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勤労感謝の日連休、「甲府・奈良田温泉めぐりの旅」、ホテル昭和に泊まった翌日は いよいよ山梨県早川町の最奥、奈良田の里にむかいます。早川町は初めてです。 めがねさん、すなっちさん、うつぼさんレポあり
R52を身延方面に南下、県道南アルプス公園線を右折。西に向かった後、再び北へ向きを 変えます。早川渓谷の紅葉は既に終盤でした。ますは平成17年8月にオープンした日帰り 温泉「西山温泉湯島の湯」を下見。足湯があったので、 お湯に触れてみたら硫黄の香りがかなりあってビックリ。この辺はいいお湯が出るんだな と直感しました。もしかしたら奈良田の里より湯島の湯の方が硫黄香は強かったかも 知れません。すぐ先の豪華な慶雲館とうらぶれた蓬莱館を過ぎ数キロで早川町最北かつ 最奥の集落・奈良田へ。R52から30km、1時間と遠いです。冬季行き止まりの開運隧道 (期間外も広河原までマイカー規制)まで行って引き返し再び奈良田へ。
最初、白根館での日帰り入浴13時以降1000円を目指すも、3連休最終日のせいか、臨時休業。 結局、最奥の奈良田ではどうしても入りたかったので奈良田の里温泉に入ることにします。 山奥に行くほどいい温泉があるような気がしますし…。
県道沿いの奈良田の里駐車場に止め、坂道を2〜3分歩いて登ると鄙びた奈良田の集落を 見下ろす高台に奈良田の里温泉があります。温泉施設そばには駐車場はないので車の乗り 入れはできません。温泉施設のさらに上には奈良田七不思議の御符水(ごふうすい)があるので、 ペットボトルに汲んでみます。その他、奈良王神社、白旗史朗山岳写真館などがあります。
奈良田の里の玄関の鮮やかな紅葉を眺め、名水を飲みながら、玄関脇の受付で500円を 払います。身障者・介護者共半額。白根館に日帰り入浴される方など食事をする場合は 「こんぼうす」という中の食堂で入浴券なしでも食事できます。奈良田にはここしか 食べる場所がなさそうなので、早川特産白鳳味噌の「ほうとう」800円(冬季限定、待ち 時間15分)をいただくことにします。確かに味噌がなかなかおいしかったですね。 食堂は狭いので席待ちの客が出る程。休憩所で食事も可能ですが、1500円(入浴料込)と べらぼうに高いので、余計食堂に集中しちゃうようです。何とかならないものか。 なお、500円入浴は1回しか入れないので、再入浴にはもう一度料金を払う必要があります。 休憩料金を払った人は何度でも入れるようです。
いよいよ浴室へ。受付を入って右手に入り、鍵の手で一旦外に出て、渡り廊下の階段を 上がります。さらに高台に「女帝の湯」と名付けられた浴室棟があります。女帝とは 孝謙天皇のことで758年5月に奈良田を訪れ、温泉に入浴され、病が良くなり、8年遷居 されたそうです。その温泉が奈良田の里温泉の泉源だそうですが、実際は30年前に掘削 して湧いたものなので、水脈が同じかどうかは微妙ですかね?脱衣籠やロッカーに服を 脱ぎ浴室へ。
浴室や浴槽全体が木造なのでいい雰囲気です。露天風呂はなく窓からは森林が見えるのみ。 木々の間から太陽の光が差込、幻想的です。公共温泉施設というと近代的なセンター系を 連想するのですが、ここはそんな施設と完全に一線を隠す、ロッジ風とうか山小屋風の造り でしょうか。このような公共施設は今までほとんどなかったと思いました。
温泉は左右に区切られ、左の浴槽から投入され、あふれたお湯が通路を流れ、右に投入され、 オーバーフローしています。遊亀温泉と同じ方式ですが、山梨に多いようですね。 関東のスーパー銭湯で上源泉浴槽+下循環浴槽という投入方式が似ていますが、 ひょっとしたら山梨の温泉でヒントを得たものかも知れませんね。しかし、山梨は雰囲気が 対極ですね。
肝心のお湯ですが、右手の下浴槽はかすかに白い湯花が浮遊するうっすら白っぽいお湯で 臭いは全くの無臭、肌がヌルっとし、かなりぬるめで長湯できます。左手の上浴槽は適温です。 秀逸なのは飲泉カップの置いてある投入湯。明瞭な硫黄臭があって、飲むとまろやかな硫黄 味が口に広がります。モール系の甲府と違ってこれだけ硫黄気があるといいアクセントに なります。湯の利用状況も加温・加水すべてなしの掛け流し、塩素臭もありません。 やはり奈良田まで行くとかなりいいお湯が湧くものですね。
南アルプスの向こう静岡市の赤石温泉白樺荘もこんな感じのお湯なんでしょうか? 今回、予定しながら遠過ぎて行けなかったのですが…。早川町からの林道井川雨畑線 も今年は通れなかったみたいだし。来年開通したら湯島の湯と共に行ってみたいですね。
温泉分析書(鉱泉分析試験による分析成績) 1.源泉名および湧出地:南巨摩郡早川町奈良田居平263番地(施設:奈良田486) 2.湧出地における調査および試験成績 (ロ)調査および試験年月日:昭和54年3月23日 (ハ)泉温:42℃(気温12.4℃)(チラシでは42.2℃) (ニ)湧出量:40L/分(自噴) (ホ)知覚的試験:無色澄明、カン味で硫化水素臭を有する。ガス発生あり。 (ヘ)pH値8.6(比色法) 3.試験室における試験成績 (ロ)分析終了年月日:昭和54年4月25日 (ハ)知覚的試験:無色澄明、ほとんど無臭 (ニ)密度:0.9999(20℃) (ホ)pH値:pH8.67(ガラス電極) (ヘ)蒸発残留物:1.348g/kg(115℃) 4.試料1kg中の成分 Na=512.3
K=8.9 アンモニウム=13.2 Mg=0.2 Ca=1.7 鉄2=0.1 陽計=536.4 F=4.6 Cl=571.6
HS=1.1 硫酸=2.0 炭酸水素=410.1 炭酸=12.4 陰計=1002 メタケイ酸=44.3
メタホウ酸=12.4 非解離計=56.7 溶存物質計=1.595g 遊離CO2=1.7 成分総計=1.597g Al=0.02
Mn=0.01 5.泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(アルカリ性低張性高温泉) 昭和54年4月26日 山梨県衛生公害研究所
※42.2℃の源泉を掛け流し、加温・加水等一切しておりません。(チラシより) ※1978(昭和53)年深度212メートル掘削(南アルプスNETより)
※圏央道開通記念 山梨@奈良田編(目次)
↓早川町のHP
http://6717.teacup.com/kumao/bbs?M=JU&JUR=http%3A%2F%2Fwww.town.hayakawa.yamanashi.jp%2FH-KANKO%2FNARADA%2Fnaradayu.html |
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