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日本一の炭酸泉・長湯温泉から約6km10分、大分県竹田市久住町の七里田温泉はその長湯をも
上回る“日本無類の炭酸泉”(by下湯共同浴場)として全国の温泉マニアに知られています。
私も七里田温泉の名前はNHK「ふだん着の温泉」を初め、多くの温泉ファンからその名前を目にし、
長年憧れていました。その七里田地区に唯一泊まれる「民宿みやま」があるとのことで、泊まって
みることにしました。
七里田温泉自体の歴史は大変古く弥生時代から古墳時代にまで遡り、当時の多数の住居後や
木の葉の化石がそれを物語っています。また鎌倉時代のお湯の守り本尊(六地蔵)が今も残って
いるそうです。江戸時代には岡城主が湯治に訪れ、湯守をおいて温泉の管理に当たらせていました。
明治以後は神の湯・御殿湯・上の湯・下の湯・新湯などの共同浴場が集まり、宿屋は岩屋・広瀬屋・
かじ屋・エビス屋・成安旅館の5軒、料理屋は4軒、その他、酒屋・理髪店・教会・学校など11軒
を数え賑やかな温泉場だったようです。昭和14年12月4日14戸を焼失する大火事で焼失、衰退。
(七里田温泉今昔物語・七里田温泉由来より)。今は平成10年4月23日オープンの久住町七里田温泉館
「木乃葉の湯」という日帰り温泉施設と近年までジモ専であった「下湯温泉共同浴場(ラムネの湯)」
があって、泊まれるのは民宿みやまの1軒のみです。他はごく普通の農村集落です。昔の繁栄ぶり
見てみたかったなあ…。
民宿みやまはGWの一週間くらい前でも空室があって予約できました。GWでも割増なし6600円
は激安で、ビックリ。宿の方も電話で埼玉から行くと聞いてビックリしていました。また、予約は
木乃葉の湯を通じてもみやまに紹介してくれるそうです。なお、みやまは不定期に休業すること
があって、まだ昨年夏頃から営業を再開したばかりのようです。
長湯温泉から県道30号を久住方面へ。ドイツ風飲泉所、桑畑湧水(炭酸泉でなく普通の水です。)
を横目に三船温泉「民宿城山」の手前を木乃葉の湯の看板に従い斜め右折。二車線で広くて新しい
農道を大船山に向って進みます。2kmくらい進むと終点は木乃葉の湯。さらに少し直進して、下湯
の標識に従い右折。橋を渡ると右手に民宿みやま別館(旧・大船荘)と駐車場、少し先の左手に
民宿みやま本館があります。路地の先は七里田集落の民家が軒を連ねています。本館の車庫にも
駐車場がありますが、2〜3台でいっぱい、別館前に3台くらいおけるので止めます。本館と別館
の間は道路を挟んで数十mしか離れていません。
※御希望の方は山登り道案内、バス停(JR豊肥本線豊後竹田駅下車、竹田交通バス久住経由
長湯温泉行きで40分、都野大久保病院前下車)までの送迎あり(バス停から徒歩15分)。
※大分市及び湯布院ICより1時間、やまなみハイウェイ瀬の本より30分、熊本市より1時間30分
本館の玄関で受付すると本館2階の客室に案内されます。この時、一人2回分300円の“みやま
入湯券”が渡されます。本館は6部屋くらいあって、ふすまで仕切られているだけです。GWのため
満室。本館が満室になると別館(旧・大船荘)の個室の方に案内されるようです。部屋は案外広くて
10畳くらい。割と規模の大きい民宿です。窓を開けると一面田んぼでカエルの合唱がうるさいくらい。
実にのどかですね。また本館前道路側から見える大船山など久住連山の眺めは特に夕方はかなり
雄大です。木乃葉の湯露天風呂からもこの景色は眺められます。歯ブラシ、浴衣は出ないので注意。
ふとん敷もセルフサービスです。
肝心の温泉ですが、300円(宿泊料6300円と別料金)のみやま入湯券(久住町七里田温泉組合発行)
で木乃葉の湯か下湯を2回分入ることができます。両方とも通常300円ですから、半額になると
いうことです。私は夜ゆっくりと下湯に入って、朝は景色の良い木乃葉の湯に入ることにしました。
後日投稿します。
なお、民宿みやま本館の道路越しには簡素な浴室棟がありますが、ポンプ故障のため現在使われ
ておりません。また、別館は当初は久住町営老人憩いの家「大船荘」でしたが、2001年5月に廃業し、
2002年に旅館として再オープン、透明な下湯とは違う木乃葉の湯のような茶褐色の濁り湯を使った
浴室があったようですが、現在は使われていないようです。ありし日の大船荘内湯のお湯について
は野口冬人著「とっておきの源泉湯治の旅」(実業之日本社)に記述があります。どうやら木乃葉
の湯オープンにより宿泊客・日帰客が減ってしまい、民宿みやまの別館となったようです。
厳密に言えばみやま専用の内湯はなく温泉宿ではありませんが、明治期の古き良き七里田温泉
は宿に内湯を持たず、外湯(共同浴場)に通ったらしいです。昔ながらの宿屋のスタイルに戻った
と言えましょう。
民宿みやまのスローガンは「安く泊まって焼肉食べ放題!」。夕食は自分で鉄板で肉を焼く、
焼肉食べ放題で宿の親爺さんや女将さんから盛んに焼肉のお代わりを薦められました。肉は豊後牛
とのウワサがあるのですが、不明。さすが激安で食べ放題となると質より量という感じであまり
肉質は良くなかったように記憶しております。でも食べ盛りの青年や若者には涙モノ出血大サービス
の特典だと思います。マラソン、サイクリングなど大学の体育会サークルや中高年の登山客などに
人気があるようです。他にもヤマメの塩焼・天ぷら・刺身・山菜小鉢・ポテトサラダなど8品付き
ました。朝は宿に年寄りがいた昔は大変な名物だったという漬物を中心とした食事。宿の親爺さん
と女将さんに近所の農家が手伝いながら作った素朴ながらおいしい食事でした。
夜9時まで下湯に小1時間入浴した後の民宿みやまは皆寝静まり、静寂そのもの。虫の鳴き声を
聞きながら床に付きます。朝は田んぼから登る雄大な朝日を眺めることができます。さわやかな
朝です。宿のパンフレットは配布しておらず、木乃葉の湯受付で宿のチラシのコピー配布、館内に
広告掲示、「月刊温泉博士」((有)マガジン倶楽部発行)に広告掲載があるそうです。
さて民宿みやまの宿泊レポはここまでにして七里田温泉や宿の親爺さんから教えていただいた
今水炭酸泉のレポといきますか…。
※私のアルバム「九州・大分の旅」@民宿みやま編11枚
民宿みやま
住所:大分県竹田市久住町大字有氏3908(地図)
TEL:0974-77-2916
1泊2食付6300円(税込)+入湯券300円=6600円
http://6717.teacup.com/kumao/bbs?M=JU&JUR=http%3A%2F%2Fwww006.upp.so-net.ne.jp%2Fmario%2Fkonoha%2Fsitayu.htm |
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