ニ−ト彗星 2002V1

  発見されたころは大変暗かったのですが、太陽にかなり近づくため注目されました。ただ、元の大きさが小さいので消滅する予想が出ていました。しかし、予想に反しどんどん明るくなり、きれいな姿を見せてくれました。
 

2003年2月9日 18時49分〜18時58分の間、1分2コマ(右下頭部)合成、1分露出2コマ(左上尾部)
 PENTAX75SDHF++LV25mm COOLPIX 4500広角側 ISO400
3x3ビニング(1/3にサイズダウン)後、周辺部を一部トリミング
 伊予市森海岸にて撮影
  撮影した時刻は、彗星の高度が8〜6度ほどしかありません。しかし、7x42双眼鏡で見ると頭部が大変明るく、尾がはっきり見えていました。そこで、構図をずらして、2コマの画像を合成してみました。右下の頭部が1分の2コマ合成、左上も1分の2コマ合成です。画像の対角が約3.5度あり、ぼんやりとしていますが、左上にまっすぐ伸びる尾が分かります。
  彗星の明るさは、さらに明るくなり、4等ぐらいでしょうか。高度が高ければ、肉眼でも分かりそうな明るさです。7cm20倍で見ると、核のように見える、頭部が黄色みがかった緑色に見えたいへんきれいでした。

2003年2月7日 18時59分〜19時01分の間、16秒露出を3コマ合成
 オリンパス C3100望遠側 ISO400 固定撮影
3x3ビニング(1/3にサイズダウン)後、周辺部を一部トリミング 35ミリ換算 約100mmの画角
 松山市内自宅前にて撮影
  これまでの画像と違って、デジカメ単体の固定撮影です。1コマでは少し見にくいので、3コマ合成してみました。下の画像の約1/10〜1/8スケールとなります。
 矢印の先の彗星を詳しく見ると、上少し右寄りに尾が淡く見えています。固定撮影でも分かるのでかなりしっかりしています。なお自宅前ということで、光害が強く、双眼鏡で尾が見えるものの、肉眼ではまったく分かりませんでした。
 画像の星のすぐに横に書いているのは、星の明るさです。4.8は4.8等星ということです。これらから判断すると、4.5等くらいの明るさのようです。
 この画像は、地平線が下になっています。また、2/6までの画像は上が北になっています。このために尾の向きが変わって見えているだけです。
 ところで、望遠側で撮影するとき、いつものCOOLPIX4500ではFが暗くなかなか写りません。C3100はF2.8で明るいので、16秒の露出でもよく写ります。このため、C3100を使いました。望遠側のFが暗い点が、4500の弱点です。天体の場合は、広角のみしか満足に使えません。

2003年2月6日 18時49分〜19時02分の間、1分1コマと2分露出2コマ 計3コマ合成
 PENTAX75SDHF++LV25mm COOLPIX 4500広角側 ISO400
3x3ビニング(1/3にサイズダウン)後、周辺部を一部トリミング
 伊予市森海岸にて撮影
  3日前と比べると、頭部がかなり明るく、また色も変化し、黄色みが入ってきました。ステラナビゲ−タ−でシュミレ−ションすると、左上に伸びているのは、ダストの尾のようです。そして、上に分岐していく淡い尾がイオンの尾です。つまり2本の尾が見えるようになったのです。ダストの尾は、彗星から出たチリが光って見えるもので、イオンの尾に比べ黄色くまた明るく見えます。このためよりいっそう尾がはっきりします。
  ただ残念なことに、まもなく太陽に近づき見えなくなります。また、月が大きくなり、詳しい姿はもう見えないでしょう。
 明るさは、4等台になっているようです。夕焼けが残っているときは、恒星のようにきらきらと輝いていました。しかし、肉眼ではやはり見えません。すぐ近くに月があり、高度も大変低くなってきたからでしょう。

2003年2月3日 18時55分〜19時05分の間、2分と3分露出2コマ合成
 PENTAX75SDHF++LV25mm COOLPIX 4500広角側 ISO400
3x3ビニング(1/3にサイズダウン)後、周辺部を一部トリミング
 伊予郡中山町松森城森林公園にて撮影
  天気の恵まれ、一番きれいに見えていました。尾の長さは、7x42の双眼鏡で3度くらい分かり、7.5cm20倍で、かすかに尾の濃淡が見えていました。ただ、高度が低くなり、また近くにある黄道光がぼんやり見え、肉眼では分かりません。
 画像を見ると、彗星本体の近くの尾が何本にも別れ、複雑に曲がった感じです。相変わらずイオンの尾がこのようによく分かります。しかし、ダストの尾はあまりはっきりしていません。
 明るさは、あまり比較するものがないのですが、5等星くらいでしょうか・・。ただ、見かけ上小さく、肉眼では見えそうもありません。なお画像の視野直径は約1.9度となっていますす。尾が長かったので、倍率を20倍まで落としてみました。
 ちなみに上の画像は、サイズを小さくしています。オリジナルのサイズのままでトリミングした画像はこちらをご覧ください。サイズは1260x1024で、約130kです。

2003年2月2日 19時12分〜14分の間、40秒露出2コマ合成
 FC76+LV25mm COOLPIX 4500広角側 ISO400
3x3ビニング(1/3にサイズダウン)後、周辺部を一部トリミング
 松山市内にて撮影
  撮影した場所は、松山市内の中心部近くで、ニ−ト彗星の方向は、2等星くらいまでしか見えない悪条件です。また、晴れ間が少なく、40秒露出の2枚合成です。この条件にもかかわらず、尾が撮影できました。明るさは、確実に明るくなっているようです。撮影した望遠鏡が違っていますが、倍率をほとんど同じにしているので、拡大率もほぼ同じ条件です。ただ、バックの星の数がかなり少なくなっています。これは、街の光のためです。

2003年1月30日 19時18分〜22分の間、90秒と60秒露出2コマ合成
 PENTAX75SDHF+LV20mm COOLPIX 4500広角側 ISO400
3x3ビニング(1/3にサイズダウン)後、周辺部を一部トリミング
 伊予市森海岸にて撮影
  24日に比べ、尾がよく分かるようになりました。視野いっぱい(視野の直径は約1.5度弱)に広がるのは、おそらくイオンの尾と呼ばれるガスの尾のようです。この尾は、たいへん淡く複雑に変化していきます。よく見ると、濃淡や少し曲がりながら伸びているのが分かります。
  この日は透明度がよかったのですが、消防車が着たり、視野の中を飛行機が通りそうになり、2コマしかまともに撮影できませんでした。尾を分かり易くするために、バックを淡くしているので、露出アンダ-でバックのムラが目立ってしまいました。
  撮影前に、7.5cm25倍で見たところ、尾が伸びているのが分かり、3cmのファインダ-でもわずかに尾が伸びているのが分かりました。ただ、比較的近くに街灯があったり、海岸のため、低空方向はぼんやりと明るくなっていました。山間部で十分露出すると、かなり長い尾が伸びているはずです。

2003年1月24日 19時10分〜3分露出
 PENTAX75SDHF+LV20mm COOLPIX 4500広角側 ISO400
3x3ビニング(1/3にサイズダウン)後、周辺部を一部トリミング
 伊予市谷上山にて撮影
 高度がだんだん低くなってきたのですが、月明かりもなく条件がよくなってきました。明るさは6等くらいで、3cmのファインダ−でもよく分かりました。
 画像を見ると、彗星独特の緑色のコマがよく分かります。中心部が明るく、すぐに消滅する感じはありません。そして、左上に向かって淡い尾が見えています。
 視野の直径は、1.3度ほどですから、尾の長さはそれほど長くはないようです。ですから、望遠レンズくらいを使わないと、あまり見栄えがしません。しかし、透明度がよく、もっと条件がいい場所ならもっと長く見えるかもしれません。撮影した場所は、西側に(彗星の方向)に街の明かりがあり、彗星方向は、4等くらいしか見えていませんでした。
 今回は、1コマの画像です。コンポジット合成すると、もっと写るかもしれないのですが、バックの恒星がずれてくるので、1コマにしたのです。

2003年1月15日 19時58分〜20時12分までの間に60秒露出4コマ合成
 PENTAX75SDHF+LV20mm COOLPIX 4500広角側 ISO400
3x3ビニング(1/3にサイズダウン)後、周辺部を一部トリミング
 松山市自宅前にて撮影
 満月近くの明るい月が天頂付近に輝き、肉眼で3等星くらいしか見えない、悪条件です。また、自宅前で、近くの家の灯りなどがありました。
 はじめて見たのですが、眼視では中心部分の輝きがあまり目立ちませんでした。画像では、中心部(コマの部分)が明るく見えます。画像下のも最も明るい星が9等星なので、これよりは明るいのですが、7〜8等くらいでしょうか?
 またよく見ると画像左少し上に向かって、淡い尾が見えるような気がします。
  
  なおバックの恒星が線状に少し延びているのは、彗星を基準に4コマ合成しているためです。15分間ほどで、わずかに星空の中を移動しているので、彗星を止めると、恒星が線状に延びるのです。(ただ、ちょっと違った方向に伸びています。これはちょっと失敗ですね。)
 これから太陽にどんどん近づき、明るくなる予想があります。期待して待ちましょう。といっても見やすいのは、2月上旬までです。1月末が、月の条件からして一番良いようです。

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