418−1.コンゴ情勢



コンゴのカビラ大統領が死亡した。このコンゴの側面を見てみよう
。(Fより)

カビラ現大統領は、もともとは1997年5月ルワンダ、ウガンダの支援
を受けた反政府勢力としてモブツ大統領を追ったのだ。
その後、ジンバブエやアンゴラなどが、カビラ政権をサポートして
いたのです。そして、ルワンダ、ウガンダが反政府勢力をサポート
することになっている。この裏はなにか??
地下資源の争奪戦ですね。ルワンダ、ウガンダ、ブルンジ対アンゴラ
、ジンバブエ、ナミビアであるが、中部のキサンガまでルワンダ軍
が侵攻している。このため、アンゴラ政府は、カビラ大統領に和平
を提案していた。今回の事件は、このアンゴラの警備隊隊長の解任
で事件が起こったようです。アンゴラは、ダイヤモンド鉱山に守備
兵を出しているが、この軍の近傍まで、ルワンダ軍がきている状態
になっていたので、話し合いを提案していたらしい。しかし、突如
の解任ということで、切れたのでしょう。

そして、ルワンダ軍の後ろにどうもフランスとベルギがいるような
気がする。この地域の元宗主国であり、かつフランスは、カビラ大
統領と反目していた。ジンバブエは、白人追い出しで、1万の軍隊
をコンゴに送っている。アンゴラの裏には米国の影が見えるようだ。
これは、米国とフランスの資源争奪戦の様相も裏にはある可能性が
多い。

今後どうなるか??ジンバブエが力を持つと、米国とフランスが組
んで、ジンバブエ潰しをする可能性があり、ジンバブエの動向に
注意が必要になる。このため、反政府組織とどこかで、妥協を考え
る必要がある。アフリカは、欧米同士や欧米と現地の戦いと複雑に
なっているため、裏を見る必要がある。
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国名:コンゴー民主共和国(Democratic Republic of the Congo)  
1999.11.11現在 
一般事情 
  <アフリカ中部の大国> 
1.面積 234.5万km2(日本の6.2倍) 
2.人口 4,920万人(1998年)(アフリカで3位) 
3.首都 キンシャサ(Kinshasa) 
4.人種 バンツー系、スーダン系、ナイル系等 
5.言語 フランス語(公用語)、キコンゴ語、チバル語、リンガラ語
     、スワヒリ語 
6.宗教 カトリック(40%以上)、プロテスタント100万人、
       イスラム教徒15万人、その他伝統宗教 
7.略史 1908年 ベルギー領 
1960年 ベルギーより独立(コンゴー共和国)、コンゴー動乱 
1965年 モブツ政権成立(クーデター) 
1967年 コンゴー民主共和国に改称 
1970年 大統領選挙 
1971年 ザイール共和国に改称 
1977年 モブツ大統領再選 
1984年 同三選 
1991年8月 国民会議開催 
1991年9月 キンシャサ市内暴動発生 
1992年8月 国民会議チセケディ首相選出 
1993年3月 モブツ大統領、ビランドゥワ首相を任命(以降二つの
          内閣並立) 
1994年7月 ケンゴ暫定政府成立 
1997年5月 コンゴー民主共和国に改称し、カビラ大統領新政権成立 
 
政治体制・内政 
1.政体 共和制 
2.元首 ローラン・デジレ・カビラ大統領 
3.議会 現在存在しない。 
4.政府 暫定内閣
(1)首相 
(2)外相 イェロディア・アブドゥライ・ンドンバスィ 
5.内政  ザイールのモブツ大統領は1965年に政権を掌握。1990年
以降内政は混乱したものの、30年以上独裁体制を維持。しかし、
1997年5月、ルワンダ、ウガンダの支援を受けた反政府勢力のカビラ
ADFL(コンゴー・ザイール解放民主勢力同盟)議長が首都キンシャサ
を制圧。カビラADFL議長が元首となり、国名をコンゴー民主共和国へ
改称。しかし、その後再び98年8月に同国東部地域で一部ツチ族及び
旧ザイール軍関係者からなる反政府勢力が武装蜂起して内戦が勃発。
ウガンダ、ルワンダなどが反政府勢力を支援し派兵、またジンバブエ
、アンゴラ等がカビラ政権擁護のためにコンゴー民主共和国領内へ
派兵したことにより国際紛争へ発展。99年8月末和平合意が成立した。
 悪化している経済状態の改善と戦費調達のため、今年1月以降為替
レートの固定、外貨の国内流通の禁止、貴金属取引所による独占的
なダイヤモンド取引の管理など経済政策の分野で新たな政策を導入
しようとしているが、逆に経済混乱を招いているとも言われている。
1999年3月14日に新内閣が発表された。 
外交・国防 
1.外交基本方針  カビラ政権成立後特にルワンダとの関係が悪化。
98年8月の内戦勃発後、アンゴラ、ジンバブエ等の支援を獲得。
ルワンダ、ウガンダの支援を受けた反政府勢力と対峙していたが、
1999年8月末、和平合意が成立した。基本的には欧米、国連当に対
し率直的姿勢を取りやすい傾向にある。 
2.軍事力 (1)予算  117百万ドル(1994年) 
(2)兵役  志願制 
(3)兵力  約5万〜10万人
コンゴー(民)軍の実態・実力は不明。 
 
経済(単位 米ドル) 
  <非鉄金属の宝庫→混乱で経済不振> 
1.主要産業 鉱工業  銅(世界第6位)、コバルト(世界第5位)
、工業用ダイヤモンド(世界第2位)、石油 
農 業 (パーム油、綿花、コーヒー) 
9.主要貿易相手国 
(1)輸出  ベルギー/ルクセンブルグ、アメリカ、南ア、イタリア 
(2)輸入  南ア、ベルギー/ルクセンブルグ、独、香港、
            ナイジェリア 
10.通貨 コンゴー・フラン(FC) 
11.為替レート 1ドル=4.5FC(1999年4月) 
12.経済概況  輸出の約6割が銅・コバルト等で占め、70年代初期まで
は、順調な経済発展を遂げたが、銅価格の低迷、対外債務の増大等に
よって70年代末期以降経済困難に直面。91年の内政混乱以降、経済
は壊滅状態であった。97年11月新政府は統一的な復興計画を策定し
、国際社会に提示した。しかし、98年8月の内戦勃発以後物価上昇、
経済混乱が激しい。 
経済協力主要援助国(1995年ODA実績) 
1ベルギー,2ドイツ,3フランス,4オランダ,5イタリア 
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2001年1月19日(金) 16時25分 
<コンゴ>民主大統領が死亡 影響力を強めるジンバブエ
 コンゴ民主共和国政府(旧ザイール)は18日、国営放送を通じ
、カビラ大統領の死去を伝えたが、カビラ氏の「生存」を主張して
きた当局がようやく事実を認めた背景には、独裁者を失ったコンゴ
政府のろうばいぶりが垣間見える。一方で、同国に1万人以上の兵
士を駐留させるジンバブエの地域影響力が強まりそうな情勢だ。 
[毎日新聞 1月19日] 
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ブルンジ政府がルワンダ兵に擬装した軍をコンゴに投入  
 ブルンジ政府が、内戦状態の続く隣国コンゴ(旧ザイール)へ、
ルワンダ兵に擬装して軍を送り込んでいることがわかった。コンゴ
はカビラ政権側にジンバブエ、アンゴラ、ナミビアが、反政府武装
勢力側にルワンダ、ウガンダがそれぞれ派兵、一昨年に和平合意が
結ばれた後も戦闘が続いている。ブルンジは表向きコンゴ内戦に関
与していないが、ツチ系の反政府武装勢力に肩入れしているとされ
る。
 目撃情報によると、1000人を超える兵士が11日、ブジュン
ブラ近くの兵たんに集められ、コンゴ南東部に送りこまれた。ルワ
ンダ軍の軍服を着ていたという。

 目撃者にブルンジ軍幹部が語ったところでは、コンゴ南東部で反
政府武装勢力の拠点がカビラ政権側に攻撃されているため、支援に
向かうという。ルワンダ兵に擬装していることについては「ツチ系
の反政府武装勢力を助けるために、同じ反政府武装勢力側であるル
ワンダの軍服を着ている」と話したという。

 コンゴ内戦は国の西部をカビラ政権が、東部をツチ系などの反政
府武装勢力が押さえている。ブルンジでもツチが抑える政府軍と、
フツの反政府武装勢力との間で内戦が続いていた。昨年8月、マン
デラ前南アフリカ大統領の仲介で和平合意に至ったが、その後も
戦闘は続いている。

 自国の内戦状態を収拾できずにいながら、他国へ派兵していると
いう批判を免れるため、ルワンダ兵に擬装したとみられる。
(1/1511:41asahi) 
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2001年1月22日(月) 10時20分 
<コンゴ>政府側支援の3国大統領、反政府勢力と対話必要で一致
(毎日新聞)
 英BBCによると、コンゴ民主共和国の内戦で政府側を支援して
いるジンバブエのムガベ、アンゴラのドスサントス、ナミビアのヌ
ジョマの3大統領は21日、カビラ・コンゴ大統領死後の対応を協
議した。3首脳は「反政府勢力との対話が必要」と意見が一致した
が、3国ともコンゴから撤退する意思はないという。 
[毎日新聞 1月22日] 


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