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山梨の湯巡り8 [3] byうつぼ



■十谷温泉「源氏荘」

(鰍沢町、時間要問合せ、1,000円、0556-27-0224)
http://www.inf-mochi.com/genjisou/genjisou2_top.htm

夏に、「本日は都合により休ませて頂きます」の衝撃の看板を出されて撃退された (^^;、源氏荘にリベンジです。(ず〜と昔に一度来たことがありますけど) 南アルプス東麓の有名な秘湯宿。みしゅらんあり。

立ち寄り入浴は、内湯と露天の選択ですが、迷わず露天を選択しました。露天は母屋裏手の吊り橋を渡ってのアプローチ。脱衣所は男女別ですが、露天ゾーンは混浴。大柳川に面した野趣あふれる露天と名物のガマの岩風呂があります。露天からは滝も見えて、紅葉の時期は絶好の紅葉風呂になるのでは?カラン数個(ガマの岩風呂内)、日曜11時で最初独占でしたがすぐに女性も含め何人か入ってきました。

岩枠石貼15人以上の露天は、女体像が抱えた壷からの投入で川寄りの湯面排湯口からの流し出しですが、底面吸湯2ケ所も発見したので、ひょっとすると半循環かも?別に飲泉用の湯口もあります。(壷の湯口より熱い) (中)温泉なので34〜42℃の泉温ですから、若干加熱しているかもしれません。

ガマの岩風呂は、巨岩の下に浴舎が填め込まれたようにしつらえられた面白いつくり。天井は低く蒸し風呂のようにこもっています。なかの円形浴槽は、タイル貼5.6人で中央の金精様状の湯口から投入で、槽内注排湯はみあたらず、投入量とほぼ同量のオーバーフローがあるのでおそらくかけ流しかと思います。以前来たときはまだまだ青くて、露天ばかり入っていましたが、ここの真骨頂はやはりガマの岩風呂でしょう。全体に露天よりガマの岩風呂のほうがお湯に濃度感もあります。

適温のお湯は、無色透明でガマの岩風呂には黒い浮遊物少々。塩味+強い苦味+かすかなたまご味、強めの石膏臭 or 弱い甘イオウ臭の好ましげな温泉臭で岩風呂ではこれに山椒のような独特の香りが加わり、かなりと個性的な味臭が楽しめます。とろみとキシキシが入りまじる複雑な湯ざわりで、肌にくい込んでくるようなしっかりとした浴感があってとても温まるお湯はかなりの名湯かと・・・。土類が多いイメージで、浴後はややペトペトしっとりした感触が残ります。

このロケとこのお湯で1,000円は、まずまず納得できます。ただ、とても個性的なお湯なので、スペックが気になるところですが、分析表の掲示もフロントにもなかったのは残念。パンフによるとこのあたりでは珍しい高張泉のようです。玄関横にも飲泉所があって、ぬる目ですが味は露天の飲泉と同じでした。

「十谷荘」はこの日も立ち寄り入浴不可でした。前回は平日昼間、今回は日曜昼でNG。ほとんど立ち寄りに応じないのなら、日帰り温泉のガイド本などに出没しないで欲しいです。

Ca・Na-塩化物泉(アルカリ性高張性温泉)他不明


「源氏荘」の玄関

「源氏荘」のガマの岩風呂

「源氏荘」の露天

「源氏荘」の露天湯口


■湯村温泉「ホテル吉野」

(甲府市、時間要問合せ、500円、055-253-2878)
http://www.diana.dti.ne.jp/~yumura/yoshino/

山梨の湯巡り5でレポった<湯村温泉「旅館明治」>に続く名湯湯村の2発目です。西暦808年、空海(後の弘法大師)によって開湯されたと伝えられる屈指の古湯、湯村温泉。武田氏の居城、躑躅ヶ崎館からもほど近く、信玄ゆかりのお湯としても広く知られ、古くは志摩の湯と呼ばれていました。

ホテル吉野は、温泉ファンの間では評価の高い温泉旅館で、湯村の温泉街のなかほどにあります。こぢんまりとした館内で、帳場のすぐよこに男女別の浴室があります。

男湯は内湯(タイル貼7.8人)に露天(石製の瓶1.2人)ですが、女湯には露天はないようです。内湯は、岩組に仕込まれた塩ビパイプから25L/minほど源泉を投入で、槽内注排湯はなく、全量を浴槽フチ全面からオーバーフロー。湯口よこにはコップがおいてあります。

露天は、白い石膏の析出が出た石の湯口から20L/minほどの投入で、こちらも槽内注排湯はなく、全量をオーバーフロー。湯船に身を沈めたときのザンザコあふれ出しは豪快そのもの。カラン5、シャワー・シャンプー、ドライヤーあり。日曜13時で男女湯とも独占。渋い旅館の昼下がり、ひとりきりの浴室でざあざあと源泉がかけ流されていくのを眺めているのは何とも贅沢 ^^)。

やや熱めで無色透明のお湯には、石膏味に石膏臭+微ミシン油系アブラ臭+微モール?臭+微イオウ臭?のデリケートなもので、お湯の新鮮さがそのまま温泉臭に現れている感じ。どちらかというとキシキシ系ですが、アワつきのぬるぬるもあります。

このお湯で凄いのは温まり感で、濃度感はさほどでもないのにとてもあたたまり長湯できません。内湯がこもっているせいかとも思いましたが露天でも同じでした。露天でトドになっているだけでは冷めず、何度も冷水シャワーを浴びてしまいました。とても力のあるお湯で、浴後はほてほてになりますが、すぐに絶妙な爽快感が全身を包みます。名湯の噂が高いのもなるほど頷けます。

甲府駅からさして離れていない市街地に、これほど力のある温泉地を擁するとはやはり甲府の温泉状況おそるべし。地味な旅館ですが、そばまで来たら立ち寄ってみる価値のあるおすすめ湯かと思います。*HPには湯村の温泉についての解説もあります。

HPより:51℃、弱アルカリ単純(温)泉
館内掲示より:食塩1.7393、水酸化ソーダ0.8790、硫酸ソーダ0.4981他(単位不明。塩類泉のような気もしますが・・・)


「ホテル吉野」の外観

「ホテル吉野」の男湯内湯

「ホテル吉野」の男湯露天
 


■鏡温泉

(甲府市、10:00〜21:00、350円、055-228-2483)

当初、めがねさんのレポがある善光寺の「栄湯」を目指したのですが、どうにも発見できず目標変更しました。

甲府の中心部にある昭和24年創業の老舗の温泉銭湯。外観、脱衣所、浴室とも年季の入った風格ある佇まいは何ともよさげ。竹の湯や遊亀と同様、番台のある典型的な銭湯スタイルで、となりにサウナもあります。男女別の浴室は、ゆったりとした配置で手前からぬる湯槽(タイル貼4人)、熱湯槽(同3人)、奥に水風呂(同4.5人)があってぬる湯槽と熱湯槽でお湯の行き来があります。

場内には、「西山温泉、下部温泉とならぶ名湯」という意味合いの説明書きがあり、入口よこにはしっかり飲泉所もあります。カラン10位、シャワーあり、シャンプーなし、ドライヤー20円。日曜15時で男湯3〜5人。お客はすべて近所の常連さんらしく湯慣れた感じでした。

ぬる湯槽は石の湯口から投入、熱湯槽はカランからの投入で、槽内注排湯は確認できませんでしたが、オーバーフローはさほどないので、槽内排湯があるかもしれません。水風呂は岩組から湯滝状に投入でオーバーフロー。こちらはかなりのオーバーフロー量があるので、源泉投入だとしたらかけ流しかと。湯温からしても源泉の可能性があります。

お湯は、やや黄色がかった透明で、かすかな重曹味がありほぼ無臭。弱いながらツルすべのあるやわらかな湯ざわり。浴感は薄いので、成分はさほど濃くはないと思いますが、ここは泉質よりも銭湯の風情を楽しむ場のような気がします。

単純(温)泉(緩和性微温泉) 他不明 (自噴らしいです)


鏡温泉の外観

鏡温泉の浴槽

鏡温泉の脱衣所
 


■勝沼町ぶどうの丘温泉「天空の湯」=入館のみ入浴せず

(勝沼町、8:00〜22:00、600円/3h、0553-44-2111)
http://www.budounooka.com/tenku.html

鏡温泉の後、モール?泉らしい勝沼町温泉「ぶどうの国健康福祉センター」に行く予定でしたが、17時までなので時間切れロスト。で、しょうがなく、超人気施設のぶどうの丘「天空の湯」に行きました。ぶどう狩りシーズンで、もう暗くなってるのにぶどうの丘は人であふれかえっていました。

入館して受付よこに貼られている分析表をみると、総計0.220g/kgと地下水なみの薄さにがっかり。浴室に向かうと脱衣所に入りきれない人が廊下まであふれています。さらに、出てきたおじさんの「ただのお湯だなぁ〜」というつぶやきを聞くに及んで、入浴する気を喪失して撤収 (^^;。(入館料は返却してもらいました) 中央道は例によって大渋滞だし、このまま帰るのも癪なので、引き返して笛吹川温泉へ。

■一応、Getした勝沼町ぶどうの丘温泉のデータを記載しておきます。
アルカリ性単純温泉(Na-HCO3・(CO3)型) 41.1℃、pH=9.40、142L/min、成分総計=0.220g/kg、Na^+=57.0mg/kg (94.30mval%)、F^-=2.7、Cl^-=13.3 (13.97)、HCO_3^-=63.5 (38.24)、CO_3^2-=26.5 (32.35)、HS^-=0.6、陽イオン計=60.0 (2.63mval)、陰イオン計=118.5 (2.72mval) <H10.11.13分析>


「天空の湯」のエントランス
 


■笛吹川温泉

(塩山市、9:00〜22:00、700円/2h(タオル・バスタオル付)(17:00〜 700円)、0553-32-0011)
http://www.fuefukigawaonsen.com/

笛吹川の河畔にある民営の日帰り施設。以前3回ほど入ってますが久しぶり。隣りに同系列で同一源泉使用の「坐忘」というこじゃれた和風旅館もあります。

入場料はバスタオル・タオルレンタル付きなので手ぶらで立ち寄る客も多いようです。館内は照明がうまくあしらわれ、暖かみのある雰囲気。以前はけっこう空いていた記憶がありますが、この日は連休中ということもあってか、他県ナンバー中心に満車状態。

男女別の浴室は、内湯(みかげ石貼10人以上、ジェット、ジャグジー付)、水風呂、ゲキ熱のサウナに露天(岩造石敷30人以上、奥に洞窟風呂あり)。露天はやたら広く、築山などもあるので日本庭園の池に浸かっているよう。なお、洞窟風呂があるのは片方のみで、浴室は男女交替制のようです。カラン9、シャワー、シャンプー、ドライヤーあり。日曜19時で男湯15〜20人と若いグループ客とファミリー客を主体に盛況。

やや熱めの内湯は、石の湯口からの投入+ジェット・ジャグジー注入+側面注入で底面吸湯がありますが、そこそこのオーバーフローもある複雑な湯づかい。37〜38℃くらいのぬる湯の露天は、洞窟の奥に鎮座する観音様の足元から岩づたいに流し込みと塩ビ管からの注入数ヶ所。槽内排湯は不明ですが湯面排湯口からの流し出しあり。観音様のそばには冷水が出ている塩ビ管もあってコップが置いてあります。スタッフによると(湯面から上の)投入口はすべて源泉とのこと。

お湯は、無色微濁でほとんど無味。群馬白井によく似た臭い(甘いような酸っぱいような、それでいてかすかにツンとくる感じの不思議な温泉臭)があります。湯ざわりはどちらかというとキシキシで露天のお湯のほうがやわらかな感じがします。露天のお湯はややなまり気味ですが、浴感おだやかなぬる湯で長湯向き。洞窟部分をのぞいて露天ゾーンに照明はないので、月明かりの下、ヒーリングモードに入っている人多数。

バランスのとれた施設構成で、お湯もマイルドなので、万人向けのハズレのない施設かと思います。

■フロント内掲示の分析表を写させてもらいました。
アルカリ性単純温泉(Na-Cl・SO4型) 43.4℃、pH=9.5、446L/min、成分総計=0.543g/kg、Na^+=159.0mg/kg (87.04mval%)、Ca^2+=19.6 (12.45)、Cl^-=151.6 (51.69)、HS^-=0.4、SO_4^2-=152.3 (38.29)、CO_3^2-=12.9、陽イオン計=180.0 (7.95mval)、陰イオン計=327.1 (8.28mval) <S63.10.24決定>


笛吹川温泉のエントランス

笛吹川温泉の内湯

笛吹川温泉の洞窟風呂の湯口
 


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