以下に、リプレイの経過を具体的に記述します。何かの参考になれば幸いです。このプレイは入門セットで組んだデックを使って私が3回の模擬戦をしたうちの最後の 三回目のプレイの記録です。ちなみに、一回目は三色のランド事故による黒青の圧勝、二回目は 黒青のデックが回らず辛くも三色の勝利となりました。
賭札>真珠色の一角獣
賭札>沼
※ お互い最初のフェイクアンティは決定打となりうるものではありませんでした。もっとも、このデックには決定打になりうるほどのカードは入っていないのですが……。
手札>ウォーマンモス、鉄爪のオーク、発火、破滅のロッド、機械仕掛けの獣、平地、森
土地>森
※ 三色デックはいきなりランド事故しています。『ラノワールのエルフ』も『繁茂』もないこのデックでは、森があったからといえ幸運とは言えません。
手札>闇に住まいし者、送還、魔力流出、沼、島、島、島
引札>暗黒の儀式
土地>島
※ 対する二色はいきなり高速回転の準備が完了しています。あえて島を出したのは、一応『送還』が使えるように、という配慮です。
手札>ウォーマンモス、鉄爪のオーク、発火、破滅のロッド、機械仕掛けの獣、平地
引札>火の玉
土地>平地
※ せっかく二色も色が揃っているのに山がなく、手札が赤と重量級のアーティファクトだけの三色デック側は何もできません。まさに三色の欠点を露呈した格好です。
手札>闇に住まいし者、暗黒の儀式、送還、魔力流出、沼、島、島
引札>沼
土地>沼
呪文>暗黒の儀式
呪文>闇に住まいし者
※ 超高速回転でいきなり『闇に住まいし者』を召喚できたのは大ラッキーでしょう。相手に防御クリーチャーがいない段階では『闇に住まいし者』(ブロックされなければ+2/+0の修正)はかなりの戦力です。
手札>ウォーマンモス、鉄爪のオーク、火の玉、発火、破滅のロッド、機械仕掛けの獣
引札>オークの軍旗
手札>送還、魔力流出、沼、島、島
引札>沼インプ
土地>沼
呪文>沼インプ
攻撃>闇に住まいし者(2+2/2)
解決>ダメージ4点(20 → 16)
※ 黒、今度は『沼インプ』を召喚し、一気にケリを付けるつもりです。『闇に住まいし者』も馬鹿にできません。このまま5回も殴れば勝てるのですから。
手札>ウォーマンモス、鉄爪のオーク、火の玉、発火、破滅のロッド、オークの軍旗、機械仕掛けの獣
引札> 荒々しき自然
捨札>ウォーマンモス
※ 絶望的な状況に、一抹の光がさしました。『荒々しき自然』が使えれば山を引きずり出して形勢逆転も夢ではありません。しかし、『荒々しき自然』には未だマナが足りません。『ウォーマンモス』を捨てたのはこの状況ではやむを得ない選択でしょう。
手札>送還、魔力流出、島、島
引札>島
土地>島
攻撃>闇に住まいし者(2+2/2)、沼インプ(1/1)
解決>ダメージ5点(16 → 11)
手札>鉄爪のオーク、火の玉、発火、荒々しき自然、オークの軍旗、破滅のロッド、機械仕掛けの獣
引札>治癒の軟膏
呪文>治癒の軟膏
>回復3点(11 → 14)
※ 『治癒の軟膏』をいきなり使うのはもったいないような気はしますが、既にライフを半分近く削られている状況では、使う方が正解と言えます。それに、他に出来ることはありません。
手札>送還、魔力流出、島、島
引札>魂の枷
土地>島
攻撃>闇に住まいし者(2+2/2)、沼インプ(1/1)
解決>ダメージ5点(14 → 9)
※ 相手にブロッカーのいないこの状況は、『闇に住まいし者』の独壇場です。既に敵のライフは半分を切ってしまっています。
手札>鉄爪のオーク、火の玉、発火、荒々しき自然、オークの軍旗、破滅のロッド、機械仕掛けの獣
引札>平地
土地>平地
呪文>荒々しき自然
>山
※ 一方的に殴られるかと思われた窮地を救ったのが、多色デッキの救いの神『荒々しき自然』です。しかし、戦況はいぜん不利です。
手札>送還、魔力流出、島
引札>沼
土地>沼
攻撃>闇に住まいし者(2+2/2)、沼インプ(1/1)
解決>ダメージ5点(9−>4)
※ いささか手札に土地が多すぎるとはいえ、相手のランド事故による悲惨な状況を見れば土地のありがたみがわかるというものです。もはや二色の勝利は確実です。
手札>鉄爪のオーク、火の玉、発火、オークの軍旗、破滅のロッド、機械仕掛けの獣
引札>丘巨人
※ 『鉄爪のオーク』はパワーが2以上のクリーチャーである『闇に住まいし者』をブロックできません。従って、ブロッカーとしては使えません。ブロッカーとして使える『丘巨人』を召還すべきでしょうか? ……しかし、相手は黒青です。相手にマナが溢れている以上、『恐怖』で埋葬されたり、召喚をカウンターされたら、もうその時点でゲームオーバーです。それなら『火の玉』で脅威を吹き飛ばした方が希望が持てます。
呪文>火の玉 対象:闇に住まいし者
呪文>送還 対象:闇に住まいし者
※ ……しかし、三色側の希望はもろくも潰えました。手札にクリーチャーが不足している今、速攻を信条とする黒としてはここで『送還』で『闇に住まいし者』を守ったのは決して誤りではありません。なぁに、勝負はあと一撃で終わるのです。
手札>魔力流出、島
引札>沼
呪文>闇に住まいし者
土地>沼
攻撃>沼インプ(1/1)
解決>ダメージ1点(4 → 3)
手札>鉄爪のオーク、丘巨人、火の玉、発火、オークの軍旗、破滅のロッド、機械仕掛けの獣
引札>森
土地>森
呪文>発火 対象:沼インプ、闇に住まいし者
※ しかし、あと一歩と言うところで勝利の女神は黒から逃げていってしまいます。『送還』までして守り抜いた貴重なクリーチャーは壊滅してしまいました。もっとも、敵には手駒がなく、ライフで圧倒的に勝る黒は、まだ勝利を確信しています。
手札>魔力流出、島
引札>ぐるぐる
手札>鉄爪のオーク、丘巨人、オークの軍旗、破滅のロッド、機械仕掛けの獣
引札>スクリブ・スプライト
呪文>丘巨人
呪文>スクリブ・スプライト
※ 起死回生をはかるべく、今までの憂さを晴らすかのようにクリーチャーを一気に召喚します。しかし、スクリブ・スプライトも丘巨人も決定打とするにはいささか力不足です。黒が回復しないうちに逆転するのは可能でしょうか?
手札>魔力流出、島
引札>沼
土地>沼
呪文>魂の枷 対象:丘巨人
呪文>ぐるぐる 対象:丘巨人
※ ブロッカーのいない黒は、なんとしてもここで『丘巨人』を封じておかねばなりません。『魂の枷』と『ぐるぐる』のコンボが見事に決まり、『丘巨人』は無力化されました。黒、上機嫌です。
手札>鉄爪のオーク、破滅のロッド、オークの軍旗、機械仕掛けの獣
引札>純白の秘薬
呪文>純白の秘薬 回復3点(3 → 6)
攻撃>スクリブ・スプライト(1/1) [ダメージ1点(20−>19)]
※ 対する三色も焦りが感じられます。『束縛』により、『丘巨人』は身動きがとれません。スクリブ・スプライトだけでは戦力としてはいかにも不足です。敵の奇襲に備えてマナが使えるうちに体力を回復しておくのはまあ正解といえないこともありません。
手札>魔力流出、島
引札>沼
土地>沼
※ マナが溢れていたが故に手駒を一気に使ったのが裏目にでてしまいました。黒、何もできません。
手札>鉄爪のオーク、破滅のロッド、オークの軍旗、機械仕掛けの獣
引札>平地
土地>平地
呪文> 機械仕掛けの獣
攻撃>スクリブ・スプライト
解決>ダメージ1点(19 → 18)
※ ここで幸運なことに土地がでました! 重くて使いものにならないかと思われた『機械仕掛けの獣』を後生大事に持っていた甲斐があったというものです。
手札>魔力流出、島
引札>魔術師の女王
呪文>魔力流出
呪文>魔術師の女王
土地>島
※ 黒、真っ青です。本当なら『魔術師の女王 』で敵の超重量級を無力化してニヤリとするところなのですが、 『機械仕掛けの獣』は本体は0/4で、その力はあくまで7つの+1/+0カウンターによるものであり、『魔術師の女王』では本体を0/2には出来てもカウンターの効果までは無力化できないのです。相手がアーティファクトであるが故に多少は効果のあるハズの『魔力流出』も、両者マナの溢れる今では大した効果はありません。
手札>鉄爪のオーク、オークの軍旗、破滅のロッド
引札>平地
土地>平地
呪文>オークの軍旗
攻撃>機械仕掛けの獣(0+7+1/4)、スクリブ・スプライト(1+1/1)
解決>ダメージ10点(18 → 8)
※三色一気に大攻勢です。こうなると 『機械仕掛けの獣』は頼りになることこの上ありません。
手札>なし
引札>ウルザの眼鏡
呪文>ウルザの眼鏡
※ 対する黒、なすすべがありません。
手札>鉄爪のオーク、オークの軍旗、破滅のロッド
引札>山
土地>山
呪文>鉄爪のオーク
攻撃>機械仕掛けの獣(0+6+1/4)、スクリブ・スプライト(1+1/1)
防御>魔術師の女王 対象:機械仕掛けの獣(0+6+1/4)
特殊>魔術師の女王 対象:スクリブ・スプライト
解決>ダメージ1点(8 → 7)
※ 黒、必死の抵抗で総攻撃をくい止めますが、もはや後がありません。恐るべきは 『機械仕掛けの獣』!
手札>なし
引札>魔力消沈
※ そして、投了です。最後が『魔力消沈』とは運命の皮肉でしょう。もう少しこれが早ければ、状況はどうなっていたかわかりません。しかし、今となっては後の祭りです。
訳注:
このリプレイでは、第四版を収録している『Magic The Gathering ギフトボックス』を使用しています。そのため、現行のタイプ2レギュレーション下では使用できないカード「魂の枷」も含まれています。予めご了承ください。
また、このリプレイを書いた当時はこれで正しかったのですが、フェイク・アンティのルールを使用しているなど現行ルール下では違っている点があります。特に大きな違いは、『魔術師の女王』のように能力値を直接書き換える呪文や効果は、現行ルール下では能力値に修正が加わっていても修正後の能力値を直接書き換えるということです。従って、『魔術師の女王』は『機械仕掛けの獣』のように+1/±0カウンターによりその力を得ているクリーチャーをも無力化する事ができるのです。これによりリプレイの状況も変わっていた可能性はあります……もっとも、このルール下では『魔術師の女王』は『破滅のロッド』で真っ先に抹殺されてしまっていたでしょう。