733−2.石塚コラム



no.719-1対米追従主義についてのコメント
kishizuka

日本の不況は原因ではなく、結果だ。冷戦が終わって、90年代に入
り、世界の国際戦略とくにアメリカの対日戦略が「ガラリ」と変っ
たことに、日本は対応できなかった。

冷戦構造が崩壊したことにより、経済戦略も冷戦時代に防衛費の負
担が少なかった日本とドイツへの怨嗟の声(沖縄は別だろうが)が
アメリカ政策担当者に満ちており、ソ連がなくなり、防衛政策の転
換とともに対日外交基本政策が転換していることに日本は気が付か
なかった。

一方日本国内の勢力として厳父としての親米派と戦前のナショナリ
ズムじみた反米派しか国内に勢力を作ることがFさんの指摘どおり出
来なかった。

アジアの中心が日本から大中華経済圏にシフトしていく中で、反米
、親米という単純な構図で勢力を国内に作ってはだめだし、80年代
以前の「ビックブラザーとその弟」としてアメリカを捉えていくの
はだめで、今後は「右手で握手して、左手で殴る」関係として捕ら
えなければ駄目だと思う。
相手と利益が対立してきているときは、はっきりと反撃しなければ
駄目だが、それは「右手をはなさないで」つまり、アメリカを全面
的に敵に回さないような範囲で反撃することが重要だ。

今後の対米関係は白か黒かという漫画チックな捕らえ方ではなくて
、あくまで冷徹な打算に基づいて対米関係を考えていくべきだと思
う。
安全保障については、中国と組むのは難しいのだから、絶対にアメ
リカと組むしか今は選択がない。
大衆化した社会において、敵か味方かという単純な構図で勢力を
国内で作ってしまうのではなく、「必要なときは、殴りつけるが、
アメリカを絶対に敵に回してはいけない」という構図でとらえられ
る勢力を国内に拡大していけるかどうかはジャーナリズムの力に掛
かっていると思う。

民主主義は角栄が看破したように、「政治は数、数は力」の世界だ。
今までのアメリカとの付き合いでは駄目だし、単純に敵と捕らえる
のでもだめだ。この点は日本の「武士道」から大きく離れる発想が
必要だ。
絶対に安保は外さないで、経済戦に限定して、攻め込まれていると
きは猛然と反撃するように準備しなければ成らないと思う。

アメリカを厳父ととらえ、東芝の企業訴訟や、第二のトヨタ、ソニ
ーになるかも知れないNTTを儲からない体質にするための料金引き下
げに応じてしまう等と言うのでは人が良すぎる。

10年経てば日本は中国の覇権主義との衝突を覚悟していかなければ
ならないのだから、アメリカと中国という二つの敵を同時に作るよ
うな、国内勢力を作ってしまっては、戦前のアメリカ、イギリス、
中国、オランダのABCDを敵にした4正面作戦と同じになってしまう。

対米政策がイデオロギーのなってはだめだ、国益に基づいて国益に
似合うときは親米で、合わないときは全面的に敵にしない範囲で反
撃すべきだ。

それと教育を含め、今までの読み書きと記憶と知識偏重から、英語
とコンピュータ、ディベートに重点を移すべきだった。
今までの知識偏重とから報化への産業界を含めたシフトが全く準備
されてなかったことが情報産業への出遅れの原因と思う。
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no.715-1憲法改正は不可能ではへのコメント

kishizukaです。
現実問題として、憲法改正の手順として、国会の2/3が必要ですか
ら、改正は難しく、廃止なら過半数で多分大丈夫でしょうから、
石原と知事の廃止説が現実的だと思います。
9条は戦前の統帥権と丁度、逆の意味で、安全保障上の癌になって
いると思います。
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o.728-2読者の声

kishizuka
(F氏のコメント)
「現実の軍事力で、米国と対抗できる国は、世界にないですよ。
そのため、日本もある程度の対米協調外交をすることは仕方がない
と思います。観念論は国家戦略上、一番大きな害悪を流すことにな
る」
に私も賛成ですね。

安全保障については、日本は選択の余地がないと思います。
アメリカの力は現実面での軍事力、経済力、そして思想面では自由
人権という理想主義の力であると思います。

軍事力についてはたとえ日本が他国から攻められたときに朝鮮戦争
、ベトナム戦争、湾岸戦争規模の50万単位の兵員で全面的にアメリ
カが肩代わりして戦ってくれるかどうかというよりも、とりあえず
アメリカへの防衛は同盟を組んでいる間は考えなくて良いのですか
ら、それだけでも、日本にとって非常に利口な戦略だと思います。

例えば日米安保から日本が抜けたときに、アメリカへの防衛を考え
なくいいという前提で考えても、日本単独で、中国のICBMに対抗す
る為に核兵器とABM(或いはTMDか)あるいはICBMを日本で開発して
それを準じ更新していくコストは大変なものになると思います。
それに対米防衛コストも考えなくてはいけなければ、うんざりする
ほどに金が掛かります。
(日本の危機管理能力は改善されるでしょうが・・・)
中国の核戦略を日本はあっという間に押さえ込むだけの力は日本に
はあるのでしょうが、国民生活の改善につながらない軍備の競争は
結果がなんであれ、やはりむなしく私には感じられます。

対米の経済戦については、これは選択の余地があります。
例えばユーロが出来たのですから、これまでは最終的にはドルと組
むしかなかったのですが、これからはアメリカと合わなければユー
ロに行くよとと言えるわけです。
個人の金融資産は日本は約1200兆円で、世界の30%、アメリカは45
%、ユーロで15%ですから、金融面ではアメリカの1/3程度の相手
と組むという選択肢は出来たわけですから、アメリカが無理を言え
ば、日本はユーロにいくよと言えるわけです。

10年後を考えるならば、大中華経済圏の実力もついてくるわけで
これもある程度の選択肢にはなりえます。

いずれにせよ、F氏の指摘に賛成なのは、感情とか観念論とかイデ
オロギー化して外交を考えては合理的な判断は出来なくなります。
数字とか歴史に基づいて、或いは冷戦後経済においては日本を叩け
ば、アメリカが浮かび上がるというアメリカの戦略転換の構図を理
解したうえで、対米路線を考えるべきだと思います。

又、私の頭にあるのは、日英同盟を第一次世界大戦後自然廃止して
しまったあとの日本の末路です。日英同盟廃止後、満州事変、日中
戦争、大東亜戦争へと突っ込んでしまったことは日本が犯したミス
として、歴史的な事実として、忘れるべきでは有りません。
吉田茂曰く日米安保は戦後版の日英同盟なのだというのが、ことの
本質と思います。

冷戦後のアメリカとの外交は、「右手で握手して、左手で殴る」と
いう日本の武士道からはなれた戦略が必要だと思います。
逆に相手に左手で殴られたからといって、感情的になって、右手を
離してはいけません。
経済戦においては、相手を叩けば自分が浮かび上がるという構造を
理解する勢力を国内で形成していくことが、日本が戦前の大失敗を
繰り返さず、外交音痴から脱却していく必要な手段だと思います。
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no.725-1反護憲(非武装)論について
kishizuka

憲法改正論議ですが、前提の事実として、日本憲法は当時の甲乙の
松本案が余りにも保守的であったため、(46年2月1日毎日新聞がリ
ーク)GHQのアメリカの20代の若者中心に25人が46年の2月4日から
13日まで約9日で草案を書いたものです。

9日間で日本の文化を殆ど知らないようなアメリカ人が草案を書いた
憲法より、より良い能力が日本人にあると考えていいという趣旨で
前に憲法制定力という題名でも私も論文を書きました。

こういった事実を確認した上で議論をはじめて欲しいのです。
日本のマスコミの取材能力が落ちていて、自分で調べるのは面倒で
すが、出来るだけ自分で事実を確認した上で発言すべきです。

また、アメリカは当然日本は独立後にドイツと同じく憲法を改正す
ると考えていたようです。

こういった事実をしっかり認識した上でないとまた、「現在の活字
離れ」風の事実と違う世界に構築された妙な話が出たりミステリー
ゾーン風の論文が出てきたりして議論が収集できなくなり、国論を
二分するだけのエネルギーの浪費になります。
言論は自由ですが、議論をはじめる人は、単に国論を分裂収拾でき
なくするのではなくて、何らか歴史的に前進するよう結論を出せる
ように心がけて欲しいですね。
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(Fのコメント)
石塚さんの意見と私Fの意見は、ほとんど同じです。このような意
見が大勢になることが、日本の将来を明るくすると思います。
石塚さん、ありがとうございます。
そして、日本よ、もう少し外交では、ズルくなれ。でしょうね。
また、日本の現状は、言論構造の変化の時でもあろうと思う。


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