492−1.日本の政治と経済



もっと詳しく
トミーです。
国の財政が終末的な状況だということはなんとか理解できます。
国民の持っている「世界一」だといわれた貯蓄を、政府が勝手に使
っていることもわかったつもりになっています。
 しかし、誰かに説明しようとした時に、うまく説明できないとい
う人は多いように思います。新聞などでの解説が不十分だとここで
も書かれていますが、、、、。
 どうでしょう。 日本一わかりやすい解説をこの欄でやっていた
だけませんか。ながくても結構です。わかりやすい、そして周囲の
人に伝えていくことが出来るような、解説をお願いいたします。
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(Fのコメント)
郵便貯金で国民が預けた預金は、預金管理は郵政省(今は総務省)
が行い、その運用は財務省が財政投融資として、特殊法人や政府関
与の海外貸し出しや、日本の株買取機構、米国国債などに投資して
いるのです。

この内、特殊法人向けの貸し出し総額は、300兆円程度だと、考
えられる。この詳細は「特殊法人は国を潰す気か」千葉仁志 小学
館文庫がいい。そして、この特殊法人が国鉄清算事業団と同様な状
態になっているのです。国鉄清算事業団の話は最後にある。これは、
日本国の研究 編集長 猪瀬直樹から転載したが、だいたい同じよ
うな状態にどの特殊法人はなっている。この内、今までに経営破た
んを報道されたのは、林野庁、本四架橋公団、石油公団、住都公団
などである。

その他、中小企業貸付も焦げ付きが出ているようだ。銀行が倒産す
る可能性が大きいため、融資を拒否した企業に政府が貸したが、
その結果は、やはりというもののようだ。

ODAではない海外貸し出しの部分も、投資が焦げ付いているよう
です。多くの国は、返す気がないのですからどうしようもない。

このような財政投融資を国会議員も利用して、その選挙民に融資し
ていたのですが、議員の口利きを最初に利用したのは、田中元首相
であったことは有名です。このように50年間が過ぎてみると、無
責任な体質で運用されたために、大きな穴が空いていることが判明
したのです。この額が郵便貯金のほとんどであるとなると、問題が
大きいのです。そして、郵便貯金が解約されると、運用している米
国国債を売却する必要がでてきます。このため、米国は、今米国国
債の売却をされたくないので、日本の構造改革を叫ぶのです。
しかし、今円安なので、国債を売却して円に戻すと25%程度の為
替益が出るので、実施するべきだと思うが???

そして、国鉄清算事業団の処理のように、今後は、一般会計からこ
の資金を返すことになるのです。林野庁の事業も一般会計から返却
することになるようですから。300兆円が一般会計から返却とな
ると、財政負担も大変になり、その埋め合わせで、赤字国債の発行
が増額されることになります。よって、特殊法人以外の返済資金も
含めた600兆円と国債・地方債の600兆円の合わせて1200
兆円程度が国家財政の赤字になり、世界的にも突出した赤字になる
のです。国家予算は高々80兆円なのですから。

この内、財政投融資の600兆円は、政府が内容を公開しないので
、これより以下の可能性もあるが、300兆円以上のはず。まあ、
あまり数に拘らずに、巨額な額になっていると考えてほしい。
300兆円としても、都合1000兆円ですから。

この解決は、インフレしかないようです。国民に増税をお願いでき
るような雰囲気ではないし、もしそのような施策を打つと、その政
権は、選挙時負けることになる。このため、国債買取を日銀が行い
、お札の発行をジャンジャンする選択になるのです。

このインフレになると、借金の返済が楽になり、かつ増税になるの
です。皆さんの給与は、インフレにより増額するからですが、この
影響を受けるのは、退職した老人たちで、この人たちの生活費の
ほとんどは、過去の蓄積ですから、インフレにより減額になるので
す。

しかし、このままの日本の構造で、インフレ政策にされるのは、
あまりにも、国民をバカにしている。この日本の構造を改革して、
かつ、情報を公開して、議論するべきでしょうね。首相になったら、
橋本さんお願いしますね。この議論を。
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ある政治家へ送ったメールです。
3月19日の日銀の政策発表に引き続き、4月6日に新経済政策が
発表されようとしています。
しかし、マスコミの報道では、不良債権の整理、財政再建が先行し
ているような印象が強く、国民の間には景気回復策に対して懐疑的
な見方が大勢を占めているように感じられます。
本当に景気回復させるためには、国民の中に蔓延しているデフレマ
インドを払拭させることが大切なことであると思っています。
国民の大多数は、国の政策の大変換についてほとんど理解しており
ません。
「失われた十年」という表現にも示されるように、ながく不景気な
状態が続くと政治に対する信頼が失われ、国民のあいだに守りの
姿勢が堅くこびり付いています。
本当に景気回復させるためには、国民の消費性向を高めさせること
です。
国が本当に政策が大変換したということと、お金を使ってもまた
お金が入ってくるという安心感を、国民1人1人に理解させないと
絶対に消費が回復しません。

そのために
@失政がデフレを発生させてしまったことを、真摯に国民に詫びる
ことです。これなくしては、絶対に政治の信頼を回復させることは
出来ません。
 国民は、自民党以外に政権担当能力のある政党はないと思ってい
ます。しかし、責任を回避するような発言などをすれば、国民は完
全に自民党に  背を向けることになるでしょう。

 この国民の信頼を回復させる能力のある人は、***先生をおいて
ほかないと思っています。先生のお骨折りをお願いします。

A国民は、ある意味で無知な側面をもっています。
 国の政策が本当に変わったことを国民に知らせるための「日本経
済復興祭」が絶対的に必要です。
 ナチスドイツが宣伝相ゲッペルスをおき、ソ連がプロパガンダ映
画を作ったように、国民に、繰り返し、繰り返し宣伝することが大
事なことです。

デフレがここまで浸透すると、インフレ政策しか解決方法がありま
せん。
インフレ政策は、ヘッジファンドの玩具にされてハイパーインフレ
―ションを引き起こす危険な政策です。しかし、「あつもににこり
てなますをふく」ようななまぬるいこともできません。超法規的な
対策も含めた大英断が迫られているような気がします。

戦争をしないで、デフレを解消するという歴史的な大勝負をできる
腹のすわった政治家は***先生をおいてほかありません。
先生の御健闘をお願いします。
tanaka
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「消えた国鉄に『隠し財産』一兆円のカラクリ」
日本国の研究 編集長 猪瀬直樹  2001年03月30日発行 第12号

「国鉄清算事業団が、日比谷通りに面した一等地のビルでまるまる
四フロアも占拠しているなんて」
 読者からそんなEメールが入った。
 国鉄清算事業団は九八年十月に解散したはずなのに……。手元に
ある特殊法人総覧(平成12年版)を開いたが、たしかに国鉄清算事
業団は存在しない。

 メールはこうつづいている。
「あそこのビルの賃貸料は一フロアが一千万円ぐらいではないか」
 日比谷通りのビルに出向いた。看板には特殊法人日本鉄道建設公
団(鉄建公団)の国鉄清算事業本部とある。オフィスはそのままで
鉄建公団に形式的に吸収されていたのだ。最近まで五フロア借りて
いて、いまは四フロアに縮小していた。それでも確認すると家賃の
年額は約五億円である。ペンペン草の生えた旧国鉄の未売却地にバ
ラックでも建てたらどうか。そんな感想を抱きながら調査をつづけ
ると驚くべき事実が浮き彫りになった。
         *
 国鉄は昭和六十二年(87年)四月からJR各社に分割民営化され
た。彼らの世界ではこの起点を六二四(ろくにいよん)と呼ぶ習わ
しになっている。
 六二四の際、国鉄債務は三十七兆一千億円の巨額に達していた。
民営化して出発するJR各社の背中を軽くするため、うち二十五兆
五千億円の債務を国鉄清算事業団をつくって引き継がせた。JR各
社が返済するのは五兆九千億円のみ、残りの五兆七千億円は新幹線
保有機構という特殊法人を誕生させて負担させた。

 国鉄清算事業団はこのとき、九八年(平成10年)三月末までに
清算業務を終える、とされていた。JR各社の株式、旧国鉄用地な
どの財産を売却して二十五兆五千億円の債務を帳消しにするはずだ
った。汐留など都心の一等地を含む土地資産は当初七兆七千億円と
みられていたが折からのバブルで地価が高騰、時価総額三十兆円と
も見積もられた。ここがチャンスだった。ところが国土庁などが「
地価高騰の呼び水になる」と反対し、政治決断で延期された。供給
を増やせば下がるのが市場法則なのにおかしな結論であった。あと
は読者が承知しているが、地価は大幅下落し叩き売り同然で人手に
渡った。秋葉原や大阪市に多少値段がつくものが残っていても、残
りは山間地や過疎地ばかりで資産価値はほとんどない。

 結局、六二四時点の二十五兆五千億円の債務は減るどころか、
有利子負債の金利が雪だるま式に膨らんで、土地や株式のかなりの
部分を売却したにもかかわらず、約束の九八年三月末時点では逆に
二十八兆三千億円と増えていたのである。国民一人当たり二十万円
の負担になると新聞が騒いだが、もうすっかり記憶から消え去った
。半年後の九八年十月、二十八兆三千億円の債務は一般会計に流し
込まれ、年額四千億円の元本の返済とほぼそれと同額の利子の支払
いを六十年間にわたってつづける破目に陥った。

 さて残るは四兆一千億円である。これは旧職員たちの年金等の
負担金分。清算事業団はこれを受け継いで鉄建公団に吸収され、高
い家賃の日比谷通りのビルに居住しているわけだ。しかし、話はこ
れで終わらない。

○運輸施設整備公団の怪●
 日比谷公園脇の飯野ビルといえば旧長銀の隣に古くから存在する
細長い建物として知られている。一等地ビルの三階、四階の各二分
の一を占めている特殊法人がある。家賃は年額二・五億円。名称は
運輸施設整備事業団。何者か?

 もともとは新幹線保有機構が鉄道整備基金となり、その後、行政
改革で船舶整備公団と合併した。ただくっついただけ、特殊法人が
ひとつ減りました、というやつである。だから収支は鉄道勘定と船
舶勘定と二つに分かれている。その鉄道勘定の「損益計算書」に注
目した。なんと収入が一兆一千億円もある。
補助金という名の税金が一千三百億円も入っているのも凄いが、柱
となっているのは年額七千億円にものぼる「新幹線譲渡収入」とい
う科目なのだ。

 民間から税金を吸い取りながら官僚機構がどんなふうに奇怪な知
能を有しながら周縁に向けて無責任に自己増殖していくか、その最
も端的なケーススタディと断定してよい。無から有を生じるような
打ち出の小槌の謎を解こう。

 六二四の時点で新幹線保有機構が五兆七千億円の負債を引き継い
だ、と冒頭で述べた。JR各社は新幹線保有機構から新幹線を借り
て運営し、その代わりにリース料を払う。そのリース料で新幹線と
いう資産を持つ新幹線保有機構は自分の負債を減らしていく。とこ
ろが九一年(平成3年)にJR各社はリースでなく新幹線保有機構
に対して新幹線設備を譲渡してくれ、と要求した。なぜならバブル
で商売繁盛のJR各社は、新幹線設備を借金まるごと含めて買って
しまったほうが期末に減価償却できるから好都合なのだ。

 すると新幹線保有機構側は、自分の資産を時価で売ると言い出し
た。その結果、新幹線保有機構は一兆一千億円の余剰利益を得た。
新幹線設備を売ってしまった新幹線保有機構は、保有していないの
だから名称を変えざるを得ない。そこで鉄道整備基金という名の特
殊法人になった。

 そして一兆一千億円の巨額の自前のファンドをもとに、整備新幹
線やら都市鉄道(例えば常磐新線)やらへの助成という名目でファ
イナンス業務をはじめた。その内訳を書き込んでいくときりがない
ので説明はこのあたりに留よう。
国鉄の大借金の返済を税金であてさせておいて、行革も誤魔化して
、運輸施設整備事業団と立派な名称に変身した。焼け太りとはこの
ことだ。

 運輸施設整備事業団で訊ねた。
「ここに新聞記者が来ましたか」「いいえ、一人も」

 かくして世間に知られずに化物が蠢いている。ちなみに理事長は
天下りで、元海上保安庁長官である。
               (週刊文春 2001年2月8日号)


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