2444.外国人による「天皇論」



ソクーロフ「太陽」の紹介HP
From: Kumon Tokumaru

鷹揚の会の夏合宿に参加された皆様、お疲れさまでした、お世話になりました。

今年の「昭和天皇」は、我々の天皇に対するもやもやしたイメージを払拭する
本でした。できれば知りたくなかったような現実を突きつけられて、がっかりと
したというのが本音でしょうか。

「敗戦国の元首が、間接的にせよ著しい暴虐に加担したのに、処罰をまぬが
れ名誉と権威のある地位に留まることを許された場合、その国がどうなるか」
の研究という言葉は、何回読み返しても重たい。

三島由紀夫の「英霊の声」とソクーロフ「太陽」に共通するテーマは、天皇の
人間宣言です。我々は、昭和21年正月に行われた人間宣言の意味を、まだ
十分に理解していないようです。

「太陽」についてのわかりやすいHPがありましたので、ご紹介します。映画
をまだごらんになっておられない方にお勧めです。

http://homepage2.nifty.com/deracine/russia/solntse.htm

http://home.att.ne.jp/apple/berlin/baustelle/BAUSTELLE/bau_diesonne.html

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残念ながら、外国人による「天皇論」。浅山
From: 浅山

ソクーロフの「太陽」、講談社学術文庫「昭和天皇」と外国人の手で描かれた天
皇、日本人特有の文化の逆輸入で教えられることが多いです、若い方々ほど自然
に楽しみながら、日本理解にもなるかと思い、僭越ながら、是非、一見、一読を
お勧めいたします。

どちらも監修が吉田裕なのがせいぜいの救いです、日本人による天皇論はどうし
ても過去の天皇論に引き込まれて、時代を突き抜けることが出来ていないように
浅学ながら思います。

その点で「雅子妃のオランダ行きの選択は吉と出るか凶と出るか関心あれ」ODA
での貢献では世界一のオランダ、江戸時代にもお世話に成り、今回もまた。

でも、彼女の心は癒されるのでしょうか、時代の先端を勉強された雅子様が、種
的には既に弱くなられている、皇室に入られて、何処までサービスされるでしょ
うか、日本古来の美徳「謙譲」でお仕え出来ますでしょうか、でも仕えた所で、
あのイラクで亡くなった奥様を思う気持ちにはお変わりないことでしょう。

雅子様、ピンチをチャンスに、決して王政復古は望みません、日本のために、納
税者のために良い考えを御示しください、国民の多数は未だ、市場主義以前の皇
室の在りかたにロマンを求めていますし、為政者は事あれば、皇室を暗黒星雲
に、すべての罪をそこへと流し込みます。

聡明に徹すべし、それで駄目なら、娘に託されますよう。お薬より、読書と楽し
い方との会話、芸術鑑賞が、脳を活性化してくれることでしょう。

村上家、元高田市民もきっと応援しますよ。

しかし、民主主義の世の中に立憲君主主義の残滓を残して、日本には未来は有る
か。あのバブルの後半期、金持ちたちは、金の次には名誉を欲しがり、叙勲の家
系を、また皇室に近さを誇る名誉に近づこうとしましたし、出版もそんな類のも
のが出始めました。

そうです、皮肉を込めて、名誉をランク付けるためにはある種の人々には「皇
室」が必要なのです。財界は巧妙に使い分けるでしょうし、「神の国」発言の彼
の人のような正直な政治家に見えるように、心はあそこです。
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「蟻の兵隊」を見てきました
From: 浅山

本当に、市民して居たら商人で長男、後継ぎしていた人が、日本の皇軍に入り、
戦争が終わった後も3,4年山西省に、中国蒋介石軍と密約した上官の下500
余名が日本軍、皇軍として闘い続けた人を追い、作られた映画のようだ。

稲作農民は、皆の動きで集団的に動くのだ、それが美しいと思われる、今は北朝
鮮に残された伝統だが、日本軍は一糸乱れぬ強さを誇りとした、軍隊は強かっ
た、しかし人間としては不足では?

戦後、欧米の民主主義が入り、今はグローバリズム、市場主義、大いに学ばね
ば、個人の強さで逞しく意見を言わねば、中途半端に終わる人生ではないでしょ
うか。

来年は団塊の世代(これもフィクション作家に長けた作家の造語ですが)、定年
に成ったら、先ず2,3年はヨガとか太極拳とか、やったことないが合気道とか
やりながら、次の個人の本当に自分に、自分の全細胞に良い人間的なものに心を
注ぐことに熱中してこそ、その個人の悔い無き人生ではないでしょうか。

日本の軍隊が戦争遂行者として優秀であったように、日本の官僚も優秀と言われ
ましたが、今はグローバリズムの過渡期の中で、混乱し始めています、東大卒の
居ない官庁があったと先月の新聞にありました、それも良いのでは、でも混乱期
には、時としてヘンな物も出現しますから、要注意。

奥村さんは偉かった、自分の考えで、自分の足で歩いて山西省を池谷監督と歩い
たのか、奥村さんがその軍の中で若いことが今回の取材を成功させて、貴重な記
録を残せたと思います。

しかし、未だ加藤紘一氏の家の放火犯の右翼の名前は公表されていません、こん
な時代が更に、安倍政権では深まるのではと、警戒したいものです、そして斯様
な映画やニュースの検閲時代が来ないように、権力を監視しましょう、それが本
当の日本国民の利益になるのです、怠れば、一部権力者の利権の片棒を担ぐこと
になり、再び国民の悲劇を作ることになります。

最後のあの頑迷な、いや、皇軍というフィクション、日本天皇オカルトの犠牲に
なった東アジアの日本以外の人々の冥福を祈るものであります。


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