268−2.中国人の性格について



伊達先生の講義を数年前、受けたがその講義禄から
 中国人の性格について、今回は見てみよう。
15の違った性格があると、林コドウが「我国土我国民」(S13)
で述べている。それは、
@忍耐力AひつこいB勤勉C保身D生命力E器用性Fメイフィーズ
(諦め)G無感動H無神経I怠惰J杜撰K猜疑心L老獪M金銭欲
N面子など

 このように、非常に複雑な民族性がある。原因はなにか?
原因は、@自然環境、A歴史、B文化の3つのことが考えられる。

1.自然環境
 自然環境がきびしい。黄河は、有史以来2000年間に1500
回、決壊して大水害になっている。水害後、3ケ月から9ケ月ぐら
い水が引かないし、700km河の流れが移動する。
1998年の揚子江の水害では、3000万人が死亡、2億4千万
人が被災した。この他、旱魃・蝗の害で、餓死することも多い。
1845年の旱魃では1370万人が死亡したと言われている。

 このため、自然の感じ方が違う。中国では、日本の自然に溶け込
むという発想はない。自然との戦いに勝つことしか、考えない。
負けると、メイフィーズと諦める。死を見ても心を動かさない、
無感動。忍耐力や適応性が必要になる。

2.歴史
 夏王朝、殷(商)王朝、周、秦、漢など10以上の王朝が、興る。
このため、戦乱により、多数の人が殺されることになる。
前漢末BC200年では6000万人の人口であったが、後漢
PC150では5600万人、秦には、1600万人まで減少した。
三国史の時代で4000万人も減少したことになる。

 このため、支配者を信用しない。政治を信用しない。人間不信。
このため、家族のみ血縁や地縁のみを信用することになる。そして、
自治能力が高いことになる。遠心力が高い。権謀術数を使う。この
ことが老獪性を生む。個は強いが、集団になると弱い。

3.文化
 4000年前の商時代に青銅器、文字も3000年以上前に出来
た。BC1000年に出来ている。日本に漢字が伝えられたのが、
216年であるから、2000年遅れた。

 このため、中国人は文字を持つことが文化を持つことであり、文化
を持つのが、人間だと規定した。このため、文字がない民族は人間
と思っていない。これが、中華思想の根底にある。

 全世界は、中華のもの。このため、国境という概念がない。辺境
という考え方のみ。この根底で、現在中国は世界と摩擦を起こす可
能性が大きい。領土拡張主義と同じだからだ。
もう1つ、厄介なのが、世界の文化は全て、中国から出ていると考
えていることである。これも、摩擦の原因となる。

今後、中国と付き合う必要が日本にはある。このため、中国の自尊
心の強さや、目的追求力に、日本は翻弄されるが、中国人の性格を
知って、戦略を練る必要があるでしょう。

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