582.ミサイル防衛がアメリカにもたらす利益とは?



                        JR南日本 
 こんにちは。私は、安全保障問題を専攻している大学生です。 

現在ブッシュ政権が強力に推進しているミサイル防衛計画(NMD
およびTMD)について、みなさんのご意見を伺いたいと思います。 
ミサイル防衛に関しては、既に何本か論文を読んだのですが、以下
の疑問点に対する明確な回答を、これらの論文からは得ることが出
来ませんでした。そこで、みなさんから幅広い情報・ご意見を頂戴し
たいと考えた次第です。 

現時点においてミサイル防衛は、 
 開発・運用費用が高いこと 
 技術的実現性が低いこと 
 その配備が世界の核抑止バランスを崩すこと 
 たとえ配備が実現したとしても、(核弾頭の複数弾頭化などの)
  対抗措置により、その効果が失われてしまう 

などの理由から、中国・ロシアは当然のこととしてヨーロッパ諸国
からさえも、ミサイル防衛に対する疑問や反対の声が挙がっていま
す。しかし米国ブッシュ政権は、ミサイル防衛に関してこれら多数の
否定的な要素が存在するにも関わらず、ミサイル防衛を実現させよ
うと躍起になっています。 
これ程までにブッシュ政権をミサイル防衛実現へと駆り立てる理由
・要因とは、一体何なのでしょうか?ミサイル防衛を実現させるこ
とで叶うアメリカの国益とは、一体何なのでしょうか? 

詳しい事情をご存知の方、また独自のお考えをお持ちの方がいらっ
しゃいましたら、ぜひお聞かせ下さい。よろしくお願いします。 
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(ふる@鶴川さんのコメント)
> 現時点においてミサイル防衛は、 
> 
>  開発・運用費用が高いこと 
>  技術的実現性が低いこと 
>  その配備が世界の核抑止バランスを崩すこと 
>  たとえ配備が実現したとしても、(核弾頭の複数弾頭化などの)
> 対抗措置により、その効果が失われてしまう 

 レーガン大統領のSDIの時も同じ様に言われましたが、結局、
この計画のおかげで、ソビエトは対抗できず破綻しました。同じ手
法でしょう。 

つまり、軍事面での必要性と経済力と技術力での、ライバルの蹴落
としです。
(1) ミサイル技術の発展と拡散により、ロシア以外のミサイルが米
本土に届くようになり、米国が本土のミサイル防衛を本気で考えざ
るをえなくなった。 
 同時に、米海軍の誇る圧倒的な攻撃力を有する空母部隊も、ミサ
イル攻撃に脆弱となり、軍事的な優位が損なわれる虞が生じている。 

(2) ソ連にとどめを刺した、レーガン大統領の対ソ戦略のSDI(
戦略防衛構想)と同じように、仮想敵国である中国を軍拡競争に巻
き込み、経済を疲弊させ軍縮のテーブルにつかせる。 
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(Fのコメント)
このミサイル防衛の議論は、非常におかしいのです。
もし、戦術的に意味がないのであるため、ロシア・中国は反対する
必要がないはずです。無意味なことで、米国がその国力を消耗する
のは、歓迎しべきことなはずでしょう。このように大反対すること
はおかしい。
中国・ロシアの反対は、このミサイル防衛に対して、それの対抗的
なミサイルもしくは、戦略的な変更に追い込まれることになると、
感じているためであろうと想像できる。

欧州の反対は、ロシアとの協調と米国との戦いを行うための政治的
取引材料として考えているためで、ロシアのような反応とは違う。

核バランスを崩すとは、無意味とは相反した概念であり、矛盾して
いる。戦争は大いなるムダであるから、経済性・開発費は米国とロ
シア・中国など覇権国や覇権挑戦国が考えることです。覇権維持費。

しかし、私もミサイル防衛の研究費をレーザ・ビーム兵器の開発費
に回すことを主張しています。対ミサイル・ミサイルの命中度は、
非常に低いためです。


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