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長文で掲示板を独占気味にして申し訳ありません。今夜は自遊人パスポシリーズinみちのく 2発目、秋田県湯沢市の泥湯温泉「奥山旅館」をレポします。ここは5年ほど前にも 紅葉狩のついでに訪れていますが、時間がなく入浴ができなかったところです。 数年ぶりにリベンジとなりました。
感激の大曲の花火の後はJRで横手に戻り、鶴ヶ池公園で車中泊。翌朝は自遊人パスポート 三昧を目ざして岩手方面(夏油・鉛・八幡平)に行くか、湯沢方面(泥湯・小安峡・古川) に行くか多いに迷いましたが、自宅への長い帰りと岩手方面は再訪、湯沢方面は初入浴で あることを考え、後者に決めました。横手市内で朝食、湯沢市内で名水百選「力水」 (再訪)を汲んで、湯沢横手道路湯沢IC〜三関IC間の無料高速道路に乗ります。 三関ICで県道51号を栗駒方面に左折。三途川渓谷の橋を眺めたら、右折して川原毛大地獄へ。
★川原毛大湯滝(川原毛大地獄) 前回は川原毛大地獄上部、泥湯側から眺めていますが、今回は大湯滝に近い大地獄下部の 駐車場に行きます。まずは駐車場から下ること15分、川原毛大湯滝を目指します。
タオルを持って現地まで行ったら、失敗したと気付きました。水着を来た入浴客が数十人。 皆水着を着ていて、水着を持たなかった私はとても裸で入れる状況ではありません。 仕方ないので滝を眺めながら、足や腕だけ浸かってきました。あ〜、滝に打たれながら 入ってみたかった(-_-;)。横から登れば滝の中段あたりにも入れるんですね。入るには 水着を持っていくか、お盆を外した平日のシーズンオフ、朝夕しかないですね。 ただし夏以外は冷たくて入れないみたいですけど…。お湯は透明だったかな。なめると 強烈に酸っぱいです。しぶきが目に入るとしみます。またいつかリベンジを目指しましょう。
なお、駐車場大地獄側の川原にも2〜3ヶ所、露天風呂があって入浴客がいました。 かなり熱めですね。大湯滝は知床カムイワッカ似でしたが、大地獄はこの前訪れたばかり の立山地獄谷に似ています。恐山、立山と並ぶ「日本三大霊地」のうち2つを一気に 訪れてしまったわけです。 川原毛温泉の分析書が大湯滝入口のトイレの壁にありました。以下の通りです。
温泉の成分 ○成分 1.温泉名:川原毛温泉 2.泉質:酸性-含二酸化炭素・鉄(V)-塩化物泉 3.泉温:94.5℃ 4.温泉の主な成分(1kg中) pH1.41 蒸発残留物:2600mg H=39.1
Ca=166.8 Mg=142.9 鉄2=63.9 Cl=2108.0
硫酸=453.5 CO2=2428.0 5.分析年月日:平成15年6月3日 6.分析者:(株)秋田県分析化学センター ※主な成分のみ溶存物質計=2974、成分総計=5402
浴用適応症: きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、月経障害、高血圧症、動脈硬化症 飲用適応症:慢性消化器病、慢性便秘、貧血 湯沢市
★泥湯温泉「奥山旅館」 川原毛下駐車場から元の道を引き返し、県道51号を右折、木地山高原で県道310号を 秋ノ宮方面へ直進。5km位行くと蒸気の噴出をくぐりぬけると泥湯温泉に到着です。 奥山旅館を通り過ぎ県営駐車場に止めます。この駐車場付近では2年前の年末にガスに よる死亡事故が発生しており、湯沢市による立入禁止看板が航空写真で図示されています。 立入禁止場所へは絶対に入らないようにしましょう。
駐車場から県道を少し下ると道路両サイドに日帰り入浴できる露天風呂が2ヶ所あります。 二股の右手が鄙びた宿場ムードの奥山旅館(日帰り入浴不可)、真ん中が奥山旅館の土産物 売場です。土産物売場では泥湯で採れた泥状の湯の花の入ったペットボトル大(500ml)500円、 中300円で売ってました。粉状の湯の花はよくありますが、ドロドロしたものは初めて、 中は売切だったので、大を買います。ペットボトルがねずみ色に染まっています(写真)。 中は強烈な硫黄臭。お風呂に入れると灰色の濁りが強くなるので2〜3滴くらいしか入れ られません。
日帰り入浴の方はそのお土産物売場の店員に入浴料500円を払います。無断入浴は罰金 3倍だったかな?私は自遊人パスポートにハンコを押してもらいます。 売店を出て左側(山側)が「大露天風呂」。不老不死の水場のある右側(川側)が「天狗の湯」。 どっちを先に入ろうかと迷いましたが、天狗の湯は団体で激混みだったので大露天風呂から。
藁葺きの脱衣所で服を脱ぎ、露天風呂へ。バカデカイ青みがかった乳白色の湯と背後の 蒸気を上げる白い地獄の山が展開し、その開放感に歓声を上げそうになります。数年前まで 混浴だったらしいですが、今は壁ができて男女別になっています。壁には底に沈殿する 泥(湯花)で落書き?されています。しかし、落書きしようにも泥は意外とあまりありません。 常連客の話では昔は泥が厚く沈殿していたそうですが、今はきれいにして砂地になって しまったとのことです。それでも壁の下の女湯側には結構泥が積もってましたね。 ちょっと残念なような…。 お湯は背後の地獄からパイプで引かれ湯溜槽に溜めてから投入されています。別パイプ から水も投入され、丁度いい温度に冷まされています。川原毛大湯滝のような酸っぱ味は 一切なく硫黄の苦み、においは硫黄臭が強いです。分析書は新湯(しんゆ)となっています。
次に一旦服を着て道路を渡り、不老不死の水場の水を飲んで、天狗の湯へ。こちらは 共同浴場の湯小屋風です。内湯は男女別。露天風呂は混浴。内湯は木造正方形の小さな 湯舟でカランあり。露天風呂はやや高いところに山側と川原側2ヶ所に長方形の大きな 湯舟があります。
お湯は大露天風呂より濁りが薄いとのことで期待せず入ったのですが、湯の色を見て ビックリ。まさに泥色をした茶褐色。鉄分濃厚なため投入口や浴槽にわずかな析出が あります。においはサビ臭や硫黄臭、味は川原毛ほどではないですがやや酸っぱ味と苦み があります。予想以上に複雑なお湯のようで、私はこういう鉄分系の濃いお湯が大好きです。 温泉分析書は天狗の湯と新湯が掲げられていました。
ここの入浴客にも大曲の花火に行ったと自慢してた方がいました。秋田に親戚がいるそうで、 そのコネで桟敷を確保したとか。さすが大曲からもそんなに遠くないので、帰りに立ち寄る 人が多かったようです。
奥山旅館では大露天風呂の「新湯」、別館・天狗の湯の「天狗の湯」の他、休憩・宿泊客 専用の混浴内湯・岩風呂の「川の湯」、有料足湯の「目洗い湯」の4種類の源泉があります。 目洗い湯は足湯と県営駐車場の間の目洗い地蔵の足下で噴き出て、小さな湯溜まりとなって いました。透明で黄白色析出、硫黄臭と酸っぱ味がありましたね。パンフによると泉質は 天狗の湯:酸性-鉄(U)-硫酸塩泉 川の湯:硫黄泉 目洗い湯:酸性-含硫黄・アルミニウム-硫酸塩泉 新湯:単純泉 そのうち天狗の湯と新湯に入りましたが、その違いには驚きました。長野県八ヶ岳の本沢 温泉の内湯と露天のような違いですね。いつか泊まって川の湯にも入ってみたい。 温泉分析書は自遊人になぜか成分値なしの川の湯と天狗の湯のものがありますが、 宿泊専用の川の湯を掲示すること自体がちょっと変、新湯のもの自体もないので、 使えません。大露天風呂と天狗の湯脱衣書に掲示してあったものを以下の通り2種類併記 して掲示します。データは大露天風呂・新湯/天狗の湯・天狗の湯の順です。
第329/542号(1) 温泉分析書 1.申請者 住所:秋田県湯沢市高松字泥湯沢25 氏名:奥山●● 2.源泉名及びゆう出地 泥湯温泉(源泉名 新湯/天狗の湯) ゆう出地:秋田県湯沢市高松国有林3林班131/高松字泥湯沢8-8 3.ゆう出地における調査及び試験成績 イ
試験者:(財)秋田県分析化学センター ロ 試験年月日:平成7年9月5日/平成16年5月18日 ハ
泉温:74.0/67.5℃(調査時における気温:24.0/20℃) ニ ゆう出量:-/53L/分(自然ゆう出) ホ
知覚的試験:無色透明白色沈殿、微弱硫化水素臭があり、無味で弱酸性である。 /灰白色の沈殿、弱い亜硫酸臭と酸味があり酸性である。 ヘ
PH値:5.6/2.48 4.試験室における試験成績 イ 試験者:(財)秋田県分析化学センター ロ
試験年月日:平成7年9月11日/平成16年6月21日 ニ 密度:0.9983/0.9988(20℃/4℃) ホ
PH値:5.6/2.46 ヘ 蒸発残留物:100/1170mg/kg 5.1kg中の成分 H=-/3.3
Na=5.1/14.1 K=0.8/6.0 アンモニウム=-/2.0 Mg=1.4/5.5 Ca=7.5/11.8 Ba=0.1/-
Al=-/7.1 Mn=-/0.4 鉄2=0.2/50.1 陽計=15.1/100.3 F=0.1/0.2 Cl=3.2/5.0
チオ硫酸=0.5/0.3 硫酸水素=-/39.1 硫酸=17.0/351.3 硝酸=-/0.6 リン酸2水素=-/0.2
炭酸水素=16.0/- 陰計=36.8/396.7 メタケイ酸=31.3/403.4 硫酸=-/0.3 非解離計=31.3/403.7 遊離炭酸=39.1/352.4 溶存物質計=83.2/900.7 成分総計=122.3/1253.1 6.泉質:単純温泉(旧泉質名:単純温泉)/酸性-鉄(U)-硫酸塩泉 平成7年10月2日/平成16年6月23日 財団法人 秋田県分析化学センター 理事長/株式会社
秋田県分析化学センター 代表取締役社長
男女別大露天風呂 温泉法14条第1項の規定による掲示(平成17年5月24日改正分) ○加水:源泉温度が高いので気温の高い期間のみ加水しています。
天狗の湯・成分に影響を与える項目 ●加水の有無:有(理由:源泉の温度が高いので加水している) ●加温・循環利用・入浴剤等の添加・消毒処理の有無:無
※日本秘湯を守る会のHP ※トラベルログ「大曲の花火と温泉めぐり」とアルバム@川原毛・泥湯奥山
http://6717.teacup.com/kumao/bbs?M=JU&JUR=http%3A%2F%2Fwww5.ocn.ne.jp%2F%7Edoroyu-o%2F |
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