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山梨の湯巡り8 [2] byうつぼ



■草塩温泉

(早川町、10:00〜19:00(夏期〜20:00)、400円(入浴のみ)、0556-45-2507)
http://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/H-KANKO/KUSASHIO/k-kusa1.html

南アルプス街道を早川沿いに走って約15q、草塩橋を渡って草塩の集落に入り細い田舎道を少し走ると現れる、地味めの公共系日帰り温泉施設です。公民館のような色気のない建物で、外観、館内とも相当に年季が入っています。

右手奥に男女別の浴室があります。大浴槽(檜枠石貼5人)に中浴槽(同4人)、まんなかに大きな石が置いてあり、そこが湯口になっています。カラン6、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。土曜11時で独占〜2人。脱衣所には源泉カランがあって金気味がします。洗い場の水カランも似たような味があったのでこれも源泉かもしれません。

ややぬるめの大浴槽は、石の湯口から20L/minほど投入で底面吸湯がありますが、ごくわずかにオーバーフローもあり。やや熱めの中浴槽は、石の湯口から50L/minほども投入し、底面吸湯でオーバーフローはなく、大浴槽のほうがお湯の鮮度は高い感じがしました。

お湯は、緑がかった薄黄褐色で少しにごりがあります。弱重曹味+弱金気味に金気臭。重曹系のしっかりとしたとろみとツルすべがある温泉らしい浴感で、浴中、浴後ともにかなりの温まり感があり、浴後はお肌しっとり。大浴槽の湯口付近でかすかなアワつきがあったような感じもしますが気のせいかも。

おそらく循環湯かと思いますが、源泉の力を感じられる予想以上にいいお湯でした。HPによると「温泉の隣の地下約300メートルから湧き出る湯は、黄褐色で地上温度は約9度。太陽熱やボイラーで42度まで加熱して浴場に引いています。」とのこと。

分析表の掲示はないですが(事務所には別表のみあったのでコピーをもらってきました)、さほど濃いイメージはないので、総計1〜2g/kgくらいの塩類泉かと思います。

Na-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性弱アルカリ性冷鉱泉)他不明。


草塩温泉の外観

草塩温泉の男湯

草塩温泉の湯色

草塩温泉の男湯湯口


■光源の里温泉「ヘルシー美里」

(早川町、10:00〜19:00(冬期11:00〜)、400円、0556-48-2621)
http://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/H-KANKO/MISATO/k-misa1.html

1985年に廃校となった旧早川北中学校の校舎を改修して利用している公営の温泉宿泊施設で、積極的に日帰り開放しています。手入れの行き届いた清潔感のある建物で、浴室は別棟にあります。室に向かう渡り廊下の途中に飲泉所があり、源泉が注がれ小沢に排湯されています。その沢筋には湯の花も出ています。中塩味+たまご味にしぶ焦げイオウ臭香る相当に素性のよさそうなお湯です。

男女別の浴室には、適温槽(黒みかげ石枠石貼5.6人)と源泉?水風呂(同3人)。サウナ?もありますが稼働していませんでした。カラン5、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜12時で独占〜2人。

適温槽は、石の湯口から投入で槽内注排湯は不明(パスカルの穴があるかも?)ですが、端の排湯口からの流し出しあり。源泉?水風呂は、石の湯口からチョロチョロの投入で、槽内注排湯はなく最初に入ったときだけオーバーフローがあるのみで、ほとんど溜め湯状態。

お湯は、適温槽と源泉?水風呂ではぜんぜん違います。適温槽は、やや黄色がかった透明で生ぐさい臭い+金気臭+カルキ臭?の個性的な臭いで味不明。ちりちりとした湯ざわりは泉質のせいかカルキのせいか?

異常に冷たい源泉?水風呂は、緑灰色ささにごりで細かな黒い湯の花がただよい透明度55p。いい感じの色味です。しぶ焦げイオウ臭+微金気臭で味不明ですが、こちらは飲泉所のお湯に近いイメージがあるので少ないながら源泉投入かと思います。染みわたるようなパワーのある浴感がありますが、あまりにも冷たすぎ。

源泉をどのように扱うと適温槽のお湯になるのか想像がつきません。ひょっとして別源泉かも?それにしても、飲泉所の源泉のインパクトがあまりに強いです。イオウ臭はこのエリアでは屈指のもので、沢に垂れ流すんだったら、源泉?水風呂にもっと投入して欲しいです。

Na・Ca-硫酸塩・塩化物泉 17.6℃、pH=9.5、8.59L/min自噴、総計=4.459g/kg、Na^+=1169mg/kg (73.50mval%)、Ca^2+=363.3 (26.21)、Fe^2+=0.05、Cl^-=1078 (44.22)、OH^-=6.9、HS^-=0.4、SO_4^2-=1771 (53.61)、CO_3^2-=20.4、BO_2^-=13.8、陽イオン計=1539 (69.18mval)、陰イオン計=2892 (68.77mval) <H2.8.2分析>


「ヘルシー美里」の外観

「ヘルシー美里」の男湯

源泉?水風呂

飲泉所


■西山温泉「蓬莱館」

(早川町、時間要問合せ、1,000円、0556-48-2211)
http://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/2000/onsen/data/houraikan.html

山梨屈指の名湯と噂も高い湯治宿をようやく攻めました。めがねさんのレポあり。

西山温泉の開湯伝承は約千三百年前、慶雲年間に遡り、武田信玄、徳川家康も入湯したと伝えられる古湯です。外観、館内とも鄙びまくりの風情で、湯治棟にも活気があり、湯治宿としてもしっかり機能しているようです。道路を挟んで対峙する、高級秘湯 (^^; 慶雲館とは対照的で源泉も別です。
        
湯治棟にある浴室は混浴ですが脱衣所は男女別。総木造りの湯船は木板で3つに仕切られています。左手(男性側)手前は、岩の上に据えられた石の湯口からダイレクトに注がれるいちばん熱い3人くらいのスペース。左手奥は、ややぬるめで5.6人。右手(女性側)はさらにぬる目で10人くらい。

湯口は10L/minと5L/min程度のがふたつで、湯船フチから時折オーバーフローする源泉かけ流しでしょう。カラン5程度、シャンプー・ドライヤーなし。土曜14時でおばさん8人、男性5人と盛況。みな長湯モードバリバリで平気で1時間くらい入っています。

お湯は、ほぼ無色透明で、伝説の ^^) みかんの皮のような湯の花と白い糸クズのような浮遊物がたくさんあったのはラッキー。弱い石膏臭と石膏味。弱いキシキシがあってぬくぬくと居心地のいいやわらかな浴感は長湯向き。かすかにアワつき?があって、浴後には爽快感が広がります。

この内容で1,000円は評価の分かれるところでしょうがさすがに名湯、じっくりと長湯で攻めたいお湯です。でも個人的には、やはり迫力で勝る奈良田「白根館」の”銀河の湯”の方が好みですが・・・。

Na・Ca-硫酸塩・塩化物泉 41.3℃、pH=9.21、34.6L/min自噴、成分総計=1.256g/kg、Na^+=308.8mg/kg (71.63mval%)、Ca^2+=103.4 (27.52)、Cl^-=251.9 (38.14)、SO_4^2-=484.0 (54.08)、CO_3^2-=18.0、HS^-=0.08、陽イオン計=418.6 (18.75mval)、陰イオン計=788.3 (18.64mval) <S63.1.12分析>


「蓬莱館」の外観

「蓬莱館」の浴槽

「蓬莱館」旧館の玄関

付近の渓谷


■大滝温泉「文勝館」

(早川町、時間要問合せ、500円、0556-48-2144)
http://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/2000/nakasu/data/otaki.html

4発目でレポした「ヘルシー美里」のすぐそばにある温泉宿ですが、「ヘルシー美里」とは別源泉です。民家風のこぢんまりとした建物。廊下の奥に男女別の浴室があります。当日は、泊まり客がいないとのことで、小さな女湯のみ入浴可能でした。

タイル貼1.2人の浴槽のみで、緑白色の析出の出た蛇口から20L/min程度を投入、槽内注排湯なしの溜め湯式です。他に水カランもありますが、これは水道水のような感じがしました。カラン2、シャワー・シャンプーあり。ドライヤーなし、土曜16時で独占。

お湯は無色透明で、ごくかすかにしぶ焦げイオウ臭とたまご味があったような?(気のせいかも)。弱いツルすべがあり浴後はけっこうお肌さらさらになりますが、さほど特徴のある浴感はありません。 総硫黄=4.1904 mg/kgもあるので、もっとイオウの気配があってもいいとは思いますが、宿の裏山から1kmも引湯しているらしいので、イオウ分が飛んでしまっているのかもしれません。

浴後に男湯大浴槽をのぞいて来ました。こちらは赤茶に変色した岩の湯口と、源泉表示のある飲泉カランもあるので、こちらの方が面白いのでは?次回は、こちらを狙って突入したいです。

単純硫化水素泉(Ca・Na-SO4・HCO3型) 11.8℃、pH=6.10、22L/min湧出、総計=1335g/kg、Na^+=50.00mg/kg (20.08mval%)、Ca^2+=147.5 (67.99)、Mg^2+=15.71 (11.93)、Cl^-=7.562 (1.97)、SO_4^2-=292.5 (56.30)、HCO_3^-=274.5 (41.60)、HS^-=0.4164、陽イオン計=213.2 (10.83mval)、陰イオン計=575.0 (10.82mval)、遊離炭酸=528.0、硫化水素=3.774 <S46.10.18決定>


「文勝館」の外観

「文勝館」の小浴槽

「文勝館」の大浴槽(空)
 


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