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伊豆南部の湯めぐり byやませみ


【第1回】 西伊豆町の温泉

 

■仁科(にしな)温泉「町営せせらぎの湯」

 静岡県賀茂郡西伊豆町中532 TEL/0558-52-3355  月休 8-19時 500円

<掲示> 受付横に分析表
  堂ヶ島3号泉* H6.12分析 西伊豆町中521.-1
  Ca・Na−SO4 51.5℃ pH=9.0* 湧出量記載なし *) 資料による
  総計=2373
  Na=199.1(25.7) Ca=497.8(73.7) Fe(II)=1.0
  Cl=85.2 SO4=1528(92.0) HCO3=3.7 CO3=8.4 mg/kg (mval%)

西伊豆町営の温泉施設は5カ所あり、1000円で全部まわれる「風呂奉行」という6カ月有効の入湯手形が発行されている。2カ所入ればあとはタダという勘定になるからたいへんお得。せせらぎの湯は3年前にできたいちばん新しい施設。

行き方は、国道136が仁科川に出会う浜橋交差点で県道59に入る。川沿いに1.2kmの海名野にかかる2つめの橋に小さな案内板が出ており渡ってすぐ右手。100mほど上流には温泉スタンドもあり、100L/100円。川縁に佇む平屋の建物で、浴室と小さい休憩部屋があるだけのかわいい公衆浴場。館内はまだ真新しくとても清潔。

浴室は2畳くらいの内風呂とほぼ同サイズの露天風呂があるだけ。露天の前は駐車場なので柵で囲われているが、立てば土手の桜が眺められる。内風呂は40℃の中温、露天は42℃の熱めに調整されている。どちらも槽内に吸・注入口のある循環式ながら、湯口から源泉が5 L/minほど投入されて静かに溢れている。

浴槽が小さいので掛け流しとあまり変わらず湯の鮮度は高い。カルキ臭はなし。無色で澄んだ湯はあまり特徴がなさそうに見えるが、淡いセメント臭とほろ苦い薬味があり、濃い石膏泉の特徴がしっかりある。強めのキシキシと微かなつるすべ(0.5)をもつ肌の馴染みがよい湯で、たいへんよく温まる。(2003.2.23)


清潔でこじんまりじた公衆浴場

循環ながら鮮度を感じる湯



■祢宣畑(ねぎのはた)温泉「町営やまびこ荘」

  静岡県賀茂郡西伊豆町大沢里150 TEL/0558-58-7153  不定休 8-17時 500円

<掲示> 玄関に分析表
  ねぎの畑温泉・町営源泉第4号泉 S47.4分析
  Ca・Na−SO4 39.3℃ pH=8.7* 1100 L/min
  総計=2068
  Na=142.2(21.2) Ca=459.7(78.6) Cl=54.9 SO4=1295(93.1) HCO3=18.9 CO3=0.57
  H2SiO3=93.22 mg/kg (mval%) ガス成分記載なし
  *) 試験室(ガラス電極法)ではpH=9.31

仁科から湯ケ島へ抜ける県道59は改修が進んでおらずとても狭い。仁科川にそって深い谷底の細道をくねくね進んでいくこと8kmほどで大沢里(おおそうり)地区に入り、ひっそりした祢宣畑の集落が現れる。ここには温泉が2カ所あり、下手の猪乃湯温泉はしゃくなげ荘という旅館に、上手の祢宣畑温泉はやまびこ荘のほかに オートキャンプ場にも引かれているらしい。

やまびこ荘は集落のいちばん高台にある町営の研修施設で、廃校を再利用した建物が懐かしい感じ。教室に畳を敷いた広い宿泊室と、冬でも泳げる立派な温泉プールがある。

浴室は男女別の清潔な内湯のみ。4x1.6mほどの浴槽が大小に仕切られ、大きい方は上等な総木製、小さいほうはタイル張りになっている。どちらにも源泉と加熱湯のカランがあり、洗い場へ溢れる掛け流し。源泉は常時20 L/minほど出されており浴槽では38℃前後、ぬる湯好きには好適な温度だが利用者の好みで加熱湯を足すことができる。

無色で清澄な石膏泉で、ぬるいこともあって繊細な浴感の肌馴染みのよい柔らかい湯。源泉カランの湯は細かい気泡を含んで出ているので白く濁って見え、小さいほうの浴槽でじっとしているとビロードのような泡でびっしりと覆われる。静かな環境のなかでじっくり長く漬かれる上品な湯だと思う。(2003.2.24)


廃校が大事に使われています

泡付きのよい源泉を好きなだけ足せる


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