2317.中国の対応



胡国家主席が18日から訪米する。その検討。    Fより

中国の胡錦濤国家主席が18日から4日間の日程で米国を訪れる。
20日にブッシュ大統領と会見する。ここでは人民元切り上げなど
の中国の問題は勿論であるが、イラン問題、北朝鮮問題が大きく取
り上げられる。

中国は、この訪米に合わせたような格好で、元の切り上げ幅を大き
くしたり、知的保護の強化したりしている。このような施策で中国
への圧力を緩和させようとしている。イランに対しても濃縮ウラン
製造を批判している。しかし、「現状では、軍事的なものを含む制
裁について論議することは有益でない」とも発言し、安保理での制
裁を視野に入れた議論を牽制している。

日米が要求する中国の民主化についても、中国国務院(政府)に属
する「経済体制改革研究会」で3月、学者らを招いて会議を開き、
将来の多党制導入の可能性などを議論したようだ。しかし、共産党
一党独裁の強化も行っているので、一部学者がリークした内容がホ
ームページに出たが、多党化、民主化を推進する意見に反国家的な
どとコメントがされている。

そして、米国のイラン戦争を見越して、サウジにも近づいている。
サウジの石油を中国は狙い始めた。しかし、中国はロシアと共同で
イランへの制裁を食い止めて、イランの石油を全て中国で押さえよ
うとしている。ロシアは濃縮ウランをイランに販売したいし、イラ
ンの石油をロシア経由でEUに売ることも視野に入れている。それ
とロシア製武器を買ってもらうお得意先である。このため、反米政
権を持続させることがロシアにとっては武器商売上有利になる。

しかし、国連で制裁決議を拒否権で否決しても、米国は有志連合で
イラン制裁、攻撃を行うことは目に見えている。イランはホルムズ
海峡を封鎖するために、欧米など自由諸国は石油高騰から戦争をし
ないとイランは見ている。米国攻撃はブラフと見ている。しかし、
それは違う。

中国も徐々に米国のブラフではないと見ているようだ。今度の訪米
で胡主席は、中国としてイラン問題、北朝鮮問題に欧米が満足する
対応をしないと、米国の金融制裁や経済制裁の「真の標的は平壌(
北朝鮮)ではなく北京(中国)」であると知るはずである。

ライス国務長官はプーチン大統領とロシア語で直接電話できるため
に、両国の利害をお互いに直接分かる関係にある。ロシアと米国は
そういう意味では、利益折半で折り合っている。

米国として、中国を敵ではなくて味方に引き入れるための手練手管
が必要になっている。それは中国が北朝鮮とイランをどう見切るか
で、その見返りの利益として何を望むかでしょうね。18日からの
胡主席の訪米が見物ですね。
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中国国家主席、18日から訪米へ・国賓待遇を要求
(nikkei)
 【北京=桃井裕理】中国の胡錦濤国家主席は18日から4日間の日程
で米国を訪れる。20日にブッシュ米大統領と会見、人民元切り上げ
や貿易摩擦、知的財産権保護、人権、台湾問題などを話し合う。中
国は人民元の対ドルレート上昇や知財保護の強化など米国の要求を
かわす施策を矢継ぎ早に実施している。改革姿勢の演出で対中強硬
論を抑え、米中協調をアピールしたい考えだ。

 胡主席にとって今回の訪米は国家主席就任後、初の国事(公式)
訪問で、中国国内向けに威信を示す重要な機会と位置付けている。
このため、当初は米国に対し、国賓訪問の待遇を要求。米国はこの
要求を退けたが、歓迎式典での21発の礼砲や大統領夫妻主催の昼食
会など「準国賓級」待遇を用意した。 (07:00) 
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米大統領「日中韓」改善を要請 
(nikkei)
 【ワシントン=丸谷浩史】ブッシュ米大統領は10日、ワシントン
市内で講演し、アジア政策に関して、日中、日韓の「より良好な関
係」が望ましいとの考えを示した。そのうえで「日中、日韓の間で
2国間対話が促進」することへの期待を表明し、米国としても関係改
善に向け、対話促進に取り組む姿勢を示した。 

 日中関係は首脳会談が中断している状態が続いている。20日には
ワシントンで胡錦濤中国国家主席が米大統領と会談する予定で、日
中関係が米中首脳会談の議題になる可能性がある。大統領は中国の
人民元改革についても成果が得られるよう期待する考えを示した。 

 米軍普天間基地移設で日本政府と名護市が合意したことについて
は将来の日米防衛協力を強固にするものだと評価した。 (02:21) 
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「国際社会に合わず」 中国もイランを批判(ASAHI)
2006年04月13日13時09分

 イランが低濃縮ウラン製造に成功したと発表したことに対し、中
国の王光亜国連大使は12日、「中国として、発表された内容が国
際社会の要求に合致していないことを憂慮している」と述べた。発
表に対する中国の初めての反応で、これまでになく厳しい表現でイ
ランを批判した。 

 ただ、王大使は「現状では、軍事的なものを含む制裁について論
議することは有益でない」とも発言し、安保理での制裁を視野に入
れた議論を求める米国などの動きを牽制(けんせい)した。 
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中国の学者ら多党制議論か 香港紙が報じる 

 9日付香港紙、明報によると、中国国務院(政府)に属する「経
済体制改革研究会」が3月、北京で学者ら約40人を招いて会議を
開き、銀行改革のほか、将来の多党制導入の可能性など、現行の共
産党一党体制下では「敏感」なテーマを議論した。

 会議は非公開だったが、その後「左派系」ウェブサイトを通じて
会議録が外部に流出。「改革名目で党の分裂や政権転覆を狙ってい
る」などと会議の開催に批判の声が出ているという。

 出席者の北京大教授は、サイトに流れた会議録にはいくつか間違
いがあるが、実際の内容とほぼ同じであることを認めた。研究会の
副会長は、会議の目的は改革について共通認識を得ることであり「
個別参加者の過激な言論は会議を代表しない」と話したという。
(共同)
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「真の標的は中国」 対北朝鮮金融制裁で米誌(共同通信)

 【ニューヨーク5日共同】米誌ニューズウィーク最新号は、米国
が国家ぐるみで米ドル札を偽造している疑いが濃厚としている北朝
鮮への金融制裁を特集した記事で、米国の取り締まりの「真の標的
は平壌(北朝鮮)ではなく北京(中国)」とする専門家の見解を伝
えた。
 中国の特別行政区であるマカオや香港の銀行が北朝鮮の不法行為
に手を貸していたとの疑惑が背景にある。複数の外交筋によると、
米政府は制裁を科したマカオの銀行への独自調査方針を決めている
が、金正日体制を支える中国への警告という側面もありそうだ。
(共同通信) - 4月6日9時56分更新 


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