591−1.環境国際政治の動向



環境問題は、世界的な覇権の問題をも考える必要になっている。F

この環境問題を欧州は米国から覇権を奪う道具としているように、
感じる。日本も残念ながら、米国の追従と見えている。それと、
日本国内にも、反対派が居て、反対している。その大親分が経団連
である。しかし、米国企業は自主的に京都議定書を受け入れる方向
であるから、下手をすると、日本だけが悪者になる可能性がある。

日本企業は、だらしが無い。新しい技術を受け入れない勢力があり、
この人たちがガンになっている。いろいろな理由をつけて、受け入
れない。このような対応が日本の国際競争力を阻害している。

環境技術は現在、日本が一番進んでいる。蓄電池・太陽電池の技術
も最高レベルにある。太陽電池の設置台数も多い。なぜ、京都議定
書に反対するのか分からない???日本のチャンスと思うが!!!

京都議定書の途上国問題は、今後解決する必要がある。しかし、先
進国が始めないと、途上国は乗ってこない。また、途上国のCO2
が増加した場合、その国からの輸入を無原則で止めることができる
条項を追加するのはどうであろうか??
それも、京都議定書調印国家で決められることにする。
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日経さん、頑張る YS   

 これは米産業界の反乱ですね。 
小泉さんはしたたかにタイミングを見ているだけかもしれませんが
、少しでも遅れると大変なことになりますよ。 
京都会議を思い出してください。あのときゴアがきてひっくり返り
ました。同じことが起こるかもしれませんよ。 

米産業界、温暖化ガス自主的に削減・排出権市場など創設 
【ワシントン12日=安藤淳】米企業の間で、地球温暖化を引き起こ
す二酸化炭素(CO2)などの自主的な排出削減に乗り出す動きが
活発化している。エネルギー、製造業などの企業がグループを作り
、削減目標を決めて排出量の測定法や排出権取引の方法を研究、欧
州企業などとも組みながら低コストの対策作りをめざす。米政府は
排出規制に反対の立場だが、産業界は早期の対策着手に意欲的で、
官民の姿勢に差が出てきた。 
 ブッシュ米政権は産業界の負担や経済への打撃を避けるためとし
て、温暖化ガス削減目標を定めた温暖化防止・京都議定書からの離
脱を表明した。しかし、これは石油、石炭など政権と関係の深い
一部業界だけの意向を反映した決定だったとの批判も出ている。 

 とくに米メーカーなどの間では、新技術開発が遅れれば日欧など
との国際競争上、不利になるとの懸念が根強い。国際的に温暖化ガ
ス削減の流れが強まるなか、目標がはっきりしないと長期的な事業
計画が立てにくくなるとの事情も、自主的な取り組みが加速する背
景になっている。 

 デュポン、フォード・モーター、アイオワ農業事務局連盟など
米中西部の31社・団体は来年を目標に、温暖化ガス排出権市場「シ
カゴ・クライメート・エクスチェンジ」の創設準備に着手した。
参加企業などの総排出量は中西部合計の約2割に相当する。来年の総
排出量を1999年比2%少なくし、2003-05年に毎年同1%ずつ減らす。
2005年時点では99年比で5%減となる。 

 今後、各社の排出割り当てや共通の排出量測定法、報告方式、
削減目標を達成できない場合の罰則などを詰める。CO2の吸収増
につながる植林、風力発電の利用、農業廃棄物から発生するメタン
ガスなどの温暖化ガス処理量を削減量に読み替える仕組みも取り入
れ、削減技術の開発を促す。 

 米電力会社エンタジー、英BP、仏アルミメーカーのペシネーな
ど9社・団体は「気候行動パートナーシップ」を結成。業種や利用技
術が異なっても削減実績を比較できるようにし、将来の排出権取引
を容易にするための標準的な方法の研究などを始めた。米環境団体
エンバイロメンタル・ディフェンスがノウハウを提供し、国境・業
種を超えた協力を促すという。 

 一方、PSEGパワーなど電力8社が参加するクリーン・エナジー
・グループは発電所のCO2排出規制の法制化を提案。2012年に90年
水準まで排出量を減らそうと、電力各社が具体的な計画を作り始め
た。 

 京都議定書を支持する非営利の専門家組織ピュー地球気候変動セ
ンターでは、会員企業36社中、16社が自主的な削減目標を決めてい
る。 
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         抵抗勢力             YS
   
 2001年07月13日 
京都議定書 批准への抵抗勢力は誰だ(毎日) 
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200107/13-1.html 

『「聖域なき構造改革」を掲げ、抵抗勢力と闘う小泉首相が京都議
定書問題では優柔不断なのはなぜなのか。野党はもとより自民党内
にも早期批准の声が満ち、国会は早期批准を決議したのに、首相自
らが産業界とともに抵抗勢力になっているのは理解に苦しむ。』 

*確かに野党のみならず公明党も早期批准を早くから表明している
し、自民党内部でも批准賛成派が体勢を占めている。それにしても
毎日さん、タイトルどおりもっとはっきり書けばいいのに。 
抵抗勢力は日本の産業界の一部ですよ。またこの人のことを書かな
きゃいけない。ずばり今井敬経団連会長(新日本製鉄会長)と西室
泰三経団連副会長(東芝会長)を中心とするグループでしょ。

今井さんの見解はここで読むことができます。現在の日本政府の対
応のここからきています。 

地球温暖化問題に関する今井会長メッセージ 
http://www.keidanren.or.jp/japanese/speech/comment/2001/com0615.html

かっては今井さんも格好良かったのになあ。日経連との統合を前倒
すべきです。 
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温暖化問題へ冷静で粘り強い交渉を求める
  2001年6月15日 (社)経済団体連合会 会長 今井 敬
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 ブッシュ政権が6月11日に公表した温暖化への取組の中で、京都議
定書には致命的な欠陥があると述べたことを受け、わが国国内では
、EU各国とともに米国抜きでの議定書発効を目指すべきとの声が高
まっている。
 深刻化する地球温暖化問題に対し、6月下旬から予定されている
COP非公式環境閣僚会合、7月下旬のCOP6再開会合は、COP参加各国が
京都議定書の精神に立脚して、唯一の国際的枠組みとその達成手段
を合意できる正念場となる。今回の国際交渉において、再び先進国
が分裂する事態が生じれば、地球温暖化を有効に防止する手段を失
い、将来世代への責任を放棄することになる。
 以上の観点から、今もっとも求められていることは、まず先進国
間で、将来的には発展途上国も参加しうる、環境十全的な国際的枠
組みとその達成手段を合意し、1日も早くその発効を目指すことであ
る。必要とされるのは、冷静に交渉し、温暖化対策を着実に実施す
ることであり、政府、産業界、国民それぞれに以下の対応を強く求
めるものである。

1.日・米・欧が参加する国際的枠組みに向けた努力を続ける 
 世界のCO2排出量の約1/4を占める米国が参加しない地球温暖化対
策の枠組みは温暖化防止に実効性を持ち得ない。また、米国の不参
加は、途上国が将来の取組みを拒む論拠となる。日本政府には、
米国が参加し、実質的に効果のあがる国際的枠組みとなるよう、引
き続き努力を続けていただきたい。
 京都議定書には数値目標が定められる一方で、その達成手段が合
意できていない。日本政府は、EU各国に市場メカニズムの活用やシ
ンクの重要性を、米国には数値目標の必要性を強く訴え、環境十全
的で唯一の国際取極めの実現を図るべきである。

2.産業界は温暖化対策の手を緩めるべきでない 
 経団連としては、温暖化自主行動計画を策定し、これに基づいた
対策の実現を図るとともに、毎年フォローアップを行ってきている
。産業界は、国際交渉の進展に関わりなく、着実に自ら課した目標
の達成に向け努力を続けなければならない。最近増加が著しい民生
業務、運輸部門についても、業界の自主的努力によりCO2の発生増加
を抑制する必要がある。また、国際的排出量取引など市場メカニズ
ムを活用した温暖化防止対策には、一層前向きに取り組む用意があ
る。

3.国民には冷静な議論が必要 
 国民の一部には、米国抜きの京都議定書批准を求める動きがある
が、真に有効な地球温暖化対策を検討する上で十分なものとはなら
ない。6月下旬から始まる一連の国際会合は、これまでの長い国際交
渉の中で分水嶺となるものであり、交渉の実質的な成果をあげるこ
とが期待されている。日本政府が粘り強い交渉を続け、実質的な成
果を得られるまで、国民は冷静さを保ちながらも、熱い支援を送り
つづけることが求められる。拙速な政治決断を求めることは、有効
な温暖化対策の実現を不可能にし、地球環境の保全に逆行するもの
である。また、日々の生活様式を見つめなおし、温暖化対策に資す
る具体的な行動を起こすことが求められる。

以 上
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     京都プロトコル地図       得丸久文 

 国連環境計画が京都プロトコルの地図をWEB上で公開していま
す。 

京都プロトコルは、発展途上国の温暖化ガスの排出抑制を決めてい
ないのですね。世界の中で京都プロトコルに署名した国が面積で半
分もないことがわかります。 
人口比でも、中国とインドが加盟していないので、半分か3分の2
の人々が京都プロトコルと関係のない国の国民なわけですね。 
これも京都プロトコルの実効性を疑問視させる要因です。 
http://maps.grida.no/kyoto/ 
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                    玉吉
京都議定書の批准をアメリカが拒否した時はショックでした。でも
、いろいろ考えているうちに、こんな考え方もあるのではないかと
思うようになりました。断定的な書き方をしていますが、確信があ
るわけでもなく、根拠もそれほどありません。思いつきの域を出て
いませんが、参考にはなるかも知れません。
反論されても、たぶん太刀打ちできないと思います。

   ふるさとの星

 時は、西暦二〇五〇年。健康管理の甲斐あって九五歳まで長生き
した僕は、まだピンピンしていて、火星に移住している。
 火星ではテラリフォーミング・プロジェクトが着々と進み、小さ
な酸素ボンベを背中に背負って戸外を歩くことも可能になっている。

 大接近中の地球は、大気が薄いために瞬きもせず、中天に青白い
光を放っている。
 僕は、もぐり止めストッパー付きの望遠鏡の石突を、その乾燥し
た赤茶けた地面にズブリと深く差し込んだ。青い地球を、ファイン
ダーを使って望遠鏡の視野内に導き入れ、ややためらいながら覗き
込む。
 そこにはふるさとの星が、相変わらず青と白と褐色の絶妙のコン
トラストを見せている。温暖化のため居住可能な場所が極端に限ら
れてはいるが、それでも美しいものは美しい。年老いて涙もろくな
っている僕の目には、この美しさは酷だった。
 through a mist of tears, 
  a blue planet

 いつの日か、僕の子孫があのふるさとの星に戻ることがあるだろ
うか。

 ちょっとSF風に始めたが、こういう話がかなり現実味を帯びて
きた。火星への移住計画はアイデアとしてはかなり以前からあり、
「火星協会」という組織が活動しているのも知っていた。しかし月
曜日のNHKスペシャルを見て、僕の想像よりプロジェクトが進ん
でいるのを知って、ちょっと驚いた。

 そして、アメリカが京都議定書から離脱した理由が、ようやく分
かってきた。つまりアメリカは、「地球に見切りをつけた」のであ
る。
 小泉さんは、アメリカの参加を求めてあくまでも「ねばり強く交
渉」する気らしいが、ブッシュさんの気が変わることはないだろう
。アメリカと発展途上国が参加していない議定書なんて骨抜き以外
の何者でもない。
「議長国だから」という事情は分かるが、有名無実化した国際協定
にこれ以上エネルギーを費やすのは、はっきり言って無駄である。

 火星のテラリフォーミング ─地球以外の惑星の環境を地球のよ
うに改造すること─プロジェクトは、予想以上に本格化している。
ソ連というライバルがいない今では、アメリカの完全な独壇場であ
る。
 アメリカでは、スーパーコンピュータを駆使した温暖化予測が、
あらゆるパラメータを考慮して進められている。どんなにがんばっ
ても、温暖化はもはや避けられないことが、理論的に証明されたに
違いない。
 温暖化ガスの排出規制には非常な困難が伴う。大変な予算がかか
る。自動車産業や石油産業に対する負担が大きく、景気や経済全般
にもマイナスの影響が出る。その上、発展途上国は京都議定書に参
加していない。
 こんな議定書を批准しても、アメリカにとっては不利益が大きす
ぎ、また温暖化を抑制する効果は非常に小さいことは明白である。
 だったら、批准はやめておいて、国内経済を重視しつつ、地球温
暖化が進行した場合の対策を前向きに考えた方が得策だ、というの
がアメリカの本音だ。

 もちろんアメリカ抜きの議定書でも、日本とヨーロッパが一生懸
命やれば、温暖化の進行を多少遅らせる効果はある。でも、何年か
遅くなるだけで、たぶん地球が住めなくなるのは確実なのだ。
 だから日本も、アメリカとの協力体制を強化しつつ、宇宙関連の
技術開発に力を入れ、自前の飛行機やロケットをどんどん作り、
バイオテクノロジーにも優秀な人材をつぎ込んで、宇宙で農業をや
る方法を考えたらいい。
 元は地球と同じように水や大気を持っていた火星がなぜ現在のよ
うな不毛の惑星になってしまったのか、という問題は十分に調査す
る必要があるだろう。
 僕の予感では、答は案外シンプルだ。
 火星は元々地球とは兄弟星で、軌道も地球の近くを回っており、
太陽からの距離も近かった。それが地球と異常に接近した結果、遠
心力で外側に放り出された。それで気温が下がって、水や二酸化炭
素が全部凍ってしまい。大気がなくなったのだ。

 火星への移住者募集があれば、僕は真っ先に応募するだろう。
どんな場所でも住む自信がある。もちろん地球は懐かしいが、
 ─ふるさとは、遠くにありて想うもの─

 うるんだ目で眺めるのも悪くないだろう。
 そして何百年かして、また地球が住める星になったら、戻ってく
ればいいのだ。
玉吉
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[エネルギー・環境報道]<黒田 陽子>  GWR

(9) 新しい2つの環境保護の動き
 環境保護活動には様々な形態があるが、近年顕著な2つの新しい
動きについて新聞が取り上げている。1つは「エコ・テロリズム」
と呼ばれる環境保護過激派の動きだ。これは、一昨年頃から話題に
なり始めたものだが、1日付けニューヨーク・タイムズは最近の悪
質化について1面から伝えている。同記事によると、オレゴン州の
あるディーラーではスポーツユーティリティー車(SUV)30台が放火
され焼失するという事件が発生した。
同ディーラーでのSUV放火事件は過去9ヵ月間で2回目だという。同
州では木材運送用トラックが放火される被害も6月にあったばかり
。ワシントン州でも遺伝子組み換え作物を研究・実験している大学
や民間企業の付属研究所で研究プロジェクトが破壊される事件が発
生。遺伝子組み換え種子を利用してゴルフ場用芝生を開発・研究し
ていたある研究所の被害総額は50万ドルに上るといわれる。
 これらの破損事件は最近増えている環境保護過激派の犯行とされ
、連邦捜査局(FBI)が捜査にあたっているが、まだ犯人は逮捕され
ていないという。現在、被害は上記2州など西海岸北西部州に集中
しているが、全米に広がる可能性は十分あると同紙は伝えている。
 一方、8日付けボストン・グローブが伝えるのは宗教団体におけ
る環境保護意識の高まりだ。アメリカにおいて宗教団体は社会的・
政治的に強力な影響力を持つが、伝統的には政治的保守に属し、
環境保護派が属するリベラル派とは対極的な立場にあった。しかし
ここ十数年でキリスト教プロテスタント派、カトリック、ユダヤ教
と宗派を問わず、環境保護を「人類の責任」「社会正義」として訴
える団体が出てきたという。特に歴史的転機と言われるのは「生態
系危機:共通の責任」という、ローマ法王2世が1989年に出した声
明。最近では、アトランタで行なわれたカトリック司祭全米大会で
地球温暖化への対応措置を政府に求める決議文が出された。
また環境保護局(EPA)のホイットマン局長も3月にブッシュ大統領
に地球温暖化に積極的措置を取るよう求めた時、内部メモに「宗教
界も本件に関与しつつある」と書き、宗教団体への配慮も促してい
たという。
 「過激派の動きは、環境保護派のイメージを悪くする」として、
伝統的な環境保護団体からあまり歓迎されていないが、これら2つ
の新しい動きは、環境保護活動の裾野が確実に広がっていることを
伺わせる。


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