749−1.左翼的ジャーナリズムの本懐



左翼的ジャーナリズムの本懐         神楽坂紅梅   

こんばんは、左翼の神楽坂です。 
 保守系の方々と話をすると「マスコミはほとんど左翼だ、けしか
らん」とおっしゃるかたが多いわけです。まあ、事実そうかなと
左翼から見ていても思います。 
 しかし、私はそれでよしとしました。なぜならマスコミは反政府
・反宗教・反民族・反体制でなければいけないからです。権力や
モラルに随従するならマスコミの必要はないわけです。プロパガン
ダやミニコミでそれらは十分達成されていますから。 
 ですから、マスコミは常に世間が向いている方向に疑義を唱え、
一方向によりがちな頭に刺激を与える必要があるのです。 

 けれどもいくら民主国家とはいえ、これだけ国策に邪魔立てする
マスコミに対して国は甘いような気がしていました。 
 しかし、本当の狙いを最近気付いたのです。 

 USA(アメリカ合衆国)はついにビンラディン氏が同時多発テ
ロに関わっていた証拠のビデオを提示しました。 
 私がみた感想は正直胡散臭いなあと思ったわけです。これまでの
アルカイダの広報の画像より数段質が落ちる点。画像の質が落ちる
のはプライベートのビデオで撮ったものとして、なぜ犯行声明を出
さなかったビンラディン氏がこのようなビデオを撮影し残していた
のか、また内容も世界中の人が知っているような誰でも想像がつく
ような代物だったからです。 
 まさか世界中の政治家はあれをみてアフガン攻撃を是としたのか? 
 もっとびっくりしたのは、このビデオが公開されたときの米国民
の反応でした。みな、いきり立っていました。ビンラディン氏に怒
りを新たにしていました。誰も疑っていないのです。ぞっとしまし
た。 

 考えてみると米国のマスコミもかなり左翼的ジャーナリズムに
まみれています。 
 そのことが国民に与えるイメージは「国が嘘をついてもマスコミ
が真実を暴露する」というものではないでしょうか。 
 中国や北朝鮮、イラクの国民はマスコミを信用していないそうで
す。なぜならそれらが権力者のプロパガンダだと知っているからで
す。しかし、左翼的ジャーナリズムが根付いている国ではマスコミ
こそが信用できるものの立場にいたのです。 
 これこそが国家の狙いだったのではないでしょうか。 
 マスコミが権力の犬だと国民が知っていれば、国民は常に考えな
ければなりません。真実を自分の目と頭で探り出さなければなりま
せん。しかしマスコミがその役目を引き受ける、つまり左翼であっ
たとしたならば、国民は何も考えなくなってしまうのです。マスコ
ミが真実を探り出してくれるのだから、ただ信じればよいのです。 
 こうして細かい事では騒ぎ立てるのに、大政翼賛会的な社会風潮
を煽る役目をマスコミが果たしています。マスコミが弱腰なのでは
なくて、これこそが左翼的ジャーナリズムの本懐だったのでは、国
の狙いなのではと考えるのです。 
 日本はどうでしょう。かなり危うい。 
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Re:左翼的ジャーナリズムの本懐       辻本  

  神楽坂さん、はじめまして。貴論について疑問があります。 

> マスコミは反政府・反宗教・反民族・反体制でなければいけない
>からです。 

 マスコミが政府等から独立した存在だということでは賛成します
が、なぜ「反政府・反宗教・反民族・反体制」でなければならない
のか。これでは「何でも反対」を唱える天の邪鬼でしかありません。 

>考えてみると米国のマスコミもかなり左翼的ジャーナリズムにまみ
>れています。 
>そのことが国民に与えるイメージは「国が嘘をついてもマスコミが
>真実を暴露する」というものではないでしょうか。 

 アメリカのマスコミが左翼的とは初耳です。また左翼的マスコミ
は真実を暴露する、というような考え方は理解できません。 

>中国や北朝鮮、イラクの国民はマスコミを信用していないそうです
>。なぜならそれらが権力者のプロパガンダだと知っているからです。 

 中国やイラクのことは詳しくは存じません。しかし北朝鮮の国民
が自国のマスコミを信用していない、ということはありません。
この国の国民管理や情報統制は完璧で、国民は権力者のプロパガン
ダを素直にそのまま信じており、左翼国家として究極の存在です。
またそのマスコミは、世界中の反北朝鮮報道に対して果敢に闘う
左翼的ジャーナリズムです。 

>真実を自分の目と頭で探り出さなければなりません。しかしマスコ
>ミがその役目を引き受ける、つまり左翼であったとしたならば、
>国民は何も考えなくなってしまうのです。マスコミが真実を探り出
>してくれるのだから、ただ信じればよいのです。 

 マスコミは左翼だから真実を探り出す、国民はそれを信じてしま
う、という論理が分かりません。左翼だからこそ嘘を書くことが
多々あります。また右翼だからこそ真実を書くことも多々あります
。或いはまたその逆もあります。 
 私は、ジャーナリズムは左翼的であろうと右翼的であろうと、
あらゆる全ての体制等(米国や日本だけでなく、中国、北朝鮮など
も。また保守系組織だけでなく革新系組織なども)に対して批判的
精神を持つべきものと考えています 


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