374−2.教育とジェンダー



YS

 日本社会全体をひとつの巨大な工業製品と考えてみる。 
するとひとりひとりの個人はそれを構成する部品となる。 
極端な見方かもしれないが、たまにはこんな風に見てみるのも面白
いと思う。 どうかお許しを。 

その緻密さは世界の憧れの対象となった時期もあったが、今は故障
続きのようだ。そして「この工業製品の設計者は誰なんだ?」と激
しく追求する議論が巻き起こる。 
副島さんの属国論やら石原さんの発言はその代表であろう。 
おそらく「設計者」はアメリカ、「アレンジャー」が日本だったよ
うに思う。 
また「メンテナンス」も重要な役割を担うべきであったが、どうや
らこの観点がポッカリ抜け落ちていたようだ。 
「応急処置」はお得意のようだが、本当はしっかり保守点検してい
れば必要がなかったかもしれない。 

設計者がアメリカになってしまったのは、戦争に負けたのだから仕
方がないこと。冷静に考えれば世界有数の優れた工業製品大国にな
れたのは、設計者が優れていたからかもしれない。 
「日本人が独自に設計していたらどうなっていたのか?」という議
論まで踏み込んで副島さんや石原さんがわかりやすく書いていただ
けると説得力もあるのだが、そんなこと書いてましたっけ? 書い
ていたら教えて下さい。 

とにかくこの工業製品もフルモデルチェンジなりマイナーチェンジ
なり完全な作り替えが迫られていることは間違いない。 
「それではだれが設計しなおしてくれるのか?」経済成長重視にこ
だわるのであれば、もういちどアメリカにお願いするが一番早いよ
うな気がするが、そんなことを言うといじめられそうだ。 
でも国内から出てくる内容は貧弱に思えて仕方がない。 
失われたものを見つめなおすことも確かに大事かもしれないが、ど
う活かすかが肝心だ。ここでも貧弱に思えてならない。 

何故か? 設計者を育てる機関が抜け落ちているからであろう。 
また島国で育まれた体質は本来向いていないのかもしれない。 

ジェンダーの議論に戻ろう。 
この工業製品を円滑に作動させるように部品を男色、女色に分けて
配置してきた。そのために伝統的な男女観もアレンジしてきた。 
おそらく少子化、高齢化を迎え、女色の部品を男色に染めて配置し
て行くことになる。男色になりたいと願う女性達にとっては大歓迎
であろう。しかしまだまだ少数である。 
おおくは無理矢理染められることになるのかもしれない。 
私自身は無理矢理染めようとせずにそのまま入れ替えてみるだけで
、違った成果が出てくるような気もするが皆様はどうでしょうか? 

ここで大きな問題が生じてくる。だれが新たな部品を育てるのか? 
やはり育てるのは部品なのか? 
右肩上がりの時代はもうこない。経済的な負担が大きくのしかかる。
好都合な短期間の育児休暇で母親はまた部品に戻っていく。 
父親は使用済みスクラップにならないよう頑張るだけで精一杯であ
る。

父親も母親も教師もなにがなにやらわからなくなっている。親が子
供を虐待し、時には殺害に至る。「部品製造システム」としての教
育機関も行き場を失い、登校せずもひとつのスタイルとして認めら
れつつある。 
少年犯罪の増加により、母親の責任を問う無責任な声もあがっている。 
親も子も先生もみんながみんな途方に暮れている。 

アメリカに飛び立ったイチローの後姿はかっての職人魂を思い起こ
させる。最高のステージは最高の人材を迎え入れる。 
何を持ってアイデンティティと呼ぶのかイチローが見せてくれたよ
うに思う。 

皆様の教育に関わる御意見もお聞かせ下さい。 
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YS
実際に育児休暇を取った経験がある方の御意見も聞いてみたいです
ね。何人かの女性のお話は身近に聞いたことがありますが、復帰後
はなかなか大変そうです。 

「育児・介護休業、男もとるべき」男性の67% 日経12月2日 

 総理府が2日発表した「男女共同参画社会に関する世論調査」に
よると、「男も子育てのための育児休業を取った方がいい」と考え
ている男性が67.0%を占めていることが明らかになった。一方で、
80.1%の人が育児休業をとるための企業や社会の支援体制が「十分
ではない」と感じており、環境整備が進んでいない実態が浮き彫り
になった。 

 調査は9月上旬に20歳以上の男女5000人を対象に実施し、3404人
が回答した。男性の育児休業については、女性の69.7%も「取った
方がいい」と回答した。年齢別にみると、特に20歳代では男性の
78.5%、女性の77.8%が「取った方がいい」と答えており、子育て
に直面している世代にとっては切実な問題であることがわかる。 

 高齢者などの家族介護のための「男性の介護休業」に関しては、
「取った方がいい」とする人が、男性の77.0%、女性の83.1%に達
した。30歳代、40歳代の女性ではほぼ9割が男性の介護休業を求めて
いる。一方でこのための「社会や企業の支援」については79.4%が
「不十分」と回答している。 


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