300−3.米国の今後について



 現在の米国の経常赤字額は、NO.260−3で示しています。
詳しくは、下記URLでみてください。
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/1208163.htm

そして、日本からどのくらいの資金が米国に行っているかを推測す
る必要があるが、副島先生は、米国国債に3兆ドルから4兆ドル程
度が日本からファイナンスされていると見ている。
日本から投資等で米国に出ている金は、その他民間で数兆ドル。

 この日本からのドル資金と中国が米国国債を買っている資金があ
る。中国への貿易赤字は50億ドルであるから、これと同等の資金
が米国に還流しているはず。ここ10年ぐらいの累積で500億ド
ル程度の資金があると思われる。

しかし、その資金だけでは、不足して、欧州の資金を吸収せざるを
得ないことになり、去年4000億ドルが欧州から導入された。
とうとうこの資金をドルに替えたためユーロの下落が起きてしまっ
たのです。

しかし、年間貿易赤字300億ドル、累積債務1兆6000億ドル
を続けることはできない。ドルの信認の問題が出てくることになる。

それと、米国の国家・地方の借金は、11兆ドルにもなっているた
め、日本の国家・地方の借金7兆ドルと倍程度の規模になっている。

 今後ですが、日本がこの資金を日本に還流させると、米国国債・
株等が下落して、米国国民の資産はほとんど株等の投資になってい
るので、相当なダメージになると思われるのです。

 たとえば、日本の金利が上昇したり、株式市場が上昇すると、
米国から日本に資金が還流する可能性があるのです。
増田俊男さんの「負けながら勝ってしまう日本」に、日本に資金還
流が起こると、日本の景気が腰折れを起こす可能性もある。
この防止を日米で対策する必要があると言っている。

 しかし、米国の累積債務が大きくなると、いつかはドルの信認
問題が起こることになるので、なにか米国も対策が必要なのですが
考えられることは、米国の強い産業の価格を上昇させる。これは、
石油、農産物、航空機でしょう。もう1つがドルのある程度の下落
を行い、輸入価格を上げ、輸入と止め輸出を加速すること。
最後にスーパー301条やダンピング等で輸入を止める。

しかし、強いドルにしないと、米国に資金が還流しないため、ドル
を還流することはできないため、大きなドルの下落はできない。
もう1つ、日本との金利差を4%以上にしないと、日本資金が逃げ
ていくため、日本の金利が上がるのは、米国としてはあまり良くな
いないので、日本の景気は低く、インフレを起こして欲しくないの
です。インフレ時には、高金利になるのですから。

このため、米国景気の急減速に英研究機関が警戒するのです。
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09/22 08:29 米景気、急減速の可能性も 英研究機関が警告      

 【ロンドン22日共同】英経済誌エコノミストの研究機関である
EIUは二十二日発表した世界経済見通しで、米国が今後二年の間
に不況に落ち込む可能性があり、これが現在の国際経済が抱える唯
一最大のリスクであると警告した。              
 EIUは「米国経済の減速は穏やかに進む可能性の方が高い」と
述べた上で、巨額の経常赤字や民間部門の負債を背景に、米国景気
が急減速してインフレが進行、金融引き締めにより株価やドルが急
落する可能性も二五%程度はあるとした。           

 現在の原油価格高騰が続くと、このリスクはさらに増大するとも
指摘した。                         
 米国を含む北米の成長率について二○○一年が三・二%、○二年
二・五%、○三年三・○%と予測。              
 日本経済については、緩やかな回復が続いていると分析。今年は
一・七%、○一年は一・九%成長になると見込んだ。      
 世界経済全体の今年の成長見込みは四・九%とし、国際通貨基金
(IMF)の四・七%より高く予測。○一年は四・二%に落ちると
みている。                         
(了)  000922 0830              

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