水星日面通過2003年5月7日

 水星は、地球より太陽の近くを回る惑星です。内側を回るため、太陽と地球の間に入り、太陽の前を通り抜けることがあります。この現象を、水星日面通過(にちめんつうか)と呼びます。この現象が、5月7日に見られました。条件がいいのは10年ぶりのことです。今回は、14時15分ころから水星が太陽の前を通り始め、日没まで続く現象でした。

 水星は、自分で光りを出していないため、太陽の前を通る時、真っ黒な点に見えます。下の画像のうち左側が、水星が太陽の前に入ったところです。画像の上の少し左側の黒い点が水星です。開始から約2時間後が右側の画像です。水星が右下に移動しているのが分かります。なお、水星の他に黒い斑点が見えます。これは、太陽の黒点(こくてん)です。

14時19分 16時21分
 薄雲がかかった状態で、全体に白くなりました。また、露出もオ−バ−のため中心近くの黒点があまり見えていません。上の左側に水星が、真っ黒な点に見えています。   こちらは、雲が多くなり、暗く見える部分が多くなりました。水星は右下に移動しています。中心付近の、黒点がよく分かり、下の右側も黒点、白斑が見えています。
 7.6cm屈折(52mmに絞る)、LV9mmで拡大。COOLPIX4500 広角側、ISO100。ND400+ND8で減光。オ−ト撮影。一部トリミング。


14時27分 15時53分 16時19分
 水星が、太陽面に入ってしばらくした様子です。丸い姿が印象的でした。  雲が多い中、だいぶ内側に入ってきました。まだらに見えるのは、雲があるためです。  太陽のふちが、変形しているのは、大気の流れのためです。
 7.6cm屈折(52mmに絞る)、LV9mmで拡大。COOLPIX4500 望遠側、ISO100。ND400+ND8で減光。オ−ト撮影。一部トリミング。


 今回は、雲に悩まされました。なにしろ、14時ころまでは、雨がぽつぽつ降っていたのです。開始前に晴れ間が広がり、何とか見ることができました。その後、15時ころからは、時々晴れ間から見えるものの、たえず薄雲がかかっていました。そして、16時30分ころからは、雲が多くなりしだいに見えなくなりました。
 画像ではあまり立体感がありません。しかし、実際の姿は、明るい太陽面を通る真っ黒な水星が、丸みを帯びた感じに見えました。錯覚かもしれませんが、まさにボ−ル状の水星が通る感じでした。

 

 

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