619−2.米国のGDP構成と今後



米国の景気動向はいろいろな国や米国自身の政策に影響するため、
充分に見ておく必要があります。   Fより

米国GDPに占めるIT産業の規模は大きい。30%程度でしょう
か。どこまでをITというのかも含めて議論が必要です。??
このIT産業の設備増設が米国景気を押し上げていたのです。全体
の設備投資の実に60%も占めていたのですから。このIT産業の
バブルが弾け、IT産業の設備投資が大幅に縮小しているのです。

ニューエコノミーという在庫なしの経済は不景気がないと、米国の
経済学者は言っていたが、大外れ!!!経済学者は実体を見ないで
評論するから恐ろしい。このため、おお外れになることが多い。

実際は、在庫の山ができたことが分かった。EMSという製造請負
会社が多くの企業から製品製造の注文を貰い、それを中国やアジア
で製造している。この製造会社に企業は販売個数より多くの注文を
出し、そして、EMSは部品会社に過剰の注文を判明したのです。
このため、下流に行けば行くほど、過剰な注文が累積していたので
す。このため、日本の富士通やNECなどの部品メーカは急減速す
ることになったのです。

そして、このIT産業のGDPに占める割合が大きいため、米国の
経済は、日本の1990年初期と同じような状態にある。徐々に、
景気が下降する。しかし、株価はその下降ほどには下落しない。
経済状況もなだらかな下降をする。それは、まだこの10年間に儲
けた資金があるため、レイオフして縮小すれば、経営できるためで
、経営者は再度上昇すると思っているため、大量の解雇はまだして
いないはずです。しかし、1年もすると、だんだん体力がなくなり
、大幅なリストラを行う必要に出てくる。この時、再度景気は悪化
するでしょうね。

そのような状況になると、クリーンスパン議長も日本のバブル崩壊
後を勉強しているため、知っている。公式に表明はしていないが、
そのように感じていることが、議長の議会証言等で明確です。しか
し、多くの学者はまだ楽観的で、議長だけが悲観的な見方になって
いる。私は議長と同じで、悲観的です。それは、この10年の日本
を見ているためでしょうね。

そして、IT産業以外は空洞化しているため、大きな産業が米国に
ないので、どうしても行く道は、防衛産業、または防衛産業で貯め
た技術の民間製品への応用になる。インターネットも防衛技術の
民間移転ですから、この筋で米国は検討しているはず。この究極は
戦争をすることになるのですが、着々とイスラエルは戦争へ移行し
ている。これは米国の望む所でしょうね。

しかし、日本は米国ほどには空洞化していない。今の内であれば、
空洞化を防止できる。そのため、環境・省エネ・ロボット・遺伝子
ナノテクなどの最先端製品開発を政府は促進する必要があるのです
。民間活力増強をするべきで、特殊法人の大幅削減で浮いた資金を
回す必要があるのでしょうね。小泉政権は気が着いているので、
このコラムでは応援の意味で述べます。
==============================
景気減速傾向なお続く・米地区連銀経済報告 
 【ワシントン8日=藤井彰夫】米連邦準備理事会(FRB)が8
日発表した地区連銀経済報告では「6月から7月にかけての景気は
ほどんどの地域で減速か横ばいの状態が続いている」と指摘、米景
気の減速傾向がなお続いているとの認識を示した。消費財の値引き
販売にもかかわらず小売り売上高は全般に振るわず、製造業でもほ
ぼすべての業種、地域で業況が悪化しているとしている。一方、
住宅ローン金利の低下を映して住宅市場は堅調を維持している。 
 この報告はFRBの各地区連銀の経済状況の報告をまとめたもの
で、21日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策の議
論の参考にする。市場関係者の間では同日のFOMCでFRBは
追加利下げを決定するという見方が優勢になっている。報告による
と、景気減速を受けて労働需給は緩和が続いており、賃金上昇圧力
は弱まっている。エネルギー価格もほとんどの地域で下落した。
消費財の価格も全般に安定基調となっている。 


コラム目次に戻る
トップページに戻る