


zu不定詞をetwas (something) や nichts (nothing) などの不定代名詞の直後につけて、英語の something to drink のようにすることができます。

Ich möchte .
「何か飲むものがほしい」
(このときはコンマはいりません)


以上のように zu不定詞の付加語的な使い方では、zu不定詞はふつう「名詞」や「代名詞」にかかるのですが、次のように形容詞にかかる場合もあります

Ich bin schon bereit, mit dem Auto zu fahren.
「もう車で行く準備ができていますよ」

bereit「~の準備ができた」は形容詞です。