365−1.モスクワの女性たち



ジェンダー論、日本以外にも、いろいろなお国柄が出てきて、面白
くなってきましたね。
私もロシアの様子について、知っている範囲でお伝えしたいと思い
ます。

もともと社会主義国だったこともあって、職場の男女差別は比較的
少ないようで、仕事を育児休暇で休んでから、続けられるシステム
は、割合にきちんとしているようです。

しかし、なにを隠そう経済事情が一般的に、非常に厳しく、専業主
婦になる人は、よっぽど夫の稼ぎがいい人に限られ、ほどんどの人
は家計を支えるために仕事をいくつか掛け持ちで、やっているとい
うケースも多く、(特に給料の少ない国家公務員・教師・医師など)
かなり大変みたいです。

しかも、政治など中央で活躍する女性は、ほんの一握りで(ちなみ
に、イリーナ・ハカマダという国会議員は父が日本人、母がアルメ
ニア人とか)大半の女性が、日本では珍しいようなバスの運転手や
やや肉体労働系(塗装など)ともいえることまでしています。
かなり幅広い分野に渡って、仕事する女性がいることは、ちょっと
日本とは違って、彼女らはたくましいなあと思います。

この国の男性は、問題が起きると、お酒に走る傾向が強く、家庭内
暴力もけっこうあり、経済的な問題も多いことから、なかなか結婚
は、長続きしないケースが多く、20代前半で結婚して、半分くら
いの人が離婚、そして、さらにまた結婚というパターンが多いよう
です。

また、離婚の理由にあがるのが、日本と事情が似ている気がするの
ですが、姑問題。
住宅事情に恵まれない大都市では、親と同居という人が多く、子育
てを当然、祖母に頼むことになり、それによって、世代間の感覚の
違いや、いろいろな問題が出てきて、もちろんいい面もあるのでし
ょうが、実際は大変なようです。

女性の負担は、かなり大きいものの、羨ましいなあと思うのは、
恋愛期間中のロシア人男性の気前のよさ。(人によっては結婚して
からも、仲良く、大きな花束を持って芝居に来ている)
贈ってくれるバラの花束も半端な数じゃないのです。
けちじゃないところは、ロシア人のいいところです。
でも、現実は長続きしないようなので、要注意ですが。

また、宗教的に「バガ・マーチェリ」というキリストの母を信仰し
てきた歴史的な経緯から、マドンナを崇めるイタリアと同じく、ロ
シアでも女性は「母性的であらゆるものを抱擁するものである」と
いう潜在的な観念が強いという話があります。

駄目亭主でも、強いロシア女性から見ると、「あたしが、面倒をみ
てやらなきゃ」という母性本能で厳しい難局の中でも生き抜いてき
たとか。

日本の伝統でも、そういう感じも少しはあるけれど、ちょっと感じ
が違うような気がします。
個人的には、そういう「守ってあげたい」女の本能の方が自分自身
の中には強いかもしれませんが。

モスクワより  CHOCO
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352−1『らいおんハートとジェンダー論』に対して Agi
>  柳太郎   2000/11/13 04:39
>
>>なぜ男性が外で働き、女性が家事をするといった構造が生まれた
>>のかという点については、やはり高度経済成長期の国策的なものの
>>影響でしょうね。
>
>この点に関しては、私は考えが違います。もしYSさんのこの意見が
>正しければ、高度成長期に入る前の日本社会はもっと女性にも開け
>たものであったということになります。しかし、実際はもっと以前
>からから「男は外、女は内」的な発想が強く根付いていたのではな
>いでしょうか?

これに対して、私の意見もまた、もっと古いところにあると考えま
す。[原始時代]までさかのぼって考えてみました。
男は狩をしに食べ物を取りにいき、女は、家で何かを生産したり、
子供の教育を仕事とした。と、考えれば、[男は外の社会、女は内
の社会]は既に生まれていたことになる。

色んな時代を経てなお、今の私達にも、まだ遺伝的なそういうとこ
ろが残っていて、男性と同等を求める女性が多数存在する今、人類
が生まれてからの文化を覆すことは大変難しいことである。

だからといって、文化が変わることに否定するわけではありません。
それでは、時代が変わっているのに、適応しない法律を変えない様
なことと同じです。
文化と言う物は、その時代その場所ごとに生まれ変わりつづけるも
のです。
 
私はこう考えます。
男性が女性になれないように、女性は男性になれない。
残念ながら、体も考え方も全く違う生き物だからです。
でも、私達女性は女性としての、また違う角度からの見方ができる
ものとして、社会に役立っていきたいと願うのです。

そこが、男性社会と呼ばれる場所であっても、そう言う目で、私達
女性を見てもらえる社会になったら、素晴らしいと思う。

From Agi

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