2522.人の心を動かす力学



人の心を動かす力学         トリニティ   
   
 私は力そのものを重視するというよりも、人の心を動かす力学の方
に関心があります。例えば、罪悪感と親近感と不安感をベースにキ
リスト教について整理してみましょう。

・罪悪感→キリスト教でいえば、イエスの十字架刑。罪を彼一人に
購わせたことによって人類の側に負債が生じた。
・親近感→キリスト教(カトリック)でいえば、処女アイドルのマ
リア様。教養のないゲルマン民族は「萌え〜」とイチコロだった。
・不安感→キリスト教でいえば、地獄の存在。ちゃんと信仰しない
と地獄に落とされるかもしれない。

次は戦後日本について。

・罪悪感→日本の敗戦。中国やアジア諸国を侵略してごめんなさい。
平和憲法護持。
・親近感→民主主義。IT。グローバリゼーション。あって当たり前
で空気みたいなもの。
・不安感→日本のエリートはアメリカに見捨てられるのがこわい。
日米安保堅持。

北朝鮮の拉致問題などは、この罪悪感の逆位置ですね。北が植民地
支配への反省うんぬんぬかすと、てめえ、拉致った分際で何ほざき
やがる、となるわけです。現在の日本はこの罪悪感が希薄化してい
ますが、これはこれで逆位置として利用すると、日本人の過剰な反
応を引き起こすことができます。例:チャンコロ!歴史認識の政治
利用で今までよくもカモってくれたな!

まあ、核というのは、明らかに不安感を極限的に利用する政治装置
ですね。不安感の応酬によって、大国間の戦争は抑止されるように
なった、ということです。 
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エンガチョへの抗堪性               トリニティ
   
 言論誘導権力=国際金融資本は右手であたためる一方で左手で冷や
します。具体的に言うと、日本のことをほめて持ち上げる一方で、
悪口言って孤立させる自由も確保しようとする。日本が核武装する
上での(おそらく核武装した後でも)主要な障害になるのは、彼ら
による日本エンガチョ工作ですね。日本は人口も少ないし、国土の
縦深性もないし、食糧エネルギー自給率も低いし、核アレルギーも
あるし、大手メディアは国際金融資本の奴隷だし、しかも敗戦国。
弱味はいっぱいあるわけで、はて、どうやったらエンガチョに対抗
できる抗堪性を築けるのか。あくまで彼らの軍門にくだらない方法
で。皆様、妙案はございませんか? 
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力の追求           トリニティ 

アメリカははたして力をうまく制御しているのでしょうか。素人目
ですが、戦争がメシの種になり、戦争遂行能力の高さにおごってい
いかげんな占領を行い、地政学的相克の深みにはまっておぼれてい
るように見えます。力の追求とは(覇権闘争)、理性的な計算を奪
い、国家そのものを客体化させ、最終的には力を消耗させてしまう
のか。

日本についてですが、すでに現時点で強大な軍事的ポテンシャルを
持っています。核武装は荒ぶる力を呼び込む契機になるでしょう。
はたして日本は力におぼれずに制御しうるのか。核武装するうえで
の一つの重要なポイントは、力によって精神を客体化されない知的
抗堪性を築き上げることだと思います。 
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(Fのコメント)
大国間の力の行使には、その法則が存在しています。その法則を研
究しているのが地政学で、その地政学を応用して外交としている時
には、米国はうまくいくのですが、ネオコンなどの理念先行で軍事
力を行使すると、これはうまくいかないようですね。

覇権の確立には、大国といえども周辺諸国は勿論のこと、世界の多
くの国から支持がないとできない。

今、世界中の世論で、米国が嫌いとかブッシュが一番危険と言う結
果が出ている。米国への支持が無くなっている証拠で、このままに
していると米国の覇権はなくなることが確かな状況になっている。

それでは、次の覇権はどうすればいいのでしょうか??
真剣に検討する必要が出てきています。日本の役割も明確にするこ
とが必要ですよ。

この点をまとめたのが、「米国覇権体制の崩壊と日本の役割を予測
する」です。まもなく出版になりますので、お待ちください。


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