436−1.国際戦略の考え方2



今回は、経済面・資源面について検討したいと思います。Fより
この考える視点は、歴史軸と地理軸の2つの軸が必要でしょうね。

1.日本の戦争経験と戦略感覚
日本は、歴史的に見ても、特殊な国であり、辻本さんの指摘の通り
、国家史、民族史、地域史がほぼ重なっているのです。そして、
異民族間の戦争も非常に少ない。平和な時代が長いのです。同民族
闘争は、血がほとんど流れずに戦闘が終わる。このような戦争しか
していないので、本格的な異民族間戦争は経験がない。基本的に、
日本は戦争に向いていない。
本格的全面戦争を戦略的に構築できないのは、今次の第二次世界大
戦の経緯でよくわかることである。日本には、国際戦略が必要なか
った理由も明確だ。日本は江戸時代まで、自給自足が可能であり
、外国との交渉を必要なかったことによるのです。このため、戦略
もない日本が、できたのです。農耕文化でも異民族の支配を受けた
国は、日本と違い、身を守る戦略が必要になるのですから、農耕民
族だから、戦略が必要なかったという学者がいるが、間違っている。
このため、日本は平和で始めて、その力を発揮するのです。よって、
身を守る暴力装置以外は持たないことが重要です。
不足部分は、集団安保でカバーすることを考えることがいいと思い
ます。勿論、中国等の仮想敵国の状況を把握して、身を守るレベル
の兵器は必要であろうが。海外居住者の安全も考慮した日本大使館
の作りをする必要があると思う。最低限の防御はするべきだ。この
大使館は自衛隊が守るべきだと思う。自国民の安全を守るのは、
自国民しかできない。物資等を世界のどこでも運べる飛行機を自衛
隊は持つべき。派遣団も持っているべきだと思う。邦人救助は、
役割として自衛隊が持つべきことである。日本人が世界に出て行く
最低の防御は、実施することが必要でしょう。

2.資源争奪戦
そして、この暴力装置の海外利用をしないと言う事になると、資源
争奪戦に参加できないことを意味するのです。アフリカのコンゴで
の内戦は、資源争奪の戦いで、それぞれの陣営の裏には欧米諸国が
いて、雇用兵が活躍しているのですから。米英対仏の暗闘の側面が
濃厚です。

地下資源の大半を握る欧米の会社もアフリカの諸民族独立により、
思い通りの採算を確保できなくなりつつあるのが、現状です。
このため、世界の資源会社の再編が起こっているのです。ここの詳細
はYSさんがレポートしてくれるでしょう。お願いします。

日本が資源争奪戦に参加しなければ、欧米諸国との激突も起こらな
いため、同盟関係を維持できるでしょう。しかし、日本周辺の天然
ガスの開発はするべきです。現時点のロシア太平洋艦隊は、2隻程度
の巡洋艦しか稼動していなく、日本の脅威になる国ではない。この
ロシアを日本人が恐がる心理は理解できるが、シベリアのガス田開
発は進めるべきだと思う。北方領土返還がネックになっているが、
ある程度の線で妥協して、進める必要がある。天然ガス開発はロシ
アにとっても、有利なのであるから、乗ってくるはず。
勿論、日本海の石油探索、天然ガス探索も進めていくべきでしょう。

3.拡大日本とは
日本は、世界第2位の経済大国になった理由を考えると、人的資源
の有効活用であったと思うのです。人が考えた、世界に新しい機器
やエンターテイメントを提供したことで得たのです。この機能が停
止した時には日本経済は破綻するでしょう。そして、日本からアジ
ア・中国に工場を出し、日本は空洞化しているといいますが、日本
ブランドの世界での競争力は益々増しているのですから、心配はな
いと思います。それより、新しい物やサービスができないことが問
題です。
製品として、長い期間経たものは誰でも、作れるようになるため、
ほおっておいても、韓国やマレーシアなどで作れるためで、日本の
労働賃金では、これらの韓国等に負けるために中国等に工場を持っ
ていくしかないのです。

この原理は、どこでも人的資源のある所には生産を移転可能という
ことになるのです。拡大日本ですね。この生産の移転は日本の企業
文化を移植することが必要で、その文化を根付かすための研修所も
必要になるのです。このように日本文化の拡大にもなるのです。
日本から人も来るために、日本料理が進出するとか生け花の教室が
できるとかの周辺文化も引き連れてくることになるのです。すでに
アジアや中国は、このような環境が整備されているので、日本の文化
を取り入れようとする若者が多くなっているのです。日本文化圏化
しているのです。
アジアの日本化は、徐々に進行しているのです。しかし、このアジア
もいつかは、高賃金になり、採算性が取れないことになると思われる
のです。次は、イスラム圏ではなく、アフリカ諸国や中南米の諸国の
進出ではないかと思うのです。すると、

4.人的資源化とは
現地の住民が人的資源化するためには、どうすればいいのか??
これは、文字を読み書きできること、計算ができること、時間を守
る意識を作ることでしょうね。中等教育では英語の教育も重要でし
ょうね。日本人の英語でも通じることが必要でしょう。このような
環境ができれば、工場を進出させるために、道路や港の整備が必要
になりますし、電気や水道の設備も重要でしょう。社会インフラの
整備が必要です。

もう1つ、日本に呼び寄せることが、必要です。これは、その国の
将来を背負う人間の教育を日本がするのです。日本との関係を、人
的レベルでの交流も含めて行うのです。この部分は、日本現地企業
の将来背負う人間をまず、研修することから始まるのでしょうが。

5.グローバル・スタンダードについて
米国流の法律体系、自由化の体系を他国に押し売りするのが、グロ
ーバル化の意味だという人がいるが、日本は、米国のグローバル化
によって、得することになるのです。米国の法体系で疑問点なもの
は、導入するべきではないが。米国が推進する世界の民主化も、
日本の戦略との整合性はいい。自由化は強い企業が独占する傾向が
高いのです。米国航空業界でも、アメリカンが他を圧倒している。

 自由化により、値段は下落しますが、そのビジネスが成立すると
、世界的ビジネスとなるのです。現時点の特許数を見ると、日本が
一番多く出願しているのですから、ビジネスのチャンスは一番大き
いのが日本のはずなのですが、ベンチャー企業や新ビジネスが出て
こないのはなぜですかね。このに日本の問題点があるのです。

この部分の仕組みは米国から導入するべきです。米国が復活したの
は、日本研究からでした。今度は、米国研究で日本が復活する番で
す。

日米は、今後もお互いに影響し合う関係であると思う。資本主義は
新しい物、サービスがないと、衰退するものだからです。この新し
いものを生み出す原動力は、日米が大きいことによります。

==============================
こんにちわ、おくやまです。
簡単ですがさっそくレスします。

> 国際戦略を考える時の手法を見よう。相手国の国力(経済力、軍
事力)、体制、貿易、友好性、歴史的結ぶつき度、日系移民の有無、
近さ、イデオロギー、言語、日本国民の好感度などの要素を考える
必要がある。Fより

なるほど、それはわかるのですが・・・。突然ですがここで少し
根本的な質問をしてもよろしいでしょうか? 以前からやや疑問だっ
たのですが、この「国際戦略」という言葉の定義が私にとって今
ひとつハッキリしません。もしかしてこれは「日本の国家戦略」と
いうことですか?それとも「国際社会における日本の国家戦略」と
いうことで頭とケツをとって「国際戦略」なのでしょうか? もしく
は「国際社会というコミュニティーに参加している諸国家のそれぞれ
の戦略の研究」ということなのでしょうか?私は頭が悪いのでそこ
のあたりがよくわかりません。私の最初の説が正しいとすればこの
コラムは「国家戦略コラム」とするのが一番よいと思うのですが、
その辺はどうお考えなんでしょうか?

試しにこの「国際戦略」を英語に直訳してみると "international 
strategy"となりますが、これではそもそも全く言葉として意味を
成さないような気がします。よかったらFさんの「国際戦略」の定義
を教えて下さい。お願いします。 ちなみに配信されてくるFさんの
記事(大変勉強になります)を読むと、どうも「世界の動き分析」と
いう要素が強いような気がします。

>おくやまさんから、挑戦状を突きつけられましたので、

いえいえ、そんな恐ろしいことする勇気は私にはありません(笑)
ただ日本の国家戦略についての議論がもっとあったほうが面白いの
になぁ、と常日頃思っていましたので、やや挑発的にYSさんに向
って「議論を乗っ取りましょう!」と言ってみたまでのことです。
特に深い意味はありません。

>勿論、おくやまさんも議論の中に、参加していただけると思いま
すが、よろしく。

知識がおよぶ範囲で参加させていただきたいと思っております。
よろしくお願いします。

おくやま 拝
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(Fのコメント)
国家戦略の1つに国際戦略があるのでしょうね。もともとは、外交
関係に絞った評論をしようとしたのですが、日本の国内政治面も触
れる必要があり、国家戦略全体の論になっている。今回の国際戦略
も、外交をどうするかの方向性議論であろうと、思う。
外交は、諸外国の分析が必要です。このため、分析に力を掛けてい
ます。そして、ほとんど、このコラムが書いた方向に世界は流れて
いると思います。書いた日付と内容を吟味していたただければ、分
かります。
==============================
国連の常任理事国になるか国連を脱退するかどっちかしかない   
白鳥 宙

 日本人は「お上」が好きだ。日本人はその幼い自我故に、常に何
かに依存をしたがる。その対象に「お上」も入っている。それで、
日本人は何となく国連というものも好きで国連をお上と思っており
、国連に違和感を感じている人は少ない。日本人の思考は単純で、
日本人は人が良い。それで、だまされやすいという訳だ。
 私が調査した限りでは、一般的に皆が思っている程に国連という
のは、世界平和等に関して清い考えを持ってはいない。国連を牛耳
っているのは、5つの常任理事国であり、その中の4つは白人の国
である。白人の歴史は、戦争の歴史だった。国連に対して発言力を
持っているのはアメリカをはじめとした西欧の国々だ。そして、
その責任者たちは一様にアメリカ政府やイギリス政府の意向を汲ん
だ人々である。アメリカ政府・イギリス政府の政治家は、確かに選
挙によって選ばれた。
 そして、その政治家たちが自分の気の合うブレーンである官僚た
ちを任命する。だが、選挙を牛耳っているのは誰か。国民か。では
、国民の意識は何によって形成されるのか。最も大きな影響力を持
っているのはマスコミである。人は情報によってしか価値判断を行
えない。国民の価値判断を形成しているものは、マスコミによって
毎日のように流されている情報だ。そして、マスコミは情報をコン
トロ−ルすることができる。従ってその国の国民の意識をコントロ
−ルすることができる。つまり、情報によるマインドコントロール
である。だから、アメリカの大統領でもマスコミが選んでいると言
ってもよいことになる。アメリカの大手マスコミの株は、ほとんど
多国籍企業郡が持っている。企業である以上、彼らの眼中にあるの
は金儲けである。自分たちの得になる情報はマスコミを通じて流し
、得にならない情報は流さがない。この話の流れから、国連を牛耳
っているのは、メジャー企業のトップたちということになる。
 戦争になれば、どこかの国が必ず特需で潤う。今戦争がどこかで
勃発すれば、必ず利を得る国がある。戦う当事者の国々は勝っても
負けても悲惨な状態になるが、その国に武器を売り込む第3国は、
大金を手にすることができる。
 さて、国連は戦争したいのかしたくないのかどっちだろう。私の
知っている人が、北朝鮮にもイラクにもキューバにもリビアにも行
ってきた。そして、私たちが新聞やテレビ等で知らされている情報
に疑問を感じるようになった。
 私の別の友人は、ちょうどソマリアで戦争が起こった前日にその
国にいた。前日までは、何も分からなかった。突然、もう飛行場は
封鎖されたという情報が入った。ところが、その後一機だけ飛ぶ飛
行機があり、軽じてその飛行機に乗り込むことができた。そして気
づいた。乗組員は、ほとんどが国連の職員だったのだ。国連は、
ソマリアで戦争が起こるのを知っていたのだ。戦争を仕かけたのは
誰か。平和に暮らす未開の部族は、白人たちにとって啓蒙すべき下
等な人類たちだ。その部族にも頭の良いのがいて、同族部族を支配
したがる者がいる。彼らは、その部族の政治家や軍人になる。白人
の政治家や軍人たち程には彼らは教育を受けておらず、簡単にだま
される。
だますのは誰か。だまして戦争をするように仕かけるのは誰か。
 イラン・イラク戦争をはじめどこの戦争でも2つの国は、同じ国
で製造された武器を使って戦っている。魚夫の利を得るヤツがいる。
 大韓航空機は、蜂谷真由美によって本当に爆破されたのか。ラン
ゲーンのテロもそうだが、これらは、2つとも北朝鮮の犯した犯罪
だということになっている。事の真相はどうなのか。私たちは、
マスコミの情報によってしか判断をすることはできない。現場の
特派員たちは、その目で見た事実を本国の本社に送る。都合の悪い
現場情報は、すべて記事にはされない。株主の意向に反した記事を
掲載することは許されない。

 日本は、国連の常任理事国にならないといけないと思う。そして
、真の和平を人類が勝ち取る作業を計画的に実行してゆくべきだ。
軍需産業がなくなって一時的に痛手を受ける国は確かにある。でも
、その技術を平和の為に使えばよい。武器の在庫処分の為に戦争を
しかけるなどということは人間のすることではない。そして、今は
アメリカにつき従うような顔をして国連の常任理事国となり、その
後発言権を得た後は、他国の言いなりにならず、正々堂々和平のた
めに仕事をすればよい。ダメなものは強く「ダメ」と言えば良い。
アメリカに対しても。
もし日本が次のように世界に向けて言えばどうなるか。「私たちは
、常任理事国になれないなら国連を脱会する。日本は自国の自衛力
を強化して、アメリカに頼らず、自分で自分の国を守る。しかし私
たちは、ODAを現在の五倍にし、国際平和の為に、医療、教育、
農業、その他全分野に渡って大規模な国際協力事業団を組織し、
世界の国々に送り出す。私たちは、かつて田中角栄がやろうとした
自主外交をやる。」こう発言すると、一番困るのはどこの国か。
そのような強い覚悟を持って、国民を説得し、世界外交に働きかけ
て行く力量が今の政治家たちには皆無である。
親というのはいつまでも子供の面倒を見ていたいものだ。子供が一
人前になって育ち旅立って行くのはさびしいものだ。アメリカは
日本が自立してもらっては困るのである。それはアメリカの得にな
らないからだ。それで一週間で作った憲法を日本に押し付けた。
そして日本男児の金玉を抜いた。それで精神的に大黒柱を失った
日本人は、自分の自我を強い父親にぶっつけられず、幼い自我のま
ま肉体だけを成長させて、その結果、非行やグレ、あげくの果てに
は親殺しまで多発する日本国になってしまった。
ご先祖たちのうめきの声が聞こえる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(Fのコメント)
国連に期待を掛けるのは、白鳥さんの言うように間違いでしょうね。
しかし、日本が国連から脱退はできないでしょう。国連経費は国連
内の権利との見合いで払うとすればいいと思います。ロシアと中国
は、日本以上の権利があるのであるから、日本は中国程度の国連経
費を支払うこのですね。
==============================
Kazuo
■Fさんへ 
 国際戦略の議論を始めるようです。以前からの日本の国内戦略、
国際戦略の基本姿勢がはっきりしないことへの不満があったのです。 
 私の希望ですが、日本は文化的・歴史的制約条件、特に言語とい
う制約条件の超えた人々や企業にとって、生活し、働く立地条件と
して魅力があるのでしょうか。宗教的な共同意識もないわけですし
、日本人としての生まれ育ったことや親兄弟親類縁者を除けば、
よりどころは言語のみになりかけているのではないでしょうか。私
はその辺日本人として危機感を感じるのです。優秀な人材がどんど
ん海外に出ていって、なおかつ異国の人にとっては日本というとこ
ろが幾分改善されてきているとはいえ閉鎖的です。内外を問わず人
や企業を引き付ける条件としてはその市場規模のみではないですか。

国策としてあるいは戦略として内外の人々や企業にとって、魅力的
、つまり生活の場として、働く場として、市場としての魅力を創り
出していかなければならないのではないでしょうか。もしかしたら
1億総流出(華僑のように)して海外に出なければ日本人としての
アイデンティティーが持てないのかも。こういった観点も頭の角に
おいていただいて議論を進めていただければ幸いです。 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(Fのコメント)
日本の実力を過小評価する人たちが多いが、日本からアジアに移転
した工場の総生産額は、中国一国分のGDPより多いのではないで
しょうか??日本企業の実力は、いまでも大きいのです。米国の電気
機器の店に行くと分かるが、ほとんど日本製です。日本にいると分
からない。カリフォリニア州ではトヨタ(レクサス)とホンダ車が
多いし、存在感がある。日本は、軍隊が海外派兵するわけではない
ため、ニューズになりにくいので、見えないだけです。

文化面でも、日本料理店がオープンしたことがニュースにならない
ため、見えないが、どこにでもある存在になった。特許等のパテント
の輸入・輸出では、日本は断然輸出が2倍多いことになっている。
これも、報道されていない。日本の経済実力は見えないように、さ
れているのです。

米国の報道を見ていると、日本の悪い・おかしい面だけが強調され
ていることが多い。非常な意図を感じてしまうのです。

日本人を感じるのは、私も米国にいるときですが、日本人特有の感
じ方、宗教感覚を自覚する時がある。日本は明示的宗教ではなく、
暗示的宗教民族ではないかと思う。この面は、得丸さんあたりが、
論じて欲しいですね。


コラム目次に戻る
トップページに戻る