2306.尊厳死の問題について



尊厳死の問題からすると外科部長の行為は正しい。  Fより

延命治療しても助からない場合は、死を人間として迎える努力を医
者はするべきである。射水(いみず)市民病院の外科部長を殺人で
警察に突き出すのはおかしい。逆に、このような行為を医者に推奨
するべき行為である。

しかし、報道機関はおかしい報道をしている。報道は外科部長を批
判して、病院長の方を味方している。しかし、本当は外科部長を褒
めて、病院長を批判するべきである。

今まで、この分野で問題になった行為は筋弛緩剤を投与して患者の
苦痛を柔らげるという理由で殺す『積極的な安楽死』であったが、
この外科部長は延命治療の呼吸器を外しただけの『消極的安楽死』
である。それも家族の了解を得ている。『延命治療の中止措置』の
範疇に入る行為で、普通なら問題にならないし、尊厳死という意味
では、非常に妥当な行為である。問題視されるはずもない行為で
ある。

人間を植物人間状態にしてはいけない。人間としての尊厳を確保で
きる間は治療をするべきであるが、助かる見込みがないなら、人間
としての尊厳を確保できる間に親族との別れができるようにするべ
きであり、植物人間にしてまで延命治療をするべきではない。

私Fの考え方は、来世も人間に生まれ変わると信じて、死を恐れて
はいけないし、尊厳を持った死に方をしないと魂が傷つくし、家族
の別れができないと見ている。我々は、魂を磨くためにこの世に生
まれてきていると見ている。魂が問題なのである。この世の姿は、
仮の姿であるという神道としての考えを持っている。

射水(いみず)市民病院の外科部長に「医学とは」との質問に、
「笑われるかもしれないが、愛だ。大事なのは心電図ではない」と
言う。これが正解である。この頃、この行為が問題になるなど、死
に対する見方もおかしくなっているように感じる。

それでは、なぜ、これが問題になるのでしょうね。問題になるのは
、2つ考えられる。1つが家族が弁護士と相談して、病院を訴えれ
ば金になると訴えた場合。2つに1週間延命治療をすると一千万円
程度の儲けが病院に出る。この儲けを逃したと外科部長を訴える場
合の2つでしょうね。

もし後者であれば、病院長を辞任させるべきだと思うがどうであろ
うか??
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尊厳死の問題「法制化加速を」 超党派議連の幹事長(ASAHI)
2006年03月29日21時16分

 超党派の国会議員でつくる「尊厳死法制化を考える議員連盟」(
会長・中山太郎衆院議員)の会合が29日、参院議員会館で開かれ
た。富山県の射水(いみず)市民病院で患者7人が人工呼吸器を外
されて死亡した問題について、同議連幹事長の渡辺秀央参院議員は
会合後、記者団に「(尊厳死の)法律を社会が必要としているとい
う問題提起では。社会不安にもつながり、難しいからと先送りはで
きない」と述べ、法制化に向けた議論を加速させる考えを示した。 
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昨年十月、内科の看護師長から七人とは別の入院患者(78)につ
いて「外科部長が安楽死させようとしている」と副院長に連絡があ
り事態が発覚。
外科部長には四人の外科医の部下がおり、うち一人は麻野井院長に
「(外科部長に)反論できなかった。人工呼吸器を外すのを黙認し
た」と説明したという。

つまり、外科部長の部下の医師の<うち一人>がちくったのですよ。

かねてから人望の厚い外科部長に嫉妬していたのか、院長たる自分
に相談がないことが不満だったのか分からないけれど、とにかく院
長は外科部長に敵意を持っており、このチクリを幸いに外科部長の
追い落としに掛かった。そういうことでしょう。

私自身は、この外科部長は患者思いの非常に良心的な医者だと思う
のだけれど、安楽死を巡る論争では、正論/建前論をかざす院長に
は太刀打ちできない。

惜しむらくは、この院長先生、目の上のたんこぶの外科部長の追い
落としにばかり熱心で、「医は仁術」、つまり「医者の本分は患者
第一/患者優先」の大原則を忘れた。
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外科部長、退職願を撤回 病院を批判 呼吸器外し問題(ASAHI)
2006年03月31日21時16分

 富山県射水(いみず)市の射水市民病院で患者7人が人工呼吸器
を外され、死亡した問題で、うち6人について関与を認めた同病院
の外科部長(50)が31日、射水市に提出していた退職願を撤回
した。分家(ぶんけ)静男市長はこれを了承し、外科部長に4月1
日から1カ月間の自宅待機を改めて命じた。外科部長は31日、病
院側の対応を批判するなどした手書きの文書を自宅に張り出した。 

 退職願の撤回受け入れについて市は「受け入れない理由をみつけ
ることができなかった」としている。 

 人工呼吸器の取り外しを同病院の麻野井英次院長が知ったのは昨
年10月。院長は外科部長に自宅待機を命じるなどし、外科部長は
今年3月6日付で辞表を提出。31日付で退職する予定だった。 

 文書で外科部長は「自宅待機命令の内容や手続きは妥当性に疑問
がある」と批判。患者6人のうち1人については麻野井院長にリポ
ートを出したが、残る5人については説明する機会がないまま、計
7人全員に部長が関与したという事実とは異なる発表がなされたな
どとしている。また「(人工呼吸器は)救命治療のため装着したも
のであり、家族のご希望があったことから取り外した。延命治療の
ため人工呼吸器を装着した患者はおられません」と主張している。 

 麻野井院長は「警察にすべてをまかせているのでコメントするこ
とができない」とし、分家市長は記者会見して「コメントすること
はない」と話した。
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呼吸器外し 外科部長「別れの時間作ろうと」(ASAHI)
2006年03月29日23時36分

 富山県射水(いみず)市の射水市民病院で患者7人が人工呼吸器
を外され、死亡した問題で、29日午前、取り外しについて「家族
の同意を得た」「別の医師と相談して決めた」との見解を明らかに
した外科部長(50)は、午後までに複数回取材に応じ、自身の行
為を「外してもすぐに患者は死に至るわけではない。別れるまでの
時間が誕生する。そういう貴重な時間を作る思いだった」と説明し
た。 

 外科部長が取り外し7事案全部にかかわったとした病院側の説明
については「1件は別の医師が外し、私はかかわっていない」と反
論した。 

 患者側の同意書については「書面で担保になるものを取らせてい
ただくのはその場にはふさわしくないというか、体面が悪いという
か」と改めて説明。「慎重さが欠けてはいけないと努力したつもり
だが、消極的安楽死が公に認められる条件をクリアするのが難しか
った」と振り返った。 

 人工呼吸器を外し、延命治療を中止する判断については「救命で
きないと分かった段階で患者のほとんどは脳死状態になっているの
が現実だ。患者の気持ちを考え、次にできることを考えた。何ら恥
ずべき行為ではない」とし、「外してから心停止までの数分間、患
者の口に水を注ぐ家族がいた。徐々に過ぎていく時間は家族にとっ
ても大事だと思う」と語った。 

 「医学とは」との質問には、「笑われるかもしれないが、愛だ。
大事なのは心電図ではない」と答えた。 

 一方、同日夕に記者会見した麻野井英次院長は、外科部長が「他
の医師と協議した」とした点について「外部の意見を含めて対策を
取ったのか。複数の医師といっても、対等に意見を言えるもの同士
だったのか。私が調べた範囲では不十分ではないかと考えた」と反
論。かかわったのは「6事案」との説明については「外科のトップ
として全部の方針決定にかかわっていたと判断した。具体的には把
握していない」と話した。 

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