各位 2001-11-16 21世紀研究会 永田通 0月17日送信の日本再生『国家戦略その7』に続きまして、『国家戦 略その8―社会保障と安全網=施設』を送信申し上げます。 皆々様のご意見・ご感想・ご要望等々は、 ntt007@mcn.ne.jp までご一報賜りますと、幸いでございます。 ◯ 「日本再生」 『国家戦略』 その8 ★△ 社会保障と安全網=施設 △★ 1、公的年金(厚生・国民等)、公的医療保険(健保・国保等)、雇用 保険、これらはいずれも、経済が成長・人口が増大している、つま り、元気で右肩上がりの日本を前提にしている制度・仕組みであり ます。ところが、ゼロ成長・若年層の減少、多くの老人を少ない 青壮年が支えざるを得なくなりますと、かかる従来型システムの 維持は、基本的に極めて困難であります。 1-1、有識者・官僚・国会議員等の方々は智慧を絞り、様々な提案を されておりますが、結局、基本(前提)条件が変わり、今後とも長期 にわたり旧来の日本に復帰の可能性が殆どありませんので、抜本的 に発想を転換する必要があります。 1-2、全ての福祉・社会保障は補助金・支援金等含めて全廃し、本当 の生活弱者と精神的困窮者(自殺予備軍を含む)を支えるための、 医食住完全無料の「施設」へ一本化します。社会保障関連歳出の抜 本的効率化を図らないと、官の累積債務666兆円の財政危機を乗り切 る事は到底できません。 2、「施設」の概要は、次の通りであります。 2-1、日本国籍を有する人は誰でも、資産やこれまでの所得、個人的 事情に関係なく、施設で生活する事ができます。施設内での医食住 のサービスは一切無料となります。どんな場合(経済的窮乏・精神的 困窮)でも頼れる施設でないと、本当の安全網(セーフティネット)と なり得ません。 2-2、家族単位の個室を確保しますが、個々家族での炊事は止めます。 食事は食堂での共同となりますが、その種類は多くして、相当高い 水準の質を確保します。 2-3、特別高価なハイテク医療、過剰検査・不急医療、延命のみの末 期医療はありませんが、通常の検査・治療は確保します。 2-4、現金の支給は一切なしですが、従来からの所有家屋、金融資産 等はそのまま保持し、使用する事が可能です。 2-5、外出は自由ですが、外泊は事前届け制となります。外部で収入 を得る仕事に就く事は一切できません。 2-6、当面は、公団住宅・会社の寮等の転用と成りましょうが、今後 は質の向上を図り、「施設」に適した建物の建設となります。 2-7、運営は地域差を少なくするため、国営が適します。 2-8、人間は元気なら、何時までも施設で何もせずにブラブラしてい ては持ちません。暫くのカウンセリング期間を経て、適材適所、ボ ランティア的に(無給で)役割を分担してもらう事となります。 2-9、適当な有給の職業が見つかる、病気が治る、精神的安定が得ら れる等々に至れば、もちろん退所となります。 2-10、裕福な方の場合は、本人の自由意志で寄付を頂く事は大歓迎で あります。 2-11、真の安全網が確保されますと、老後の生活不安に備えて、ガツ ガツ貯蓄する必要性は大幅に減少します。どんどん消費して経済の 活性化に貢献して下さい。 3、従来型社会保障・福祉・住宅ローン関連の制度仕組みは、以下 の通りとなります。 3-1、公的年金(厚生・国民等)は、個々人の拠出金(掛金)残高を按分 計算し、所得とせず(税の対象外として)本人に返還します。これは 将来、赤字財政再建の障害除去の要(カナメ)の一つとなります。 3-2、公的医療保険(健保・国保等)は、無くなりますので、自費で医 者に診てもらう、民間の保険を活用する、「施設」に入所する、の いずれかとなります。不要不急医療・過剰検査の防止に貢献します。 3-3、総花的福祉や補助金・支援金は廃止となり、非効率な訪問介護 も無くなりますので、本当に困った人は「施設」を利用する事とな ります。 3-4、失業保険は廃止し、真の生活弱者には「施設」に入所してもら います。失業保険の給付期間延長や支給金額の増加等は、目先の痛 みを緩和するだけで、税収増や国富への貢献度は殆どなく、今後の 財政悪化を促進し、緊迫感の喪失と依頼心の増大を招くばかりであ ります。 3-5、生活保護制度(現金支給)も、当然無くなります。 3-6、高額過ぎる住居をローンで取得した人々の債務整理を、促進す るための制度・仕組み(自己破産〜民事再生準用)を整備し、実行し ます。居住者が「施設」に移動、金融機関の住宅ローン不良債権が 一時的に増加、の現象が発生しても、中長期的には、転職・転住促 進等で日本経済にプラスします。 3-7、いわゆるホームレスは、個々の事情を斟酌して、「施設」に入 所させるなり、元の家庭に帰すなり整理します。 4、「施設」入所者の生活と役割は、次の通りとなります。 4-1、「施設」は本当に困った人々のための安全網であり、国家が医 食住一切の費用負担をしますので、外部で収入を得る事は一切でき ません。何らかの収入を得ますと、有給の職業に就職したとの事由 で退所するか、得た収入の全額を当該「施設」に即時入金するか、 となります。 4-2、前項の違反は犯罪ではなく、「財政再建協力基金」(使用使途は 国債の元金返済)への強制寄付となります。支払った方も、受取った 方(施設入所者)も共にそれぞれ、初回で授受金額の2倍、2回目で4 倍、3回目で8倍、・・・と倍々に増加します。一定期間内に納付し ないと、結局、自害(名誉ある死)となります。 4-3、学齢期の子供は学校へ、心身の病気の人は治療に専念しますが 、健康な人々は、本人の希望と適性に応じて、男性は警備・治安・ 環境保全等、女性は子造り(出産)・子育て(保育)・看護介護・環境 保全等の役割を分担してもらいます。もちろん給与(賃金)はありま せん。 4-4、警備・治安・環境保全の例示をします。制服の着用が望ましく 、施設でタダ飯を食っているのでは無い、国家社会のためになって いるとの意識が肝要と思われます。 ◇新宿歌舞伎町のような繁華街では、雑居ビルの階段を頻繁に上下 して非常時の安全確保に貢献(消防への通報)します。―消防行政の 一翼を担います。 ◇道案内・落とし物管理・違法駐車の防止・放置自転車の整理・青 少年の非行化防止を担当します。―警察行政の肩代わりを担います 。身の危険が予見される場合は警察の協力を求めます。 ◇集団で海岸線をパトロールし、外国人の密入国・密貿易の監視と 通報、また海岸での事故防止を担当します。 ◇不法投棄を監視し、道路交通の流れと安全確保のためパトロール します。 ◇不審外人に対する監視と質問を可能にします。テロ・ゲリラへの 備えの下準備とします。 5、日本の経済状況が一層悪化し、失業者が蔓延、施設希望者が激 増してきた場合は、「施設」が関与して(入所者を派遣して)生産活 動に従事させないと、国家経済が成立しなくなるかも知れません。