450−2.日本の地政学2



前回に続き、日本の地政学を考えたいと思う。まずは地政学の歴史
を見る必要があるのでしゅうね。Fより

地政学を最初に言い出したのは、スウエーデンの地理学者のルドル
フ・チェレーンです。が、有名にしたのは、英国のマッキンダーで、
ハートランドを制する者はリムランドを制する。ということを言っ
た。ハートランドとは、ユーラシア大陸の内陸部こと。そして、そ
の後ドイツのハウスホーファーが国民生活圏を主張して、ナチスに
影響を与えた。日本の大東亜共栄圏も、この人の影響でしょう。
そして、米国のマハンの海軍戦略が、現在は有名である。シー・パ
ワーの発展により、世界制覇が可能だといった。このマハン戦略が
今の米国戦略の基本である。「From The Sea」戦略に
なっている。
マハンはリムランドからハートランドへ覇権は進行すると言ったの
である。今では、軍事理論として有名であるが、CSISが、軍事
政策学を言ってからは、様相が変化している。それは、米国の覇権
維持をどうするかを議論している。
このコラムでも、軍事政策学を述べている。それを参考してほしい。
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kako/csis.htm

軍事拠点を確保しそこに重量が嵩む戦車などを置いておく。そして、
この周辺で軍事的問題が起きたたら、本国から緊急展開部隊を航空機
で送る。そして、現地にある戦車に乗り、敵と戦う。このため、
展開時間が最短で済む。日本などは、本国に兵を置くより、安い
ため、なるべく大量の兵員を置く。そして、世界各地に異常があれ
ば、日本にいる部隊を使用する。日本のために兵員を駐留している
わけではない。コスト計算上有利であるから、日本に駐留している
のです。ここも、評論家は言及しない所です。

これができるようになったのは、航空機が発達して、人員の展開が
米国本土からサウジまで15時間程度であるためなのです。しかし
、船では米国からサウジまで15日以上必要になるため、重量があ
る戦車等の展開には時間を必要した。この問題を解決するために
米国の国益上重要と思う地点に軍事拠点に置くことにより、展開時
間を無くして解決したのです。その軍事基地は、米国は日本とサウ
ジに集約している。日本はアジアの要になっている。ヨーロッパか
らは米国軍は撤退している。ドイツに22万人いた米軍は、数万人
規模になっている。サウジは石油権益保護のためである。米国の国益
上必要であるが、日本、サウジ、米国は飛行機で12時間程度と、
等距離にあることは知る必要がある。

 単純なシーパワーではないことを知るべきである。空・海・陸の
いい部分を利用することで、米国の戦略は成り立っている。
そして、米国の基本は少コストで国益を守ることである。特にパウ
エル国務長官としての現実主義はこの線にある。米国については、
別のコラムで見ることとして、ここでは触れない。

そういう米国の地政学に対して、日本はどうするかでしょう??
米国の興味は、軍事的な世界制覇、覇権維持でしょうね。それに、
軍事的に対抗するのは、日本の地政学としては、最悪になるでしょ
うから、どう米国の隙間を埋めるかを軍事的には考え、経済的側面
から、米国の世界支配を支える必要があるのでしょう。そして、
被支配民族の開放を促進して、よりよい平和を築き、日本のシーラ
インを確保することであると思う。勿論、米国とも交渉はする必要
があるが??

シーラインとして、重要なのが石油ルートであり、この航海を邪魔
するものは排除する必要があるし、そのような目を事前に知る努力
が必要である。そうすると、インドとインドネシアがキーになるこ
とが、地図をみれば分かるのです。石油地域のシーラインは米英2
ケ国に任せるしかない。石油を握られているため、仏国は原子力発
電に傾斜しているのですから、国家戦略的には米英2ケ国支配に対
抗できるのです。しかし、一方では、独仏2ケ国は天然ガスをロシ
アに依存しているため、ロシアの言い分を無視できない状況になっ
ている。

エネルギーをどこに依存するかは、国家戦略上、重要なキーになる
のです。日本のエネルギー政策もこの面からの検討が必要です。
その基本は自国のエネルギーにすることが安全保障上重要なのでし
ょうね。すると、日本のエネルギーはどうするべきなのでしょうか。

水力発電は、開発する場所がない。風力発電がいいでしょうが、
その安定性に問題がある。原子力発電もそのウランが日本にはない。
高速増殖炉も実用化は難しく、ほとんどギブアップ状況になってい
る。太陽光発電も、効率がUPしない。これらの解決は、技術開発
しかないのです。エネルギーと食料と情報を制する者が、経済覇権
を握ることになるのです。これは倉前さんの考えでした。この日本
は経済覇権を目指すしかないのではないでしょうか??

日本国民は、米国や中国から情報操作されているマスコミからの
情報を信用せずに、このコラムからの情報を信用した方がいいでし
ょうね。後は、食料問題です。次回は、情報、食料戦略に焦点を当
てて、検討しましょう。
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賛成です。
日本は、歴史的に島国故、また被侵略経験がないため、諸外国に比
べ、明らかに地政学が未熟である。
私は、基本的に、日本が国際戦略において、多くの知識人が何ら明
確に方針がもてないのは、この島国と神風によるものと考えており
ました。
私も、故倉持教授の「悪の論理」などにより、多少かじっているの
ですが、やはり、自ら、戦略をたてれるほどに習熟してはおりませ
ん。
インターネットは確かに、地政学の地位を越えてくるものですが、
如何せんまだ、その段階まで来ていないのは、明白。
イラクへの空爆を見ればそれは明かです。
できれば、Fさん、地政学を理解し、ここに集う人々が自ら戦略を
もてるほどにできればと思います。
ということで、何か、参考文献を頂ければと。

CAOS
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(Fのコメント)
参考文献としては、「地政学入門」曽村保信著 中公新書、
「悪の論理」「新悪の論理」「悪の戦争学」倉前盛通著 日本工業
新聞と太陽企画出版
シーパワーについては、次のHPが詳しい。
http://lib1.nippon-foundation.or.jp/1997/0560/mokuji.htm


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