450−1.拡大日本戦略試論 (序論)



ken

Yutaka氏説→→ しかしながら、いまのコラムでの「判断力」
「批判力」は、根元の部分で、情緒的なものに支配されてはいない
でしょうか?自分の「愛国的情熱」を擁護するためのものになって
はいないでしょうか?
 
おくやま氏説→→ Fさんの「国際戦略」の定義を教えて下さい。
お願いします。 ちなみに配信されてくるFさんの記事(大変勉強に
なります)を読むと、どうも「世界の動き分析」という要素が強い
ような気がします。

F氏説→→ もともとは、外交関係に絞った評論をしようとしたので
すが、日本の国内政治面も触れる必要があり、国家戦略全体の論に
なっている。
 
F氏説→→ 新需要の創造を日本は行うしかないのです。研究と開発
です。それができないと、日本の職はなくなるでしょうね。
日本はデフレになって・・・・・・・・・・・キーは、どう市場規
模のある新需要を掘り起こすかでしょう。そうすると、エネルギー
系が一番新市場、新需要を起こすのに最適だと感じるのですが???
 
ken→→ この「国際戦略コラム」に首を突っ込んで数ヶ月、よう
やく概略が理解できたような気がする。 
F氏の「外交趣味」から出発して、それが「軍事戦略」に傾きかけ
たところへ、得丸氏の「儒教道徳」から白鳥氏の「精神文学(?)
」に至るまでが、同床異夢、呉越同舟の趣きで広義の「国際戦略」
としての場を主張しはじめ、「それはそれで意味のあること」と、
F氏が理解を示したというところだろう。
 
短絡化を許して頂けるならば得丸氏の主張は「MRA道徳再武装」の
日本版(東洋版?)、白鳥氏は戦時中の保田与重郎の「日本浪漫派
」文学の生き写しに近く、国際政治戦略を志向する読者からは異端
視されている、と見た目は僻目か。
旧友桃井真氏がかって防衛研究所で併せ担当したのが「国際関係論
」と「新兵器開発」であったように、「軍事戦略」と「政治戦略」
(そして「経済戦略」)はいまの社会で分別つかぬほど関連し合い
、その総てをカバーしようとする「国際戦略コラム」が複雑多岐・
性格不明の謗りを受けるのはやむを得ない。
近い将来には経済学部、商学部、社会学部、国際関係学部のごとく
あるいは理学部、基礎工学部、工学部、人間工学部のように分離し
なければ収拾がつかなくなるだろう。
 
そうした未来を予測しながら、ボクはここで「拡大日本戦略」とい
う新しい部門を提案する。
 
先般、Kazuo氏の、「コスト競争力維持などの理由から生産拠点を海
外に移す企業が増えれば、日本人の職が減り、所得が減ってGDP
が低下します」という憂いに対して、F氏が「新需要の創造を日本は
行うしかないのです。研究と開発です。それができないと、日本の職
はなくなるでしょうね。・・・キーは、どう市場規模のある新需要
を掘り起こすかでしょう。そうすると、エネルギー系が一番新市場
、新需要を起こすのに最適だと感じるのですが???」と、いわば
「経済戦略」案を示された。
 
この問題は、金韓国大統領の「太陽政策」以来、とりあえず軍事危
険が遠のいた(まだ「主敵概念」論争など残っているものの)わが
国周辺に関する限り、「国際政治戦略」や「国際外交戦略」よりも
、より緊急重要なテーマであることは間違いない。 
ところがこうした日本の経済戦略ないしは「拡大日本戦略」につい
てはいままでのところ、経済学者のみならず産業界も政界もいっさ
い手を付けず、いわば市場(自由)主義に任せ切りに見える。
 管見では、わがF氏が最初の口切りではなかろうか。 お粗末な
話で、「いったい経済企画庁は何をしているのだ」と、「やはり野
に置けレンゲ草」の堺屋さんに八つ当りしたい心境である。
 
たしかにF氏お説のように、生産が海外移転し、国内空洞化が進んだ
とき、それに対処するすべはエネルギー系を始めとする新市場、新
需要を起こすしか、いまのところ方途がないように見うけられる。
 それはいい。
しかし、どのような新商品を、どのような技術で、どのようにして
開発しどのようなアウトソーシング手法で、どのようにして市場流
通を図るのかについては、まさに五里霧中である。 産業社会の市
場主義に任せるのみというのでは、外交戦略は外務省に、政治戦略
は政治家に任せておくのと同じで、われわれ野にあるものが国際戦
略コラムで日々論じている現況をみずから否定するに等しい。
夢想家、畑水練の謗りを覚悟のうえ、せめてこの「国際戦略コラム
」上で、一つの新部門として「拡大日本戦略」となずける国際的な
新商品・新市場開発のケーススタディゼミらしきものを持とうでは
ないか。
 
そのシュミレーションモデルとして、たとえばYKKのジッパーやフジ
テックのエレベーターなどはどうだろう。 超優秀企業の彼らは、
まず徹底した国内市場の制覇を基にして、余力でもって世界市場に
進出し稀に見る成功を収めた。 世界市場をほぼ独占したかに見え
る日本のオートバイでも、その輸出比率は50%に過ぎない(朝日
新聞ジャパン・アルマナック)。それに対してボクは国内市場を看
過して世界市場を先に選び、最終的に失敗した。  
YKKは、ジッパー製造設備の独占供給で世界市場制覇を実現して
いると聞く。当初開発技術のみを頼みにした安易なアウトソーシン
グ依存は、模倣競争企業を続出させて危険千万であり、こうした
具体的なケーススタディやシュミレーションは「拡大日本戦略」の
キーポイントになるのではなかろうか。
 
F氏を中心とした「国際戦略コラム」の当事者たちへの「拡大日本
戦略」についての、元実務家からの提案である。
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(Fのコメント)
面白い展開、ありがとうございます。Kenさんの説はもっともである。

拡大日本戦略とは何か??
この日本で軍事戦略を建てても、米国との調整が必要で戦略化でき
にくい。このため、どうしても経済戦略になるでしょうが、現在の
状況では、日本と世界を分離して考えることが、だんだんできなく
なっているように思います。私も、このコラムの管理人T君も英語
、中国語、日本語3ヶ国語環境で仕事をしている。すると、仕事仲
間が利益を折半する構造でないと協力関係ができない。

日本企業が上で米国、中国企業にモノを売る世界は今後ないのでは
ないかと感じている。タネは米国、育てるのは日本、生産するのは
中国というような関係で、そして、どのセクションがより重要かと
いうことをも問題にできない状態になっているようだ。
それより、いつも世界ビジネスを志向していることの方が重要にな
っているのでしょう。日本がいいアイデアを持っていれば、その分
多くの利益の分配が取れることになるのです。

そして、日本には、いい技術があるのです。アナログ回路技術者や
機械技術者でかなり熟達した人がいる。この技術の応用を見つける
ことが重要です。日本からの特許が世界的に一番多くかつ、その中
には、非常に有効な技術特許があるのです。この技術を見つけて、
応用を考える方が、IT分野と騒ぐより、いい市場があるように思
うのです。特にエネルギー系は有望です。古い技術を新しくして、
復活させることもできるのです。そうすると、今までの販売経路や
資源回収のルートが生きることになるとか。これ以上書くことは、
T君に怒られるので書けませんが、彼はそのような仕事をしている
ようです。YSさんも同様のようですね。攻め口は違いますが???


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