FACT FARM PROJECT



YS/2000.01.03

情報通信、エネルギー、そして最終章が食糧問題です。これまで一貫
して意識的に政界、財界、学界をごちゃまぜにして論じてきましたが
この視点は日本でもっとも欠落したもので、社会構造とは有機的に連
鎖し合って成立していることを各界代表も認識すべき事かと思います。
この視点から見ればアメリカのインナーサークルを主体とした制度的
社会構造は合理的に機能しており、これがパワーの源泉かと思います。

特に日本では政界、学界における閉鎖的体質が将来への致命的な不安
要素となっており、一時的にもここは勇気をもって財界中心に切り替
える必要性を感じます。常に海外企業との殴り合いの喧嘩を強いられ
ている勝ち組財界人に正面から立ち向かう自信があれば別ですが・・。

とはいえ財界内部も海外からの社外取締役の積極的な登用による国際
化は必要です。「経営者革命」をおそれてはいけません。

非合理性ゆえの『わびさび』も嫌いではありませんが、今のこの時期
にそれ程の余裕は残されていないはずです。

アメリカの食糧戦略の軌跡をたどるには『公報480号』『緑の革命』
『ウイリアムズ・レポート』の検証が有意義です。またこの後方支援
機関としてIMF、世界銀行、WTOが三位一体となって活動してい
ました。

日本の学界では1970年代初頭の金・ドル交換停止により「プレト
ンウッズ体制」及び「パクスアメリカ−ナ体制」の事実上の崩壊とし
ていますが、実際には70年代、80年代を通じて、解体されるどこ
ろかむしろ強化されておりついには90年代のWTO成立にて完成し
た事実についての説明をぜひ聞いてみたいものです。現在進行形の事
象すら説明できない体質を見直す時期に来ているのではないでしょう
か。一般企業では即リストラ対象ですよ。

このWTO成立にいたる過程のなかで重要な点は1970年代初頭の
危機的な状況のもとで『財界を軸に政、官、財のトップ400名によ
るインナーサークルの再結集が行われ「プレトンウッズ委員会」とし
てIMF、世界銀行主導のグローバル市場経済化やWTO創設に大き
な影響力を行使してきた』ことです。

この「プレトンウッズ委員会」の食糧戦略におけるリーダーシップは
穀物メジャーであるカーギルや現在遺伝子組み換え問題で苦境に立た
されているモンサントに委ねられてきました。

1999年3月時点のモンサントの取締役会には日本でもお馴染みの
ミッキー・カンター前商務長官(元通商代表)、ジョン・ロブソン前
財務次官、そしてサンフォード・ワイル氏とともにシティーグループ
の共同会長を勤めるジョン・リード氏が名前を列ねています。また、
このモンサントの1999年6月の取締役会にてロックフェラー財団
理事長のゴードン・コンウェイ氏が「遺伝子組み換え食品を巡る論争」
についての見解を表明しました。『緑の革命』の中心にあったロック
フェラー財団の農業分野での影響力は今なお健在のようです。

今後日本が『健全なナショナリズム』を思考した場合食糧自給問題は
避けることはできません。

そこでベンチャー的発想による先端技術集約型工場内食糧生産工場と
して「FACTORY FARM PROJECT」を準備したく提
案いたします。参加希望の方は「得意技を明記のうえ」どしどし連絡
下さるようお願いいたします。夢は大きく全コンビニ縦断併設の産地
直結グローバルネットワークを目指しましょう。とはいえ最初は補助
金狙いで雇用吸収産業として地道なスタートを考えた方が現実的かも
しれません。ちなみに私は遺跡発掘調査歴4年の大小スコップ操作準
2級非公式資格所得者です。

『引用』

田中宇の国際ニュース開設 http://tanakanews.com/index.html

国際寡占体制と世界経済  岩城淳子著 お茶の水書房 1999

なぜ世界は飢えるのか   スーザン・ジョージ 朝日選書

債務危機の真実      スーザン・ジョージ 朝日選書

                            他多数

岩城淳子様は岩城博司氏の奥様です。「国際寡占体制と世界経済」は
自宅までお送り頂きました。本当にありがとうございます。しみじみ
何度も読ませていただいております。

BGM/-The Long Black Veil-The Chieftains

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