<循環の確保>が、「生体」の条件じゃろう。 虚風老 イラク戦争の帰結として、アメリカが政治的盟主であることから落 ちることだけは、決定的になったといえるじゃろう。 米国の「戦争経済の破綻」先に、何がおきるか? 日本は好景気(輸出を中心とした大企業において)であるという が、それが米国と中国の特殊な需要に支えられていることは、みん な知っておるじゃろう。 これは、極めて危うい、「悪魔の構造」の上になりたっておる。 米国は双子の赤字(貿易と財政)であるが、その中で、景気が悪い といわれないのは、その牽引となっておるのが、金融と軍需産業で あるからじゃ。 ところで、アメリカが膨大な赤字を出しても平気で、ドル札を摺り つづけられるのは、現在の世界経済構造が、ドルの基軸通貨という 立場であり、いわば、米国債(米国財務省証券)本位制度という仮 想性にのっているからじゃ。 これは、米国の財政赤字がいくらでても、当面はアメリカにとって 痛くないし、(長期的には、ドルの信認性の問題がでてきて、世界 経済の枠組みの危機に結びつくが。。) 逆に、<戦争>を日本でいう「公共事業」とみなせば、アメリカで の唯一の競争力のある国際生造産業である軍需関連産業への膨大な 資金及び利益をもたらす。(戦争の民営化をチェイニー・ラムズフ ェルドが進めた結果、アメリカ国内における関連産業の広がりはか ってないほどじゃ) また、安定した金融市場が、「ウォール街」を中心した運用先であ るので、世界の余剰資金も、アメリカに集まる。それを世界で運用 回転させることで、利潤が上がる。 この二つを軸として生産された、民間「消費」に対して、日本や中 国は、民製品を売り込んでいる。(日本が中国を経由して中国で造 ったり、その部品や生産設備を売るという形で、間接的にも売って いる分がたくさんある。) しかし、実態は、戦争経済によって、生み出された<アメリカ国債> (米国の未来の税金)によって支えられているといっても過言では ない。 それを、また日本・中国が買い支えて、循環させることによって、 現在の経済はなりたっておる。 アメリカ(ネオコン)は、対テロ戦争を名目に30年戦争を続ける つもりであった。 (そうすれば、中東〜中央アジアの石油や資源という権益が手に入 り、ペイするかもしれんと踏んでの。じゃが、これは装いを変えた 侵略戦争でしかないがね。) しかし、アメリカが戦争をできなくなった時、どういゆことがおき るじゃろう。 米国内の軍需産業の在庫が積みあがる、裾野が広がった、軍事関連 産業は経営できなくなる。 しかも、どれも民生産業になれない(旧ロシアの軍需産業が民生品 を生み出せなかったように)製造思想が違うからの。得意先・最終 消費者だって、「政府」というわけじゃしの。 それに、アメリカは、自国が圧倒的に強力な時代に、あえて積極的 にサービス産業にシフトしたからの。おかげで、その穴を日本が埋 める形(より有効なシステムを開発して)で繁栄ができたのである がね。 ということは、この流れが途絶える時、アメリカに<不況>が襲い 掛かり、日本中国という対米輸出依存の高いところは、軒並み大消 費地という市場を失う。 世界経済危機が起こりうる。EUは、域内消費が多いし、対米依存が 少なく、米国債もあまり比率が多くないので、安全にみえるが、 やはりアメリカ・アジアが同時に不況になれば、影響は甚大である。 一旦そういう麻薬のような経済刺激を利用すると、なかなか後戻り できなくなる。 (日本のバブルが、米国の対日要求による無茶苦茶な(内需拡大) という名の覚醒剤の服用によって起こされたモノであることははっ きりしている。その付けが、禁断症状の失われたバブル後であり、 現在も後遺症を残す膨大な財政赤字となったことを忘れてはならぬ。 米国にとって、当事、日本も叩き潰す相手であったということじゃ。 今は補完させるべき相手になっておるようじゃが。) 資本主義というのは、実は「過剰」から生まれておる。 日本の場合、貿易黒字を投資しないというので、問題にされた。 (しかしアメリカを買いにいったら反発されたというわけじゃ。連 中も人間じゃのう。今、外資が入ることに積極的に賛成らしいが、 中国だって、<外資>であるし、ルールは同じように適用されるか ら、アメリカがかって日本に感じた感情を日本が中国に対して感じ ることは予想されるがね。 青い目の外人さんが、資本家で会社の持ち主になっても、何も言わ ないが、中国人なら反発するのじゃろううか?) 当然<過剰な資金>をもった中国は、世界を<買い>にまわる。資 源と戦端技術を持つ会社とかね。 ヨーロッパに兵器を売らないで欲しいと頼んだが、おそらく無理じ ゃろう。 イスラエルですら中国に兵器を売っておるしの。 その上、日本はアメリカの一手市場なので、ヨーロッパ制のモノを 買う訳にはいかない。 (兵体系上も、互換性や、修理などを考えれば、広げるわけにはい かない) こうなると、昔ココム規制(対共産圏禁輸リスト)というのがあっ たが、妙なことが起こりうる。 例えば、東芝を中国の資本家が51%握ったとしよう。 そうすると、東芝は中国企業ということになる。(資本の論理を貫 徹すれば)日本の法人であることに違いはないが。キャノン?の外 資比率が50を超えたので、献金ができなくなったどうのこうのと いうことではなくなる。? しかし、企業内の技術移転は国境をまたぐから、日本国内で製造さ れたもの(物品)については、禁輸規制をかけられるかもしれない が、企業内移転されたものに限度はつけられなくなるんじゃなから ろうか? 戦争経済は早目に終わらせねばならない。構造化してからでは大変 なことになる。 そうしないと、破綻の影響が甚大すぎる。日本が「土建」を経済社 会の根幹に据えてしまって、構造化してしまったために、未だに それから抜け出せない。(権力構造とからむから) ただ、わしは、グローバル化すべてが悪いと言っておるわけではない。 それは、不可避であろうし、米国の構築したシステム(自由貿易・ 情報流通等)で、一番、経済的に得をし、またそれに立脚している 国というのは、間違いなく日本じゃろう。 つまり、世界が米・欧・アジアの相互依存的な交流と均衡に支えら れ、アジアや欧州が、その内部でまた、いくつかの要素によって交 流・均衡して組みあがっておるほうが、システムとして強靭である しフレキシブルであると考えておるわけじゃ。 わしとしては、キーワードは、<循環の確保>であると考えておる。 それは、経済でも環境でも、社会でもあてはまるが、その流動性が 常に脈動しながら、うまくいくこと。。。破綻や激しい変動(馬鹿 儲けなど)でなく。。。が、望ましいと考えておるからじゃ。 故に複数間で、動的なバランスがとられる体制がよい。よって、 権力構造にたいしても、リアリストにならざるをえないわけじゃ。 戦争は、<循環>には程遠い。 循環システム(環境にしろ、経済にしろ、資源の利用にしろ、社会 のありかたにしろ)の構築と保守に投資することこそが、大戦略に なるのではないじゃろうか。 虚風老 ============================== Re:<循環の確保>が、「生体」の条件じゃろう。 猿マシーン なるほど、的確な分析だと感じます。 ただ、ちょっと質問させてください。 >アメリカが膨大な赤字を出しても平気で、ドル札を摺りつづけら れるのは、現在の世界経済構造が、ドルの基軸通貨という立場であ り、いわば、米国債(米国財務省証券)本位制度という仮想性にの っているからじゃ。 コレばかりは納得出来ないんです。 膨大な赤字を出しているから、ドルを印刷するのは理に適ったこと では? >日本のバブルが、米国の対日要求による無茶苦茶な(内需拡大) という名の覚醒剤の服用によって起こされたモノであることははっ きりしている。その付けが、禁断症状の失われたバブル後であり、 現在も後遺症を残す膨大な財政赤字となったことを忘れてはならぬ。 米国にとって、当事、日本も叩き潰す相手であったということじゃ。 今は補完させるべき相手になっておるようじゃが。 バブル景気「以後」の財政赤字は単に貨幣を刷ってないからだと思 うんですが。 それに、バブル経済の原因は無謀な投機が原因なのではないでしょ うか。内需拡大は白書を見る限り「発生していません」。恐らく、 虚風老さん自身は理解しているけれど、書いているうちに文が狂っ たんじゃないかな、と思います。 そう考えないと、アメリカが当時日本にドル攻勢をかけ、見事成功 したという事実の説明が不可能になります。 >資本主義というのは、実は「過剰」から生まれておる というのは、何と比して過剰なんでしょうか?