2303.琵琶湖周航の歌



琵琶湖周航の歌

                  平成18年(2006)3月21日(火)
                   「地球に謙虚に」運動代表
                    仲 津  英 治
 先日住居表示変更のお知らせの際、旧制第三高等学校(現京都大学)のボー
ト部の歌、琵琶湖周航の歌で一番の歌詞に誤りがございました。一番肝心な
志賀の都のところを滋賀の都としておりました。正しくは下記のとおりです。
作詞者にも失礼になりますので、ここに謹んでお詫びし、お知らせ致します。

琵琶湖周航の歌
 作詞  小口  太郎
 原曲  吉田  千秋
 一   われは湖(ウミ)の子  さすらいの
        旅にしあれば  しみじみと
       のぼる狭霧(サギリ)や  さざなみの
        志賀の都よ  いざさらば
 以下六番まであります。
  
 また最近探鳥会の際、近江今津にある琵琶湖周航の歌資料館を訪れる機会が
あり、作詞者、作曲者にかかわるエピソードを知りました。

 作詞者の小口太郎氏は、明治30年(1895)生まれ。長野県岡谷市出身です。
 大正6年(1917)6月、第三高等学校(現京都大学)ボート部二部クルーは
学年末(当時7月卒業)の慣例によって琵琶湖周航に出ました。小口太郎氏ら
一行は大津の三保ケ崎(三井寺に近い湖岸、志賀の都があった錦織地区に近い)
を漕ぎ出しました。2日目に近江今津の湖岸の宿で、彼が作詞した歌を披露し、
彼らはその詞を、当時よく歌われていた「ひつじぐさ」のメロディを節に乗せ
るとよく合ったので、喜んで合唱したということです。「琵琶湖周航の歌」の
誕生です。

 そして「ひつじぐさ」の作曲者は、昭和54年に「吉田千秋」氏と判明しま
した。同氏は明治28年(1893)生まれ。新潟県新津市出身。当時現東京農業大
学に学びながら、大正4年(1915)、雑誌「音楽界」8月号に「琵琶湖周航の
歌」の原曲とされる「ひつじぐさ」を発表したとのことです。

 旧制高校の寮歌が好きな私は、学生時代に各校の寮歌をよく覚えたものです
が、概ね作詞、作曲は同じ高校の在学生というケースが多かったように記憶し
ています。今や人口に膾炙している琵琶湖周航の歌が、まったく別の学校の学
生が作曲したメロデイーで歌われるようになったとは初めて知ったしだいです。
 インターネットを検索する中で、「ひつじぐさ」が吉田千秋氏の作品である
ことに疑問との意見もありましたが、ここでは触れません。
 二人とも二〇台の若さでこの世を去っています。

 さらに詳しくお知りになりたい方は、下記ホームページをご覧ください。
琵琶湖周航の歌資料館(滋賀県高島市今津町中沼1丁目5-7)
http://www.city.takashima.shiga.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1134976319645&SiteID=0
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ツルネンマルテイ氏のメルマガ

                  平成18年(2006)3月19日(日)
                   「地球に謙虚に」運動代表
 仲 津  英 治
 地方行政の効率化のために市町村合併が進められることは大いに歓迎
ですが、古の時代からの地名がまた一つ、二つと消えることはいささか
残念なことです。この地生まれの者ではなくてもそう思います。

 滋賀県志賀町は、平安時代の歌人、平 忠度が「ささ波や 志賀の都は
 荒れにしを 昔ながらの 山櫻かな 」と歌った志賀の都の地名を今に残
していました。志賀の都は、663年白村江の戦いで唐・新羅連合軍に敗れ、
危機感をもった天智天皇が667年(天智6年)飛鳥宮から遷都した近江大
津宮のことです。今のJR湖西線西大津駅周辺であったようです。

 最近では旧制三高の名曲、琵琶湖周航の歌の1番の歌詞に登場します。
  われは湖(ウミ)の子 さすらいの
  旅にしあれば しみじみと
  昇る狭霧(サギリ)や さざなみの
  滋賀の都よ いざさらば

 そして小野郷は、古代の豪族小野一族の出身地でありました。我が国
初の遣隋使の使節団長として活躍した小野妹子はこのあたりの出身と伝
えられています。607年に聖徳太子の命を受け、アジアの大国隋に渡りま
した。
 また滋賀県志賀町内には平安前期の歌人で、漢詩文で名を挙げた小野 
篁(おののたかむら)を祭る小野篁神社があり、その孫で三筆の一人と言
われる平安時代の書家小野道風を祀る小野東風神社もあります。

小野の地名は、JR湖西線の駅名には残りますが、京阪電鉄が開発した
ローズタウンというニュータウンにさえ、採用された地名の小野が消え
ることとなりました。地名は故郷のそして住む場所の誇りを表す大事な要
素ではないでしょうか。

 続いて神奈川在住のツルネンマルテイ参議院議員のメルマガのURLをお
送りします。日本人の失いかけていることをしっかりと言葉にしてくれ
る環境派のフィンランド出身の日本人議員です。親友が知らせてくれま
した。題して「日本人の誇りが日本を救う」。私はツルネンさんの講
演を数回聞いたことがあります。   
         
ツルネンメルマガNo:223 
「日本人の誇りが日本を救う」             
 先週のメルマガで、日本に亡国の兆しが現れていると書いたが、今回は
日本と日本人が亡びていかないためのいくつかの処方箋を提唱したい。
以下は下記URLをクリックしてください。
http://www.melma.com/backnumber_151325/


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