207−1.NPO法案に意見



えりかさんのNPO法案(NO.202−1)への期待は理解できる
のですが、それが「抜本的な政治改革」であるというのは、
ちょっと待って、まだほかに考えることがあるのではないですか、
という気がしました。一言だけコメントさせてください。

ブレイクワイフ、孤老、登校拒否、失業、不法滞在外国人、
凶悪犯罪(それぞれどれくらい深刻な問題であるかは、
まだよく把握していないけれど)、などなど、日本に住む
人間たちを取り巻く問題はいろいろあります。

それらがNPO法次第で片付くかのように思うのは、楽観
にすぎないでしょうか。
一番大切なのは、心です。
自分を裏切らず、人を裏切らないまっすぐな心。
この世界に生まれてきたことの神秘をありがたく思う心。
人間だけでなく、動植物の生命の尊厳を感じ取れる感受性。

隣人が幸せであるかどうかに心配れる余裕。
利益を追い求めるのではなく、仁義を追求できる君子の
心がけ。自分への厳しさ。誘惑に負けない強さ。

少しでも心豊かに生きていけるための生活環境や都市環境、
さらに学校教育制度や地域活動。人間と人間が触れ合う場。

強くてやさしい心をはぐくむことが、全ての改革を成功に導く
鍵であり、それがなければどのような試みも失敗に終わる可
能性が高いといえるでしょう。

先日「正論」7月号を買いました。その中で戸塚ヨットスクール
の戸塚宏さんの書いておられたことがもっとも印象的でした。
(この号には、別の人の記事で、吉田松陰はペリー暗殺のため
に下田に行ったとあり驚きました。これは事実無根だと思います)

戸塚さんによれば、精神というのはハードウエアなんですね。
心は育てなければいけない、鍛えなければいけない。そうし
ないと、もろくて、すぐに壊れてしまう。

古今のすべての問題はここに帰着すると思います。とくに現代
のように、家族規模、生活スタイル、生業、自然との関わり、
学習内容、外国との距離、コミュニケーション手段の電子化
(携帯電話やインターネット)が急激に変化する中で、それに
対応できる精神を鍛えることは未曾有の事業です。

しかしそのような未曾有の大事業であっても、それをなんとか
しないことには私たちはもっと大変な事態に巻き込まれてしまう
恐れがあります。
われわれは、目先の小さな制度に目を奪われず、できるだけ
大局を、本質を見るように心がけなければならないと思います。
だいぶ孟子と松陰に感化されてしまったようです。

得丸久文(2000.06.09)
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(Fのコメント)
そうですね。日本人の気持ちの中核部分が崩れていっているように
感じますね。そのための施策も、これもまた多くありすぎて、困った
状況ですね。しかし、1つ1つ、解きほぐしていく必要があるので
しょうね。今後も今の日本人の心の解きほぐしをお願いします。

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