411−1.中東和平について



 とうとう、クリントンが任期中の解決を諦めた。(Fより)
クリントン政権での解決ができないと、イスラエル選挙に和平なし
で、突入することになる。そして、シェロン・リクード党首が勝て
ば、和平全体が揺らぐことになる。この逆戻りを防ごうとしたが、
その仕組みもないままに、クリントンの任期終了が来るようだ。
前回の中東和平は、
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/1301062.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/1212312.htm

アラファットは、「アラブの大義」に拘ったために、部分和平もで
きずに、和平を潰すことになる可能性がある。今回の問題は、東エ
ルサレムの主権と難民帰還権であるが、一番の問題がこの東エルサ
レムの帰属であろう。この東エルサレムは、キリスト教、イスラム
教、ユダヤ教の聖地であるため、宗教戦争になる可能性がある。

この地域の主権は保留にして、国連管理にして、それ以外の問題を
解決した方がいいと思う。アラファトはすぐにエジプトや他のアラ
ブ諸国の意向を聞くため、解決はどうしてもできないようだ。利害
のない国は、アラブの大義というからである。

両国の平和を期待せずに、分離し、紛争にならないようにする方向
で交渉するべきであろう。
分離をまず実現して、それから東エルサレムの問題を協議するよう
な段階方式にすることが解決への近道になると思う。あまり多くの
問題を協議すると、1つの問題が解決せずに、全体の合意もできな
いことになるため。まあ、ブッシュ政権のお手並み拝見ですかね。
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2001年1月12日(金) 22時12分 
クリントン大統領「中東和平の合意実現はブッシュ政権次第」
(ロイター)
[ワシントン 12日 ロイター] 米国のクリントン大統領は、
任期終了を前に努力を続けてきた中東和平交渉について、時間切れ
になる可能性をほぼ認め、合意実現はブッシュ次期政権の努力如何
との見方を示した。 
 同大統領はこの日未明、大統領専用機内で行われたインタビュー
で、イスラエル・パレスチナ両政府間での交渉に進展は見られるも
のの、20日の任期終了前に合意がなされるかについては確信がな
い、と語った。 
 同大統領は仲介案の提示など、和平交渉での自身の功績を強調し
た上で、「どういう結果になっても、その対応は次期政権とイスラ
エルの(首相)選挙当選者の手に委ねられることになる」と述べた。
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中東和平交渉、クリントン大統領任期中の文書化は困難  
 11日深夜から12日未明にかけて開かれたイスラエルとパレス
チナ自治政府の和平交渉では、クリントン米大統領の仲介案をめぐ
る相違をどう狭めるかが、議題となった。原則合意について、パレ
スチナ側は合意の実施を保証する細部も文書化することを求めてい
るが、イスラエル側には、クリントン大統領の任期が切れる20日
までにまとめるのは難しい、との見方が強まっている。
 イスラエル放送によると双方は、同様の交渉を13日夜にも開く
ことで合意しているという。12日に予定されていたアラファト自
治政府議長とペレス・イスラエル地域協力相との会談は延期された
。ペレス氏は同放送で、1週間で何らかの合意を達成するのは困難
との見方を示した。バラク首相の政治顧問ヤトム氏も同放送で、同
じ見方を表明した。

 交渉では、イスラエルの要求する暴力行為の沈静化も重要な議題
となった。イスラエル側はテロ容疑者などのリストを渡して逮捕を
要求。パレスチナ治安当局が、テロや銃撃の防止に実際に動くかど
うかが、合意に真剣に取り組んでいるかどうかをみる「テスト」に
なるとしている。14日に治安責任者同士の会議を開き、事態沈静
化の進み具合を評価する予定だ。

 自治区では衝突が減っているが、12日、自治政府がイスラエル
側との治安協議を再開したのに反対するデモがあったヨルダン川西
岸のヘブロンで、パレスチナ人1人がイスラエル兵に射殺された。
(1/1300:15asahi) 
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2001/01/11−22:07時事
 ガザ、西岸の封鎖緩和=イスラエル 

  【エルサレム11日時事】イスラエル放送によると、同国軍は
11日、パレスチナ自治区ガザやヨルダン川西岸の封鎖の一部を解
除した。10日夜から11日未明にかけて、暴力行為減少を目的に
開催されたパレスチナ側との協議での合意に基づく措置。  
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中東和平、交渉継続の道探る 米仲介案巡る調停大詰めに  
 仲介案を示して最後の調停に臨んだクリントン米大統領の任期切
れが20日に迫るなか、イスラエル、パレスチナ間の和平交渉は、
今週、実質的な山場を迎える。双方とも条件付き受け入れで、特に
パレスチナ側の条件は厳しく、仲介案のまままとまるのは無理との
見通しが強い。イスラエルでは7日、同大統領声明、または国際的
な首脳による共同声明で、交渉の継続を保証する道が模索されてい
る、との観測も出ている。
 イスラエルのバラク首相は、2月6日のイスラエル首相公選で「
和平合意」を国民に示して「承認」を得たいところだ。シャロン党
首を擁する野党リクードは、政権を取れば合意不履行を明言してい
る。ただし、パレスチナ自治政府筋や米政府筋によると、アラファ
ト議長が仲介案に示した条件は、
(1)エルサレムの聖地の主権(2)難民の帰還権の明確化
(3)境界の明示(4)紛争終結宣言――の4点だ。
難民の帰還権の放棄など「パレスチナの大義」を掲げてきたアラフ
ァト議長が責任を負いたくない重い譲歩が含まれている。

 交渉当事者は、最終合意に至らない場合、これまでに積み上げた
成果も無になり、先の見通しもなく紛争状態に戻ってしまうことを
懸念している。

 それを防ぐ1つとして考えられているのがクリントン大統領の声
明で、これまでのイスラエル、パレスチナ間の交渉で合意に達した
ものと残る争点を列挙すること、とされている。ホワイトハウスは
、声明発表にはバラク首相とアラファト議長の同席を求める、とい
う。

 もう1つは、3首脳のほか欧州連合(EU)、ロシア、アラブ諸
国の首脳、アナン国連事務総長らによる国際会議を開き、クリント
ン仲介案に基づく交渉の継続を呼びかける共同声明を出すこと。

 もし、シャロン党首が首相公選で勝利した場合でも、国際的な枠
を当てて、ご破算になるのを防ぐのが、これらの声明の狙いといえ
る。

(1/800:15asahi) 


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