2001年12月30日　半影月食と月と木星の接近

　月は自分で光を出していません。太陽の光を反射して、光っているのです。その太陽の光が、月にあたらなくなった時に、月が欠ける現象を月食といいます。月食は、皆既月食、部分月食の二種類が一般的ですが、半影月食（はんえいげっしょく）と呼ばれるものがあるのです。
　半影月食は、月にとどく光の一部を地球が隠す現象です。つまり、月面で部分日食が起こっているのです。ただ、部分日食の時、空がほとんど暗くならないように、半影月食の時も月はほとんど暗くなりません。
　下の画像が、12/30に起こった半影月食の様子です。画像の下の月の南側が少し暗くなっています。この暗い部分が、少し移動しているのが分かるでしょうか？19時15分の時は少し左下、35分ではほぼ真下、55分ではほんの少し右下に移動しています。これは、月の場所が少しずつ移動しているためです。月がもう少し南側を通ると部分月食になったはずです。
　撮影に使った望遠鏡はPENTAX75SDHFで、LV25ｍｍで拡大し、QV-3000EXの望遠側で撮影しています。そして画像をトリミング後、サイズ変更して掲載しています。　

　半影月食が起こった後、月は木星に接近していきました。下の画像の左下の星が木星です。月は30分ごとの画像を合成してみました。30分ほどで、月1個分移動している様子が分かります。
　また、19時56分の月の南側は暗いのですが、21時26分以降の月の南側は、真っ白になっています。これは半影月食が終了したために、もとの明るさに戻ったためです。
　望遠鏡で眺めると、月と木星を同一視野に見え、木星のガリレオ衛星も見えました。しかし、画像にすると、光度差がありすぎるため表現できません。

月と木星の接近

月の右から左へ　19時56分、20時26分、20時56分、21時26分、21時56分

PENTAX　75SDHF+LV25ｍｍ　QV-3000EX　広角側で撮影